音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ カワイ・アナリーゼ講座 3月~6月の予定 ■

2009-02-22 23:02:32 | ■私のアナリーゼ講座■
■ カワイ・アナリーゼ講座 3月~6月の予定 ■
            09.2.22  中村洋子

★2月もあと一週間となりました。

スギ花粉も飛び始め、つらい面もございますが、

なんといっても、春はうれしいですね。

春の明るい日差しを浴びますと、心が弾みます。


★3月は、アナリーゼ講座を2回、開催いたします。

グランドピアノコレクションの一環として、これまで、

よく知られた名曲のアナリーゼを、してきました。

1回は、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタ、

2回は、バッハ「イタリア協奏曲」、

3回は、ショパン「バラード1番」でした。

音楽史の流れに沿って、4回目は、ドビュッシーです。

雑誌「ぶらあぼ」3月号のP140にも、

お知らせが掲載されています


★第4回『カワイ・アナリーゼ(楽曲分析)講座』 
 
  ドビュッシーの「月の光」から「喜びの島」へ
  
   ~ ドビュッシーは本当に“印象派”か? ~
              
日時:2009年3月7日(土)午後5時~7時30分

会場:カワイ表参道 2F コンサートサロン パウゼ

会費:3000円

申込は、カワイ表参道:電話 03-3409-2511


★クロード・ドビュッシー(1862~1918)は、

『ベルガマスク組曲』を、1890年から1905年まで、

15年間かけて作曲しています。

「アラベスク」を除きまして、

ピアノ作品のほぼ出発点の曲、といえます。

この『ベルガマスク組曲』は、「前奏曲」「メヌエット」

「月の光」「パスピエ」の全4曲から成ります。


★ドビュッシーのピアノ作品には、

「自然」を題名とする曲が、多くあり、

『印象派』といわれる所以ですが、

実は「組曲」と「前奏曲」という、

古典的な二つの原理に沿って、作曲されています。

組曲はバッハに拠り、前奏曲はショパンに拠っています。

「ベルガマスク組曲」は、その典型的な作品です。


★ドビュッシーは、15年間かけて推敲し、

そして、作風を確立しました。

「べルガマスク組曲」完成の1年前に、

『喜びの島(1904)』を、作曲しており、

「ベルガマスク」とは、双子のような関係です。


★「月の光」は、大変にポピュラーですが、

ワーグナーの痕跡が、まだ見られます。

ドビュッシーは、15年かけて、

ワグナーの影響から、抜け出した、

ということが、いえます。


★「喜びの島」では、五音音階、全音音階、

教会旋法、半音階、長短調を駆使して、

彼独自の世界を構築しました。

まさに、“喜び”に溢れた曲です。

ベルガマスク組曲を完成した後、「子どもの領分」や

最高傑作の「前奏曲集」を、作曲していきます。


★この講座では、普段何気なく弾いているこの名曲の、

「形式」「音階」「和声」などを、解き明かします。

ドビュッシーの作品は、決して、

直感的な印象で、書かれてはいません。

そこを理解しませんと、真に弾く楽しみ、

聴く喜びを得ることは、できないでしょう。


★曲の構成を、詳しく理解することによって、

ドビュッシーを弾くことが、

さらに、喜びに満ちたものとなり、

自信をもって弾くことが、可能になります。


★今後の予定は、

●第8回「バッハ・インヴェンション講座」

    3月24日(火) 10:00~12:30

    インヴェンション&シンフォニア 8番

●第9回「バッハ・インヴェンション講座」

    4月24日(金) 10:00~12:30

    インヴェンション&シンフォニア 9番

●第10回「バッハ・インヴェンション講座」

    5月21日(木) 10:00~12:30

    インヴェンション&シンフォニア 10番

●第5回 『カワイ・アナリーゼ(楽曲分析)講座』 

    6月7日(日) 14時~

    「前奏曲」とは何か? バッハ、ベートーヴェン、

     ショパン、ドビュッシーをつなぐもの 

●第11回 「バッハ・インヴェンション講座」

    6月23日(火) 10:00~12:30

    インヴェンション&シンフォニア 11番



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