ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

今のベラルーシの状況

2011-06-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 先ほどの投稿で、ベラルーシへ旅行に行く人は、体内放射能値を測定しましょう! などと書き込みましたが、
「ベラルーシの経済危機はどうなっているのか?」
「治安は? ベラルーシへ行っても大丈夫?」
といったご質問のメールを複数の方からいただいております。

 経済危機は続いております。はっきり言って苦しい状態です。ベラルーシ人にもよると思いますが・・・。
 大統領が「これ以上の大幅な値上げを禁止する。」と宣言し、値上げを希望する業者は大統領じきじきの許可をもらわないといけないんだそうです。
 店には「すかすかの商品棚」があると、買い物客が「物不足か?!」と不安な心理になるので、「すかすかなスペースは絶対作るな」というおふれも出たらしく、とにかく在庫を出してきて、品出し作業を店側がしているので、一見商店には物がたくさんあるように見えます。
 でも、例えば輸入品であるコーヒーや紅茶の棚は3分の2しか埋まっておらず、よく見たら砂糖が土嚢のように積んであって、すかすかスペースになっていないように見せかけていたりしています。お店も苦労しているでしょう・・・。
 輸入品は全て何倍にも値上がりしました。2月には1万6000ルーブルだったコピー用紙が今6万5000ルーブルします。(私個人としてはこれが一番解せない・・・。仕事に必要なんですけどね。)

 それとベラルーシは国内で紙おむつを作っていないのです。うそーと思われるかもしれませんが、本当に全て輸入です。
(生理用ナプキンなんてベラルーシ国内で製造されるようになってから、まだ10年経ってないです。それまでは輸入品しかありませんでした。)
 紙おむつはすごい値上がりしています。計算したら40個入りの紙おむつ3つ買ったら、私の月給がなくなるんですよ。
 今、乳幼児抱えていなくてよかった・・・。とは言うものの、うちは子供が赤ちゃんのころはずっと布おむつ派でしたが。

 現在1ドルがおよそ5050ルーブルです。
 日本から旅行など短期間の滞在をされる方は、両替所で多額の外貨をベラルーシルーブルに両替しないでください。
 両替して、買い物などに使い切ってしまえばいいですが、たくさん残った場合、再両替ができないと思ってください。
 現在ベラルーシの銀行では外貨からベラルーシルーブルに両替するのは簡単にできますが、逆の場合は両替所にたまたま外貨があった場合だけです。それとできたとしてもパスポートの提示が求められますので、注意。
 日本国内の銀行ではベラルーシルーブルを日本円に両替することはできません。
 気をつけてくださいね。

 治安についてですが、目立って悪くなったとは言えません。しかし6月1日から学校が夏休みに入り、ハイティーンの子どもたちや若者による、いたずらや不良行為が増えました。(窃盗、けんか、夜間大騒ぎをする、放火や落書きなど器物損壊、乱暴行為など)
 これも経済危機による社会の閉塞感が生んでいる現象なのかもしれません。

 旅行者の方は念のため気をつけてくださいね。治安は悪くなっていない、といっても、何か1回でも被害にあったら、その人にとってベラルーシが治安のいい国かどうか? なんていう事前の一般的な評価なんてどうでもいいことなんですから。
 
 地下鉄は大きい荷物を持っていると、改札口で警官か軍人に金属探知機で調べられます。
 しかし最近はゆるくなっていて、女性や子どもを連れている人はほとんど調べられることなく、改札を通れます。

 経済についてはこれからどうなるのか、全く予想不可能です。私には答えられません。(←当たり前だ。)
 未来を予測できたら本当にいいんですけどね。
 
(追加情報)
 29日にはこのようなニュースも。
 露国営電力企業、ベラルーシ向け電力供給停止(読売新聞) - goo ニュース

【モスクワ=貞広貴志】ロシアの国営電力企業インターラオは29日、ベラルーシ向けの電力供給を停止した。
 12億ルーブル(約35億円)の代金未払いが理由で、ベラルーシの経済危機がさらに深刻化する恐れがある。ベラルーシ政府は29日、近く代金を支払う方針を示した。


ベラルーシに来る予定がある方、ぜひミンスクで内部被爆測定を!

2011-06-29 | 放射能関連情報
内部被曝追跡始まる 30年調査、まず10人が放医研へ(朝日新聞) - goo ニュース

東京電力福島第一原子力発電所の事故による福島県民への放射線の健康影響を見守る調査が27日に始まった。当面は空間線量が比較的高い浪江町、川俣町、飯舘村の3町村の住民120人を対象に予備調査を実施。体内に取り込まれた放射性物質による内部被曝(ひばく)がどの程度あるのかを確認し、本格調査の手法を検討するという。

 調査は30年以上にわたって追跡する見込みで、これほど長期で大規模な取り組みは例がないという。ただし、すべての放射性元素を調べるわけではなくヨウ素とセシウムだけで、骨に蓄積しやすく長い間、体に影響を与えるストロンチウムは調べない。推計の精度も原発の作業員管理の場合より低いと見られるなど、課題も多い。

 内部被曝は放射線医学総合研究所(放医研、千葉県)で計測する。初日のこの日は浪江町の30~67歳の男女10人が早朝、バスで放医研に向けて福島県を出発。正午前に放医研に着いた。

 予備調査で行うのは全身の被曝線量を測る「ホールボディーカウンター(WBC)」による検査など3種類の実測検査と尿検査。このほか、行動調査もする。本格調査の内容を固めるための先行調査という位置づけだ。対象となる約120人のうち約50人が19歳以下の子どもや未成年。

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 測定の開始、よかったです。しかし、この測定の結果を本人に通知するのは、2週間後だそうです。
 ベラルーシ人にこのことを話したら笑われました。

 ベラルーシでは測定には1人あたり3分しかかかりません。
 その代わり甲状腺だけの測定など、内臓の個別の被爆量は測定してもらえません。測定してくれるのはセシウムだけです。
 非常に精密な結果が出るわけではありませんが大間違いな数字は出ません。

 結果はその場でプリントアウトして、本人に直接手渡してくれます。
 血液検査などとちがって、痛みも全くありません。(採尿もしません。)
 費用はベルラド研究所の場合で300円ぐらいです。(料金は改定されることがありますので注意。)

 旅行シーズンに入りましたが、もし旅行やお仕事の関係でベラルーシへ行く機会がある日本人の方が、このブログを見ておられましたら、ぜひともこの機会にミンスクで体内放射能値を測定してください。
 (念のため前もって予約を入れておいたほうが確実です。ベルラド研究所のサイトはこちらです。日本語は通じません。)

http://www.belrad-institute.org/


 日本では今のところ、測定が難しいです。いつ順番が回ってくるやら分かりません。
 測定の結果、ゼロだったら安心でしょう。もし心配な結果が出たとしても、悲観することは全くありません。いろいろな対応策を教えてくれます。
 日本語ではないと困るという日本人が多いのは分かりますが、(^^;)このブログの内容をぜひ参考にしてください!