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業界最高年齢社長Halのゲーム日記 その239 シャムハト編

2010-09-17 14:27:00 | ゲーム一般
「シネマハウスへようこそ」のことを前に書いたので、今回は「シャムハト」について書いて見たい。

以前書いたように、このゲームはギルガメッシュ神話に基づいた本格的考古学テーマのゲームであり、ゲームとしては非常に希有な存在である。

元々はTOWNS用であり、データウェスト社から発売された。 1993年だったか。 フル画面のャ潟Sンは当時のTOWNSの能力では完全に力不足で、一歩移動するごとにゆさゆさと画面が揺れて、とんでもない時間待たされた。

後に98に移植された時には、あまりの不評に懲りたのかウインドウを切った状態となり、動作速度はかなり改善されたが、それでも速いとは到底言えないしろものだった。

内容はギルガメッシュ伝説をアレンジした本格的な考古学ものである。 ゲームとしての難易度はかなり高い方になる。

本家のギルガメッシュ神話では、半神半人の暴王ギルガメッシュを唐キために町人が神に祈り、その結果半人半獣のエンキドゥが遣わされる。 そしてエンキドゥはシャムハトなる女性と7日7晩交わり、知を得る。 二人は7日間闘うが勝負がつかず、その後無二の親友となる。 後にエンキドゥは不治の病に唐黶Aギルガメッシュはその病を治す薬を捜して旅に出るが、ようよう薬を見つけて戻った時には、既にエンキドゥは事切れていた。 これがギルガメッシュ神話のおおよそである。

ゲーム「シャムハト」では、エンキドゥが知を得たのは、女性であるシャムハトと交わったためではなく、「シャムハト」なる冠をかぶったためとされている。

「シャムハト」とは神に等しき英知をもたらす冠であり、その冠を巡っての争奪戦と、遺跡の発掘がこのゲームのメイン部分である。 これだけ考古学を正面にすえたゲームは非常に珍しい。 

ロンドンへ留学した日本人学生が、同級生の英国人美少女と協力してイラク東部のウル或いはウルクと想定される発掘現場で、遺跡の発掘作業を手伝うこととなった。 

この発掘作業はなんとも凄いもので、出土した品物を日本人学生が勝手に処分して所持金にしてしまうというもの。 現実にこんなことをしたら、たちまち首どころかタイホされてしまうが、そこはそれゲームのことでもあり、当然のように猫ババしてしまうのだ。

発掘作業を行う内に、指導教授の言動に不審を覚える主人公。 そして地下の神殿での発見、と物語は進む。 更には数多い井戸の中から特定の井戸を探索し、そこからの脱出となる。

キシュ・ウル・ウルク・ニップールなど魅力的でエキゾティックな地名が登場し(いずれも現実のイラク東部の地名で、シュメール文明の遺跡がある)、雰囲気は非常に良い。

イナンナ(アナンナと書いたのは間違い)その他ギルガメッシュ伝説の登場神をちりばめ、シュメール文明の雰囲気を盛り上げていた。 個人的には大好きなゲームの一つである。

主人公が始めて発掘現場へ入るシーンでのBGMと壁画が最高に良い。 ノスタルジーと過去への感傷・・・ このゲーム最高の見所とも言うべきものだが、残念ながら98版では省略されている。 この最高の見せ場を削ってどうするのだ?

蛇足だが、エンディングでは主人公が新たな冒険に旅立つことが暗示されているが、実現(ゲームとして)はされなかった。 残念・・・