ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2024年8月8日。ウクライナ侵攻から868日目

2024-08-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年8月8日。

 ウクライナのロシア越境攻撃から2日経過し、国境沿いのクルスク州の住民が怒りの動画をSNSに投稿しました。
 ロシア大統領を名指しで
「情報を担当する指導者たちに真実を示すよう、本当の行動を示すよう伝えてください。なぜならこれは嘘だからです。嘘です。嘘なのです。」
と訴えています。
 一般人が大統領にビデオメッセージを作ったということです。21世紀の戦争ですね。
 彼らは家を失い銃撃の中を逃げ、「状況は安定している」という国防省の公式声明は真っ赤な嘘であると主張しています。地方自治体はほとんど機能しておらず、国境地域からの避難誘導も行われていないそうです。
 自力で避難してきたということですが、それをはっきりと発言しています。
 当局から弾圧される危険があるのに。「当局の発表は、嘘だ、嘘だ、嘘だ」と何十人もが顔を隠さずに声を上げる動画を見て、衝撃を受けました。大統領に向かって一般市民がこのように訴えているということは、命の危険が非常に高かったということでしょう。
 黙ったまま死ぬことと、言論統制の圧力をかけられ罰されることを考えると、命の方が大事なのですから、言いたいことを言ってしまえという心理状態になっているのではないでしょうか。

 そして今日、ロシア大統領は地元知事と会合をしました。今回の越境攻撃について、「戦争」や「侵攻」といった言葉を使わず、「挑発行為」だと呼び続けています。
 ロシア大統領が発言したのは避難者への補償ですが、提示したのはわずか1万ルーブル(約1万6000円)です。
 クルスク州から列車に乗って安全なところへ移動する片道切符ぐらいは買えるでしょうが、その後どうやって生きていけばいいのでしょう?
 ボランティアが支援物資をモスクワなど大都市で善意の市民から募っているそうですが、こういうこと、政府が手配するのが当たり前でしょう? 国(大統領)は無責任だ、と人心が離れていくきっかけになるかもしれません。


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