そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



先日、某番組の会議で後輩作家のAくんが怒っていた。
「辻希美、信じられないッスよ」

杉浦太陽くんと出来ちゃった結婚を発表した辻希美ちゃん。
アイドルおたくのAくんにとっては、辻ちゃんがアイドルなのにセックスしていたという事実が許せないらしいのだ。
「事務所の管理がなってないッスよ」
「僕らの夢が壊されましたよ」
……
まぁ、まぁ、そんなに怒らんでも。

なにしろ12歳でデビューしているのだ。
大人だらけの世界で頑張ってきたのだ。
同年代の女の子より、よほど早熟なのは当たり前だ。
彼氏も出来るし、セックスもそりゃするだろう。
ちゃんと結婚してお母さんになるんだから祝福してあげよう。
僕なんかは、そう思っちゃう。

そういう意味では、喫煙写真で芸能界引退に追い込まれた加護亜依ちゃんも、僕は擁護したい。
なにしろ12歳でデビューしているのだ。
12歳って言ったら、僕なんて赤ちゃんが出来る仕組みさえ知らないガキだった。
そんな子供の頃から働き始め、ずっと大人だらけの世界で虚像のアイドルとして必死に頑張ってきたのだ。
握手会でワケの分かんないオタクたち何千人に手を握られたり、右も左も分からないのに毎日テレビやラジオに出させられたりして、育ち盛りなのに睡眠時間も少なく、そりゃもう、そのストレスったら、想像を絶するもんだったろう。
そりゃ、タバコぐらい吸いたくなるよ。
周りがプカプカ吸ってるんだから。
で、仕事終わったあとの、一服ぐらい許してやれよ、と思う。
別に堂々と人前で吸っていたワケじゃないんだしさ。

未成年の喫煙がいいとは言わない。
しかし、結構多くの日本人が、身に覚えがあるはずだ。
白状すれば、僕だって17歳から吸っていた。
でも、いけないことだって分かっていたから、コソコソ先生や両親に見つからないように吸っていた。
この子供のコソコソ感を認めてあげなければならない。
コソコソする、イコール、ちゃんとモラルの感覚はあるのだ。
ちょいとした子供の火遊びだ。
それって、大人の階段登る儀式だったりするだろ。
人が人としてこの社会で成長する文化的行為だろ。
で、そういう子供の火遊びを見つけた大人は、注意すればいいだけの話だ。

なぜ写真週刊誌に喫煙写真を載っけて、彼女の人生を台無しにする必要があるのだろう。
日本には「武士の情け」って言葉があるだろ~が。
加護ちゃんがタバコを吸っている現場を見つけたカメラマンは、まずひとことその場で「ダメだよ、タバコ吸っちゃ」って注意してあげたのだろうか?
たぶん、してないと思う。
スクープGET!とばかりに写真を撮って、喜んだはずだ。
でもさ、まず注意しろよ大人なら。
で、何度も繰り返してたら「写真載っけちゃうぞ」って言えばいいじゃん。
それで済んだ話なんじゃないのか?
だいたいそのカメラマンは未成年の時、タバコ吸わなかったのか?
その記事載っけることにした編集者は、吸わなかったのか?
どうなのだ、その辺は?
ていうか、もっと追いかけるべきスクープや叩くべき巨悪があるだろ?
たかがタバコで1人の女の子の人生破滅させて、何が楽しいのかね?

なんだか、優しくないのだ。
ぜんぜん優しくない。
未成年がタバコ吸ってて人生奪われるなら、日本の若者の半数近くは奪われてるよ。
でもさ~、そこは「武士の情け」だろ。
「武士の情け」って感覚、絶対あるじゃん。
見逃してやりゃいっか……って思えよ武士なら。
雑誌に載せるこたぁねっか……って思え、武士。
え、別に武士じゃない?
いや、日本男子は武士たるべきだ。

芸能人だから公人だからダメなのだ、という意見も分かる。
でもタバコ一本で人生奪うなんて人として優しくない。
ていうか、やっぱり注意しろ、その場で。
それで済ませりゃいい話だ。

こんな意見、公には認められないって分かってるけど、でも「なんだかなぁ~」と思っちゃうのだ。

加護ちゃん、そのうち芸能界復帰するかな?
もっとイケないもの吸っちゃったり、打っちゃったり、過去にもっとひどい罪を犯した芸能人も、平気で今テレビにたくさん出てるからねぇ~。

別に加護ちゃんのこと好きでもなんでもないが、不憫なので、そう思う今日この頃なのだ。

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