そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



家日和

集英社


「奥田英朗って作家の『家日和』って本の中に『家においでよ』という短篇があるんですけど、これ読んでたら、ホリタさんって、今こんな感じなのかなぁ~って思いましたよ」

土曜日、『ラブ★ちぇん」のプロデューサーTくんにそう言われたのだ。

奥田英朗さんという作家さんには、おこがましいのだが、以前から何か近しいものを感じていた。
文体や、文章の長さや、目線や、波長が、どうも僕とピタリ合うのである。
コピーライターから作家になった方で、岐阜県出身。
放送作家で、岐阜で幼少期を過ごした僕は、そんなところにも親近感を感じる。
年齢は奥田さんの方が9歳上だ。
しかも、直木賞作家だ。
社会的地位には雲泥の差がある。

たしか最初に読んだのは、直木賞を取った「空中ブランコ」だった。
その後「イン・ザ・プール」「ガール」「最悪」「ララピポ」「サウスバウンド」「町長選挙」etc、ほぼ全作品を読んでいる。
長編よりは短編集の方が、僕は面白いと感じる。
何気ない日常に生きる人物の切り取り方、そのややクールな視線、ユーモア、非常に近いものを感じる。
直木賞作家を相手に何を言っているのか……実に、おこがましいのだが。

で、最新刊である『家日和』を読んでみた。
3篇目の「家においでよ」は、バツイチ独身男(実際にはまだ判を押してない別居)の生活を描いたものだ。
しかも、ズバリ小説の主人公は僕と同じ38歳だ。
聴いている音楽、好きな映画、趣味、いろんなものが、たしかに僕に近い上に、主人公はこっそりアダルトビデオまで買い込んでいるのだ。
さすが、奥田英朗さんだ。
僕のような38歳バツイチ男を正確に描いている。

最後の短篇「妻と玄米御飯」の主人公は、奥田英朗さん本人(設定は微妙に違うが)だ。
そして、そこで描かれる奥田さんの冷めた目線が、これまた僕に近いのだ。
ロハスブームや自然食品ブームなどに向けたクールな視線。
オシャレぶるエセインテリ階層に向けたクールな視線。
6つ入っている短篇の中で、僕はこの最後の「妻と玄米御飯」が一番気に入った。
さすが、奥田英朗さんだ。
僕の気持ちを代弁してくれている……実におこがましいのだがね、何度も繰り返すけど。

女性が主人公の短篇も半分入っている。
30代~40代前半の主婦が読んだら、おそらく、激しく共感するはずだ。

非常に読みやすく、面白い本です。
2時間ぐらいであっという間に読める。
オススメ。
ほかの作品も全部。

コメント ( 3 ) | Trackback ( )




ブログって、すごいのだ。

何がすごいって、その数だ。
毎日毎日、ブログが日本中に大増殖しているのだ。

例えば、僕が使っている、このgooブログ。
登録されているブログの数がいくつあるかというと……

5月1日は、77万195。
5月2日は、77万751。
5月3日は、77万1323。
5月4日は、77万1867。
5月5日は、77万2480。

何と1日500~600ずつコンスタントに総数が増えている。
このgooを利用してブログを新規に始める人が、1日500~600人いるわけだ。
このペース、僕がブログを始めた2ヶ月ぐらい前から、ずっと変わらない。
yahooやらlivedoorやらmixiやらその他のブログを合わせたら、1日に増えるブログの数は数千に上るだろう。

今、みんな日記を書いてるのだ。
日本人何百万人が、ブログを書いているのだ。
その労力、エネルギー、全部合わせたら、相当なものだろう。
ブログを書いている日本人が一斉にブログをやめて、その時間、パソコンの電源を落とせば、原子力発電所が一基ぐらい要らなくなるのではないか?
その時間、畑でも耕せば、たぶん、日本の食糧自給率は上がるのではないか?
その時間、自転車でもこがせて発電させれば、4~50年後にやってくる人類壊滅的な温暖化も少し先延ばし出来るかも知れない。

そんなことを書きつつ、自分はやめる気がない。

そして、結局みんな日記をせっせと書き続けるのだ。

goo、ドえらく儲かってると見た。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )