■ 行く春を近江の人とおしみける & グリーグの舞曲 ■
09.4.1 中村洋子
★私の好きな句に、
「行く春を近江の人とおしみける」(芭蕉)が、あります。
「奥の細みち」の長旅を、大垣で、終えた芭蕉が、
すぐには、江戸に戻らず、琵琶湖の南の
「湖南地方」で、芭蕉に心酔していた弟子たちと、
春を、惜しんだ句です。
★きょうは、夜に入ってから、雷が東京で鳴り響きました。
春雷の冷たい雨を前にして、夜桜の見物を、
諦めた方も、たくさん、いらっしゃったことでしょう。
★2日前に聴きました、ノックレベルグ先生の、
「北欧音楽の講座」についての、私の感想の追加です。
★先生は、「グリーグ」の舞曲の演奏法のなかで、
「Sprung Tanz(ジャンプするようなダンス)という3拍子の、
2拍目は、Schlag und lange で奏するように」と、おっしゃいました。
「Schlag」は、英語の「 blow」 と同じで、
「打撃、一撃、(打撃などの)物音」、という意味です。
★その意味は、「強い一撃を与え、その音をそのまま、伸ばす」
というのが、適切であると思います。
残念なことに、通訳の日本人ピアニストの方は、それを、
「2拍目に重みがあります」と、訳されていました。
もし、この日本語訳だけでメモを取っていた場合、
2拍目を、ただ重くするだけの演奏ということになり、
ジャンプするような「Sprung dance」 の音楽を、
うまく、表現することができないのでは、
と危惧いたします。
★また、先生が「ジェズアルド(イタリアの作曲家、1566~1613)の
マドリガルにも、このような増音程があります」とおっしゃった際、
通訳の方は、「ジェズアルド」を、ご存じなかったようで、
「マドリガルという“楽器”にある・・・」と、
妙な訳をされていました。
★通訳をする際、分からないところがあれば、
再度、先生に疑問点を尋ね、正確な訳を心がけることが、
必要である、と思います。
そうすることが、先生にも講座の聴衆に対しても、
礼儀であるでしょう。
★「Schlag und lange」 は、
ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」の
第1番プレリュードにも、応用できます。
この曲も「組曲」ですから、広い意味で、
舞曲のように、扱うことも可能です。
★第1小節の4拍子の、1拍目と2拍目のアクセントを、
「Schlag und langeに」弾きますと、
3拍目のスフォルツァンドが、
活き活きと、効果的に、
無理なく演奏できます。
是非、お試しください。
(写真は、クロモジの花と新芽)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
09.4.1 中村洋子
★私の好きな句に、
「行く春を近江の人とおしみける」(芭蕉)が、あります。
「奥の細みち」の長旅を、大垣で、終えた芭蕉が、
すぐには、江戸に戻らず、琵琶湖の南の
「湖南地方」で、芭蕉に心酔していた弟子たちと、
春を、惜しんだ句です。
★きょうは、夜に入ってから、雷が東京で鳴り響きました。
春雷の冷たい雨を前にして、夜桜の見物を、
諦めた方も、たくさん、いらっしゃったことでしょう。
★2日前に聴きました、ノックレベルグ先生の、
「北欧音楽の講座」についての、私の感想の追加です。
★先生は、「グリーグ」の舞曲の演奏法のなかで、
「Sprung Tanz(ジャンプするようなダンス)という3拍子の、
2拍目は、Schlag und lange で奏するように」と、おっしゃいました。
「Schlag」は、英語の「 blow」 と同じで、
「打撃、一撃、(打撃などの)物音」、という意味です。
★その意味は、「強い一撃を与え、その音をそのまま、伸ばす」
というのが、適切であると思います。
残念なことに、通訳の日本人ピアニストの方は、それを、
「2拍目に重みがあります」と、訳されていました。
もし、この日本語訳だけでメモを取っていた場合、
2拍目を、ただ重くするだけの演奏ということになり、
ジャンプするような「Sprung dance」 の音楽を、
うまく、表現することができないのでは、
と危惧いたします。
★また、先生が「ジェズアルド(イタリアの作曲家、1566~1613)の
マドリガルにも、このような増音程があります」とおっしゃった際、
通訳の方は、「ジェズアルド」を、ご存じなかったようで、
「マドリガルという“楽器”にある・・・」と、
妙な訳をされていました。
★通訳をする際、分からないところがあれば、
再度、先生に疑問点を尋ね、正確な訳を心がけることが、
必要である、と思います。
そうすることが、先生にも講座の聴衆に対しても、
礼儀であるでしょう。
★「Schlag und lange」 は、
ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」の
第1番プレリュードにも、応用できます。
この曲も「組曲」ですから、広い意味で、
舞曲のように、扱うことも可能です。
★第1小節の4拍子の、1拍目と2拍目のアクセントを、
「Schlag und langeに」弾きますと、
3拍目のスフォルツァンドが、
活き活きと、効果的に、
無理なく演奏できます。
是非、お試しください。
(写真は、クロモジの花と新芽)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲