ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

10月13日、留置所に火炎瓶、人間の鎖

2020-10-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月13日午前5時、ミンスク市内の警察留置所の敷地内で手作りの火炎瓶が3本投げ込まれ、駐車してあった車両1台が焼けました。

 国営テレビは、平和的なデモ参加者がこんなに過激なことをしていますよ、とニュースで報道。

 ・・・ところが数時間後、この防犯カメラの映像を見ていた視聴者から、おかしな点があると指摘されました。例えば、手作り火炎瓶と見られる瓶が3本と報道されていますが、1本目はどこに写っているのかよく分からず、2本目と思われるものが爆発。3本目は火災発生した足元(アスファルト)に転がりましたが、何も起こりませんでした。火もついていませんし、割れることもありませんでした。

 さらに公開された映像が1台のカメラで撮影されたものなので、よく分からないのですが、火炎瓶を放り混んだ人や、逃げていく人影などは写っていないので、どうやら映像でいうと画面の奥から火炎瓶を画面手前の方向に投げたらしいのですが、現在この留置所の周囲で工事が行われており、また塀が巡らされているので近くまでたどり着けないのです。

 塀の向こうから火炎瓶を警察の駐車場に停めてあった車両に当てたとすると、火炎瓶を27メートル離れたところから投げて命中させたことになります。

 27メートルですよ。あるいは工事中の塀を乗り越えて駐車場に近いところまで近づき、火炎瓶を塀越しに駐車場に放り込んだのかもしれません。

 他に防犯カメラはなかったのでしょうか? あればそこに犯人の姿が写っていたでしょうう。するとどこからどのように火炎瓶を投げたのかも分かるし、犯人の顔や服装も分かるはずです。しかしそのような防犯カメラの映像は公開されていません。

 そもそもこの映像が本当に警察署の駐車場なのかどうかも映像を見ただけでは分からないと言えば分からないです。

 

 ベラルーシ野党は結束して、大統領に辞任を迫りました。

 大統領は「今年はジャガイモの収穫量が抜群によかった。」と国営テレビのニュースを通じて国民に報告。

 コロナウイルス感染拡大が始まったころ、自宅隔離が始まってしまうのでは?と心配した市民がそばの実を大量に購入してあちこちで売り切れていましたが、今はスーパーで山積みされています。

 

 今日は多くの大学の学生が大学の前でデモ集会を開いたり人間の鎖を作ったりしています。身柄拘束される大学生もいます。

 昨日の高齢者に対する身柄拘束に対して、若い世代の学生が抗議している形です。

 選挙直後は男性がデモで大量に拘束、暴力的な取り締まりを受けたので、しばらくすると「女性なら暴力は受けないだろう。」と女性が中心のデモが始まりました。

 しかししばらくすると女性でも容赦無く身柄拘束。

 学生は若いからか容赦無く拘束。

 それを見た高齢者が「年寄りは暴力は受けないだろう。」と立ち上がりましたが、結局催涙ガスを顔面に吹き付けられて拘束。

 「お年寄りに何をするのか。」とまた若い世代が立ち上がり身柄拘束。

 それならばと団地で少人数で家族的、町内のお祭り的なデモを続けていますが、昨日あたりから住宅街のパトロールも始まりましたので、これからどうなるかわかりません。

 

 今日もミンスクの地下鉄の駅が複数閉鎖されました。夕方6じごろには閉鎖は全て解かれました。

 閉鎖されていた地下鉄クパロフスカヤ駅とオクチャブリスカヤ駅を結ぶ連絡通路で集まったデモ参加者の人々が歌を合唱していると、一人の女性(50代?)が指揮をしていた若い男性に近寄り、

「あんたたちはこんなところで何をしているの? 治安部隊が来るわよ!」

と忠告しましたが、男性は「そりゃすごい。」と答えただけでみんな女性を無視して歌い続けます。

(これですよ、これ。一人対10人、20人、30人という状況なのに、女性一人で反政府デモ参加者に「何やってんのあんたたち! うるさいのよ! 社会に文句言うな。現状に満足せよ。」と、自分の意見をガンガン言う人。こういう場ではスマホで動画を撮っている人が絶対にいるので、自分の顔や発言がばっちり撮影されるのが分かっているのに。そしてそれがネットで拡散され、あっという間に個人特定されるのが分かっているのに、たった一人でデモ隊に切り込んでいくベラルーシ人女性がいるんですよー。

 見るたびに「いやあ、度胸のある人だなあ。怖くて私にはとても真似できない。」とか「やっぱりベラルーシ人女性は気が強いわー。日本人女性の中にはいないでしょ。いるとしても、少なくとも2、3人のママ友みたいな友達連れて発言するはず。それでも、3人対30人か・・・。数の上で勝ち目ないのに。」と思います。

 反政府デモ集会の参加者にガンガン文句を言う人も、ストレス発散で言っているような気もします。そんなに政府支持派なら、一人で50人の合唱を止めるような無駄な努力はせず、政府派デモに国旗を持って参加すればいいだけでは・・・と思います。)

 

 高齢者が「若者を留置所から解放せよ」というプラカードを掲げてデモ行進しているのを見て、

「あ、なーに? 年金の額を上げてほしいの、あの人たちは?」

とずれたことを言っている人もいます。高齢者は自分たちの年金が少ないことに文句を政府に言っているのではなく、未来に生きる若い世代が拘束・逮捕されていることに抗議の声を上げているのですが、分からない人には分からないようです。自分がお金のことしか考えていないから、誰かが何か文句言ってる光景を見たら、「ああ、賃上げ要求のストか。」と連想してしまうようです。

 

 今日はベラルーシ国鉄の職員が人間の鎖を作りましたが、別に賃上げ要求ではなく、大統領の辞任を求めるデモでした。

 

 ミンスク市内の生花店経営者の男性が花を持って反政府デモ参加中、拘束され、その際暴行を受け、病院に搬送されました。今も入院中です。この生花店には「買って応援」する人が押し寄せ、店の外にも長い行列ができています。

 

 今日IT企業パンダ・ドクのマネージャーで禁固刑に服役中だった二人が釈放されました。パンダ・ドクのマネージャーでまだ服役中なのは一人だけです。

 

 今日も夜遅くまで各地で人間の鎖が作られ、反政府デモが続きました。そして身柄拘束です。


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