■ 平均律アナリーゼ講座 第 22回のご案内 ■
~Chopinは、 Bach の5度音程から何を学び、マズルカを創ったか?~
2012.3.21 中村洋子
★平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 22番プレリュードの、
冒頭 2小節は、葬列の行進を思い起こすような
“ 重い足取り ”です。
8分音符の b音( 変ロ音 )の repeated notes をバスに、
ソプラノが b1( 1点変ロ音 )から綿々と、
悲しみに満ちた旋律を、歌い上げます。
★その核となる音程は、b1 → f2 ( 2点へ音 )の、
上行する≪ 完全 5度 ≫です。
Frederic Chopin ショパン(1810~1849)は、
この 5度音程から何を吸収し、そして、
彼特有の旋律を、創り上げたのでしょうか?
★Bach を深く勉強しなければ Chopin の本当の演奏、
Chopin が意図したとおりの演奏は、できません。
今回は、Op.7 ( 1830 / 31 )、Op.17( 1832 / 33 ) 、
Op.33( 1837 / 38 ) の、マズルカのいくつかを例に、
Chopin の源泉をご説明します。
★Bach のメヌエットが、ドイツ民俗音楽でないのと同様に、
Chopin のマズルカも、ポーランドの民俗音楽ではないのです。
★Bach のフーガのテーマは、b1 → f1 から始まります。
プレリュードの b1 → f2 の ≪ 転回音程 ≫ です。
悲嘆に満ちたプレリュードの表現が、さらに深まり、
峻厳な様相を帯びます。
Bach が構築しようとした世界を、
Bach の自筆譜から 分かりやすく、お話いたします。
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■第 22回 平均律アナリーゼ講座 第 1巻 22番 変ロ短調
プレリュード&フーガ
■講 師 : 中村 洋子
2012年 4月27日(金)午前 10時~12時30分
カワイ表参道 2F コンサートサロン・パウゼ
■会 費 :3,000円 ( 要予約 ) Tel.03-3409-1958
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★次回アナリーゼ講座のご案内
■第23回 5月24日 (木) 午前 10時~12時30分
平均律 第 1巻、23番 ロ長調 プレリュード&フーガ
Ravel ソナチネとの関係
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■作曲家 : 中村 洋子
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。
2003年~05年:アリオン音楽財団 《 東京の夏音楽祭 》 で新作を発表
07年: 自作品 『 無伴奏チェロ組曲第 1番 』 などを、チェロの巨匠
Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏
CD 『 W.ベッチャー 日本を弾く 』 を、発表。
08年: CD:『 龍笛&ピアノのためのデュオ 』
CD:『 ソプラノとギターのための、“星の林に月の船 ” 』 を発表。
08~09年: 『 バッハのインヴェンションアナリーゼ講座 』
全15回を開催。
09年10月: 『無伴奏チェロ組曲 2番 』 が、W.Boettcher
ヴォルフガング・ベッチャー氏により、ドイツ・マンハイムで初演される。
10年 : 楽譜: 『 無伴奏チェロ組曲 1番 』が、ベルリンの
リース&エルラー社Ries&Erler Berlin から、出版される。
CD :『 無伴奏チェロ組曲第 3番、2番 』 W.Boettcher
ヴォルフガング・ベッチャー氏 演奏を発表。
楽譜 :『 レーゲンボーゲン・チェロトリオス
( 虹のチェロ三重奏曲集 ) 』 が、ドイツ・ドルトムントの
ハウケハック社 MUsikverlag Hauke Hack社
から出版される。
スイス、ドイツ、トルコの音楽祭で、自作品が演奏される。
11年4月 : 『 10 Duette Fur 2 Violoncelli 』
チェロ二重奏のための10の曲集 が、ベルリンの
リース&エルラー社 Ries&Erler Berlin から、出版される。 ●上記の
●楽譜とCDは、
「カワイ・表参道」http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
「アカデミア・ミュージック」https://www.academia-music.com/
で、販売中
※copyright © Yoko Nakamura
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