先日、「日本ウダウダ会」のN会長から電話があった。
日本ウダウダ会は、トレッキングや歴史にゆかりのある街道ウォーク、
時には廃村などを巡る「歩く会」で、僕はその会員の一人なのである。
なぜウダウダ会というのか詳細は聞いていないが、会長が名づけた。
まあこの名称を聞けば、どんな会なのかおよそは想像がつくだろう。
近畿周辺の「みち」のあちこちをテクテク歩くことが本来の目的であるが、
歩いている時間よりも、あとの酒盛りで酒を飲んでいる時間のほうが長い。
酒を飲みウダウダ言うことからこの名前がつけられたことはほぼ間違いない。
会長のNさんは、現職の市会議員さんである。
会員は8名程度で、前市長さん、前副市長さんらもメンバーに入っている。
その会長から僕の携帯に電話があったのは、スポーツクラブへ行く途中だった。
「あ、わたしです。 元気ですか?」 とN会長の声。
N会長は、クマのプーさんとよく似た顔をしておられる(笑)。
性格は温厚篤実で、仲間をとても大切にする人である。
「はい。おかげさまで、元気でやっています」と僕が答えると、
「24日の件ですが、出席してくれますよね」
と、プーさん、じゃなかった、会長が言った。
今月24日に、滋賀県の琵琶湖北部の深坂古道というところを歩く…
そんなウダウダ会からの案内状が、先日、わが家に届いていたのだ。
「紫式部が歩いた いにしえの峠道」とも言われる興味深い古道である。
歩きた~い、という強い気持ちはあるけれど、僕には現在、難題がある。
4時間歩けば5時間飲む、5時間歩けば6時間飲む、というメンバーだ。
禁酒中の僕にとって、ウダウダ会は、破滅の場所になりかねない。
「あ、そのことですね。う~ん、ちょっと、参加できないんですよね~」
「えっ? なんで? どこかへ旅行にでも出かけるの?」
会長の質問に、どう答えればいいのか?
歩いたあと、僕だけが酒盛りに参加せずお先に失礼というのはまず出来ない。
「まあまあ、ええがな、ちょっとぐらい」と引きとめられるに決まっている。
むろん、その誘惑に打ち克てる僕ではない。
酒盛りの席で一人ウーロン茶を飲むなどという芸当も、至難のワザである。
じゃぁ、少しくらい飲んでみるか~、と思ったりもするのだが、
しかし、その翌日、つまり7月25日は定期検査日に当たっていた。
松原市内の病院で2ヵ月に一度、不整脈や肝臓その他の検査をしているが、
前回は5月に初旬に検査があって、医師に肝機能が高いことを指摘された。
そして、できれば禁酒すること、できなければ節酒することを勧められた。
http://blog.goo.ne.jp/non-ap/e/cf4f47a880982fc923771c06957e3ac6
ここで書いたように、次の検査日は7月25日と決まった。
この日までは何としても禁酒を続け、肝機能の回復を確認しなければならない。
5月25日から禁酒を始めたので、この検査の日がちょうど2ヵ月目となる。
「2ヵ月禁酒しました」と医師に胸を張って言うことが、今の僕の最大の目標だ。
N会長に、かいつまんでそのことを説明すると、
「検査の日を変更できるんと違うん?」と言ったので、
「いや、これは、もう、この日でないとダメなのです」と僕は固執した。
「う~ん、そうですか。う~ん、残念ですな~」とN会長は唸りながら、
「じゃ、仕方ありませんね。どうぞ、お大事に。次回は必ず出席してよ」
そう言って、電話を切った。
お付き合いできず申し訳ない、という忸怩たる思いが胸の中をかけめぐる。
禁酒後、なんとなく友人たちとの接触を避けているので、
あらゆる付き合いが、止まったままである。
このブログを読んでくれている友だちだったら、
飲みに誘うのも控えてくれているはずだけど。
やはり、どんなに強がってみても、禁酒を続けるのはつらい。
検査の7月25日まで、まだ2週間以上ある。
早くその日が来ないかと、心待ちにしている。
毎日、日の経つのが早いな~と思っているのだが、
不思議なことに、この部分に限っては、なかなか日が経たない。
昨日、近畿地方の梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎える。
ギンギンに冷えたビールが、ますます飲みたくなる季節である。
夕飯時には、ビールに替わるジンジャエールで、のどをごまかしながら、
「2ヵ月間、禁酒しましたっ!」
と、医師に言える日を、ひたすら待つ毎日である。
( でも、これで肝臓の数値が何も良くなっていなかったら… やで )
禁酒による喪失感は、言葉では言い表せません。
だから、言葉には出しませんけど(笑笑)。
まあ、平静を装っていますけど、正直言って、
ビールを飲む楽しみがないのは、かなりのダメージです。
そのうち「節酒がベストだ」となんて言い、また飲み始めるでしょうね(笑笑笑)。