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ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ミンスクにある長崎の鐘について(3)

2016-10-29 | 放射能関連情報
 こうしてこのような姿になった長崎の鐘を私は2015年夏にも見たのですが、特におかしいと思うようなことはありませんでした。

 ところが、今年、2016年8月末、ベラルーシ人の知人が、最近長崎の鐘を見たけれど、おかしなことになっている、知っていますか?と撮影した画像を見せてくれました。

 それは、長崎の鐘に新しく、アメリカの土が埋められ、しかもそのことを示す金属板が、日本のプレートの隣に取り付けられ、しかも日の丸と星条旗が並んでかかげられているということでした。

 しかもアメリカの土と言うのは人類史上初めて原爆の実験が行われ、そして成功したニューメキシコ、アラモゴードの近くの土、という説明が金属プレートにベラルーシ語と英語で刻まれています。

 これはトリニティ実験の土ということですね。詳細はこちらをお読みください。
 ここにも以下のような記述があります。

 トリニティ実験は爆縮型プルトニウム原子爆弾の爆発実験で、同型の爆弾『ファットマン』が、後に日本の長崎県長崎市に投下された。

 つまり核実験の歴史としては輝かしいスタートである実験です。

 その実験場の土を、核の犠牲者の慰霊のために建立された鐘の足元にいっしょに埋めるというのはどういうことなのでしょうか?

 長崎や広島で被爆された方々がこれを見たらどう感じるのでしょうか?

 ベラルーシ人の知人からは
「日本に原爆を投下したのはアメリカでしょう? その二つの国の国旗が並んでいるのを見て、日本人のあなたはどう思うのか?」
ときかれました。

 これが例えば同じアメリカの土でもスリーマイル島原子力発電所事故で、放射能が漏れ出た被害のあった地域の土なら、理解できます。

 しかし原核被害者の慰霊のための鐘の下に核実験の成功地の土をいっしょに埋めるのは、私はおかしいと思います。
 そしてベラルーシを訪れる日本人がこれを見たら、どう思うだろうと考えると恥ずかしくなりました。

 画像はプレートの部分を撮影したものです。
 2013年に12月に土を埋めたとありますが、おかしいです。
 ネットで検索しても2013年に長崎の鐘にアメリカの土を追加したので記念式典を開催したといったニュース記事はヒットしません。

 ちなみに2016年4月26日はチェルノブイリ原爆事故が起きてちょうど30年。そのころ日本から視察団やマスコミが大勢来ていましたが、8月末に私が4月にミンスクを訪れていた日本人に尋ねると
「長崎の鐘なら見ましたよ。確かに星条旗がついていた。」
という証言を得られました。

 つまりチェルノブイリ30年という、国内外から注目が集まる時期には、すでに星条旗が掲げられ、土も埋められていた、ということです。

 (続きは「ミンスクにある長崎の鐘について(4)」をご覧ください。)

ミンスクにある長崎の鐘について(2)

2016-10-29 | 放射能関連情報
 長崎の鐘が核の犠牲者の慰霊のために建立された、という趣旨もあり、その後この鐘楼の土台部分に現在のカザフスタンのセミパラチンスク核実験場の土や、ロシアのノヴァヤゼムリャの土も収められるようになりました。
 どこから運ばれた土が収められているのかは、金属板プレートにベラルーシ語とその国の言葉で文章が刻まれ、プレートは鐘楼の柱の部分に取り付けられています。

 この画像は私が撮影したものです。分かりづらいですが、ベラルーシ語と日本語で「ここに広島、長崎、福島の土を入れたカプセルが埋められている」と刻まれています。
 
 赤い教会を背にして長崎の鐘を見ると右側の柱部分に取り付けられています。

 そしてチェルノブイリの被害が大きかったのがベラルーシとウクライナだったことから、鐘楼の中心部の一番高いところにベラルーシの国旗が、裏側にウクライナの国旗が、左側の柱にロシアとカザフスタンの国旗が掲げられるようになりました。
 さらには金属プレートの情報に日の丸も掲げられました。

 国旗を慰霊碑の柱にあちこち取り付ける、というアイデアは誰が考えたのかは分かりませんが、何となく、犠牲者を悼む、という雰囲気よりは世界平和を感じさせる姿になったように感じられます。
(画像を見たい方はこちらのサイトをどうぞ。)
 
 どちらがいいのか? については人それぞれの意見があると思います。
 
 (続きは「ミンスクにある長崎の鐘(3)」をご覧ください。)

ミンスクにある長崎の鐘について(1)

2016-10-29 | 放射能関連情報
 ベラルーシでは数少ない日本ゆかりの場所。
 そんな中で、ミンスクを訪れた日本人がよく訪れる「長崎の鐘」について、みなさん、ご存知ですか?
 全く知らないという人もいれば、「ミンスクへ行ったときに見た。」という方もいるでしょう。

 長崎の鐘はミンスク市中心部にある独立広場に面したカトリックの教会、聖シモン・聖エレーナ教会の敷地内にあります。
 この教会は赤レンガで造られていますので、別名赤い教会と呼ばれています。

 2000年にのことになりますが、長崎大司教区が集めた献金が赤い教会に納められ、それを元に長崎にある浦上天主堂(原爆のため破壊されたが、再建された)にある鐘の複製が造られました。
 
 これがミンスクで長崎の鐘と呼ばれているものです。
 その鐘を吊るす鐘楼も赤い教会の敷地内に建立され、2000年9月には除幕式が行われました。
 それに合わせて、長崎の原爆写真展もこの教会の中で開かれ、さらに長崎から運んできたという被爆マリアの像も公開されました。私は鐘の除幕式には招待されていなかったので、見たのは写真展と被爆マリア像だけですが、式には長崎から浦上天主堂の司祭が出席し、こちらの新聞にその言葉として長崎の鐘が「ベラルーシとの連帯、並びに経済的・文化的だけでなく精神的結びつきの象徴となるように。」希望すると述べています。

 さらに鐘楼の下の土台部分には、広島、長崎、チェルノブイリから運ばれた土がカプセルに入れられた状態で埋められています。
 ロシア語版のウイキペディアですが、こちらに画像もあるので、ご覧ください。
 
 つまり核の犠牲者になった人々の慰霊のために、この鐘が日本とベラルーシのカトリック信者の協力の下建立された、ということです。

 2011年以降にはここに福島の土も埋められました。

 そのようなわけで、ベラルーシを訪れる日本人がよく立ち寄る場所であり、またベラルーシの子どもたちなども校外学習の一つとして、よく団体で訪れ、平和教育を受けている場所です。

 ・・・とこのようなわけで、ミンスクに住んでいる日本人からすると、長崎の鐘は日本とベラルーシの友好の記念碑であり、改めて原爆や放射能被爆について考え、過去の犠牲者の魂を悼む場である、という位置づけです。

 ところが、最近この長崎の鐘がおかしなことになってきました。

 (続きは「ミンスクにある長崎の鐘(2)」をご覧ください。)


 
 

 
 

給食のタケノコご飯から基準超のセシウム

2016-05-11 | 放射能関連情報
5月11日付のニュースです。

給食のタケノコご飯から基準超のセシウム
 宇都宮市は11日、市内の小学校で10日に提供した学校給食のタケノコご飯のタケノコから、基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。

 市によると、10日の給食で同校児童531人が食べたタケノコごはんを簡易検査したところ、基準を超える放射性セシウムが疑われたため、栃木県林業センターで精密測定。その結果、最高で234ベクレルを検出した。

 県環境森林部がタケノコの出荷者に事情を聴いたところ、出荷制限がかかっていない宇都宮市産に、出荷制限区域のタケノコが交じっていた可能性があるという。

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 食べてしまった後で気がついたんですね・・・
 給食に出す前に気づいてほしかったです。


 

全住民にヨウ素剤=原発事故に備え―ベルギー

2016-04-29 | 放射能関連情報
 ベルギーからのニュースです。
 原発事故だけに備えるのではなく、テロ攻撃も心配しているのでしょうね。

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全住民にヨウ素剤=原発事故に備え―ベルギー

時事通信 4月29日(金)6時10分配信
【ブリュッセル時事】ベルギーのデブロック保健相は28日までに議会に対し、原発事故時に備え国内の全住民にヨウ素剤を配布する計画を明らかにした。

 同国の原発は老朽化が進みトラブルが相次いでおり、住民の不安に対応する必要があると判断した。同国メディアが報じた。

 ヨウ素剤には内部被ばくを低減させる効果があり、日本の一部地方自治体も原発周辺の住民に事前配布しているが、政府が全住民を対象に配るのは珍しい。

 従来は原発から20キロ圏内の住民に配布していたが、保健相は公共放送RTBFに対し、「従来の措置を100キロ圏内でも講じる必要がある」と強調、ベルギー全土を対象にする方針を示した。

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 日本でも同じようにしたらいいとは思いませんが、せめて自由に薬局で買えるようにならないものかと思います。
 ベラルーシでは処方箋なし、年齢制限なしで自由にヨウ素剤を買えます。

 「こんなもの飲んだって効かない。」という人は買わなければいいだけの話。
 「私の家は原発から21キロ離れたところにある。だから買っておく。」という人は自主的に買えばいいでしょう。」

 自由な選択ができるようになってほしいです。

 意外と日本は自由がない国なんですね。

 さて、チェルノブイリ原発事故が起きたとき、その放射能はヨーロッパ中に拡散しました。
 正直言って、ベルギーの原発が事故を起こしたら、ベルギーに住んでいなくても、ヨーロッパ中の人が被爆対策をしなくてはいけません。
 もちろんベルギー以外のヨーロッパの国でも原発保有国はあります。
 なので、我が家ではヨウ素剤を常備しています。

 「ヨウ素剤購入にどうして自腹を切らないといけないのか? 国が建てた原発なんだから国が負担して国民全員にに配布するのが当然。」
という人もいるかもしれませんね。

 でもそんなこと言っているうちに時間がどんどん経つので、早めに対策しておくほうがいいです。
 日本人の場合、地震や水害などに備えて、非常袋を用意しているでしょう? それと同じです。

ミンスク市立第5児童図書館所蔵のチェルノブイリ関連書籍

2016-04-26 | 放射能関連情報
 以前、ベラルーシでは子供向けの放射能教育はどうしているんですか? と日本人から質問を受けましたが、ごく一般的な市立の児童図書館でも、これだけ放射能関連の書籍を所蔵しています。
 10歳から14歳までを一応対象にした開架式の貸し出しコーナーに置いてあります。
 一応というのは、別に14歳を過ぎていても大人でも児童図書館で本を借りることができるからです。

 20年以上前の話ですが「ベラルーシで『原発は危険だ』などという本を読んでいることがばれたら、逮捕されてシベリア送りになるんでしょ? こういう本は地下出版なんでしょ?」
と日本人に言われたことがありますが、大きな偏見です!

 この画像のようにごく普通の児童図書館で開架状態で貸し出しコーナーにあり、自由にベラルーシ人児童、ベラルーシ市民が借りて読んでいます。
  


ベラルーシの保養所の数

2015-10-17 | 放射能関連情報
 今放射能関連のテーマについて原稿執筆中なのです。
 ベラルーシでの取り組みについて書いてくださいと頼まれたのですが、その中で保養について取り上げようと思いました。
 ベラルーシ人はよく保養施設に長期滞在するなど書いていたのですが、
「そういや、ベラルーシに保養施設っていくつぐらいあるんだろう・・・?」
とふと思いました。
 調べてみると、分かっただけで約700施設あることが分かりましたが、これでも完全に網羅した数ではないです。
 でもとりあえず700施設ちょうどあるとして計算したら、およそベラルーシの国民1万3000人に1施設あることになります。

 でも保養施設って言っても大小さまざまあるわけだし、収容人数ってどうなっているんだろう? とまた次の疑問がわき、調べることにしました。
 (ベラルーシってこういう数字データを一般人、つまり専門外の人に公開していないことが多いので、調べるの大変。)

 その結果、収容人数を公開している26保養施設を何とか発見。あくまでその平均ですが、1施設につき約280人の収容人数を誇ることが分かりました。
 国民46人につき1ベッドあるという状態です。保養期間を平均1回14日間とすると1年間に1つのベッドを26人がローテーションで使えます。
 ということは、ベラルーシ国民全員が1年に1回は無理としても、2年に1回は14日間の保養の機会に恵まれるという計算になります。

 あくまで単純計算ですがベラルーシ、すごい。保養大国ですよ。
 日本でも内部被爆に対応したプログラムを用意した保養プロジェクトを増やしてほしいです・・・
 でも日本人は仕事が忙しすぎて、場所より時間の確保のほうに問題があるかもしれませんね。
 

チェルノブイリで第2の放射能汚染の危険

2015-10-12 | 放射能関連情報
 2015年10月12日の日本語ニュースです。

チェルノブイリで第2の放射能汚染の危険 森林火災で大気中に拡散し…

 あくまで私の意見なのですが・・・
 森林火災が広がり、本当にチェルノブイリ原発に燃え移ると、再び放射性物質が空気中に拡散して、大変危険。
 人の手入れがされていないので、枯れ葉などが大量に積もって燃えやすいから危険というのは理解できる。
 しかし放射性物質は事故から29年経過し、地中に浸透しているためそれが火災によって空中に拡散される可能性はとても低い。
 記事の中にあるようにモニタリングが安全な数値を示しているのは納得できる。

 7月にWBC検査を受けましたが、家族全員ゼロベクレルでした。(^^)
 もちろん自分が被爆してないから、空中への拡散がないとか言い切れるわけではありません。
 
 このニュースで扱っていることも気になりますが、いたずらに危機感を煽られたらいけないなあと思います。

 それより私が気になっているのは、セシウム137の半減期のことです。
 私は計算が苦手なのですが、数えてみたところ1986年4月26日にセシウムが放出されたとして、その半減期は2016年6月上旬に来るという答えになったのです。

 しかし私は専門家でもないうえ、数が苦手で、しかも計算にうるう年のことを考えに入れていません。
 はっきり分かりませんが、来年にはセシウム137の半減期が来るのは間違いないので、その後ベラルーシ人の内部被爆はどのように変化するのか非常に興味があります。

 楽観的かもしれませんがその後に森林火災が発生してセシウム137が空中に拡散されても、数としては怖がる必要は減ると思います。

 もっとも含まれるセシウム137の数は減っても、汚染された食品をじゃんじゃん食べたりしたら、内部被爆は減らないと思います。
 またセシウム137以外にも放射性核種は多く存在するので、セシウム137だけが減ったとしても安心できないと思います。


 


 
 

チェルノブイリ付近の森林火災

2015-05-03 | 放射能関連情報
 4月28日に発生したチェルノブイリ原発付記で起きた森林火災ですが、5月2日に鎮火しました。

 立ち入り禁止地区内で起きた火災、つまり放射能汚染が高い地域なので、火災が起きると放射能が舞い上がるのではないかと危惧されていたのですが、空間線量は通常の範囲内と発表されました。

 これを嘘の発表で、真実を隠していると思う人もいるでしょうが、私は正しい発表だと思います。
 事故から29年が経ち、森の上に降り注いだ放射能も雨水に溶けてどんどん地下へと浸透していっています。
 現在放射能は地表から約30センチの深さの部分にもぐっていっており、森が燃えてもそれが上空に舞い上がることはありません。

 もっとも森の地表部分の落ち葉が堆積しているところには、放射能がまだ残っていますが、全体からすると少量で、それが煙にのって舞い上がっても、遠く離れたキエフなど人口が多い地域の空間線量が大幅に上がることはないでしょう。

 それより問題なのは、これから地下水の汚染や、それにともない水源地や木の根が深く伸びる果樹などの汚染が今後進んでいくだろうと予想されることです。
 一方、来年の今頃はセシウムに関して言えば、セシウム137の半減期が来ますから、自然界で拡散したセシウム137の量は半分に減ります。
 ただし、生体濃縮は変わらず続きますから、ベラルーシ人のセシウム被爆量が突然半分になるとはいきません。現実は単純計算どおりにいかないです・・・。

 日本の場合、まだ放射能が地表や地表近くに残っていますので、汚染地域で森林火災が起きると上空に舞い上がる可能性が高いです。
 もっともあくまで私の予想ですが、ベラルーシよりも日本のほうが降水量が多いので、すでの多くの放射能が地面にしみこんでいると思います。
 つまりチェルノブイリの場合、1年に1センチのスピードで地下にしみこんでいっていることになりますが、日本の場合それを上回るスピードで地面にしみこんでいるいくと思います。

 またこちらは冬が長くその間土壌も凍結するので、放射能が地下水とともに移動することがないのですが、日本は冬が短いので、どんどん地下水といっしょに移動していくと思われます。

 また日本の場合森林火災の煙で放射能が舞い上がるという以前に台風がどんどんやってくる気候なのですから、そのことも考えないといけません。

 さらに日本は周囲を海に囲まれています。
 このようにチェルノブイリのケースと日本のケースは条件が異なるので、その点を考慮しないといけません。

 線量計をお持ちの方は台風や森林火災が起きた後、変化が起きないか前後で測定してみてください。
 

東京・豊島区の公園で高い放射線量

2015-04-24 | 放射能関連情報
 4月23日の日本発のニュースですが・・・


池袋の公園地中から“円盤” 放射線原因か

日本テレビ系(NNN) 4月24日(金)18時4分配信
 東京・池袋の公園で非常に高い放射線量が測定された問題で、24日午後、土の中から円盤状の塊が見つかった。この塊が、高い放射線の原因だとみられている。

 この問題は、豊島区池袋本町にある公園のすべり台の下から1時間あたり480マイクロシーベルトという非常に高い放射線量が検出されたもの。24日、区が現場の土を掘ったところ、深さ10センチほどの場所から、土にまみれた円盤のような塊が見つかり、これを取り除いたところ、線量が下がったという。

 区では、この塊が高い放射線の原因だった可能性もあるとみて専門機関で詳しく調べると共に、25日以降、周りの土を取り除くなどして、通常通り遊べる環境に戻す方針。


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 現在多くの日本人が線量計を持っているようになりました。
 「福島イコール危険。それ以外の地域イコール安全」という固定観念は捨てて、自宅の周辺や子どもが遊ぶ場所など、線量計を持っている方はぜひ測定してみてください。

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 4月29日の追記です。
 ラジウム226が原因だったそうです。
 続報はこちら


池袋、公園の土から3ミリ金属容器にラジウム

産経新聞 4月29日(水)7時55分配信


 東京都豊島区立「池袋本町電車の見える公園」で高い放射線量が測定された問題で、豊島区は28日、公園から採取した土壌から、放射性物質ラジウム226が入った金属製のカプセルが発見されたと発表した。

 区によると、カプセルは密閉されており、大きさは直径3ミリ、高さ3ミリ。カプセルから放出されていたガンマ線を測定した結果、ラジウム226と特定した。

 高い放射線量は公園内の滑り台などが付いた複合遊具付近の地表の一部から検出された。区が23日に測定したところ、国の除染の基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を大きく上回る同480マイクロシーベルトの放射線量を検出。土の一部を掘り出したところ、放射線量が急激に下がったため、専門機関で原因を調べていた。

 区によると、公園は平成25年3月に開園し、以前は都の清掃車の車庫だったという。

震災から4年

2015-03-11 | 放射能関連情報
 東日本大震災が発生して4年となりました。
 日本から離れたところに住んでいても、あの震災のことを思い出します。
 そして福島第1原発事故が起きてから4年目にもなります。
 チェルノブイリ原発事故の際には事故が起きて4年後から子どもの甲状腺がんの数が急増したことで知られています。
 日本で同じことにならないよう祈るばかりです。

 しかし私の考えですが、このような急増は日本では起こらないのではないかと思っています。
 それは検査の方法や機械や技術が1990年のソ連と2015年の日本では差があるからです。

 以前日本人の医師と話をしたときに
「日本では子どもの甲状腺がんが起こる確率は100万人に1人なんですよね。それが原発事故後、増えたらやはり放射能が原因と言えるのではないですか?」
と私が質問すると、お医者さんは「そうと言い切れない。」と答えました。
 それは事故の前は、子どもに対して事故の後の現在のように詳細な検査をしていなかったからです。検査の条件がちがうので、単純比較できないのです。

 事故前に日本中の子どもの甲状腺を詳しく調べて、「発症率は100万人に1人」と結論づけていたのではないのです。
 仮に現在検査をして「100万人に10人」の割合で甲状腺がんの子どもが見つかったとします。
 これだけ見て、「発症率が10倍になった! 放射能のせいだ!」とは言えないということになります。
 もしかすると、事故前も詳しい検査をしていたら「100万人に10人」の割合だったかもしれないのです。

 チェルノブイリ関連の放射能被爆に関するボランティアをしていると、よく日本人から「データがほしい。」「数字を示してほしい。」と言われます。
 それで数字を出しても「ソ連は秘密主義の国だから、やっぱり信じない。」「ベラルーシは医療レベルが低いからやっぱり信じない。」と言われることもあります。
 「明確なことは分からない。」と言うと「科学的データがないから、チェルノブイリの事例は役に立たない。」とか言われることもあります。

 でもはっきり言って、前述の医師の話を聞くと日本も同じで、はっきりした数字なんてどこにもないし、事故前と事故後と比較することもできないのではないかと思えてきます。
 もう時間は戻りませんから、事故前のデータというのは集められないからです。

 放射能被爆に関しては、現時点では確実な数字というのはないと思っておいたほうがいいのかもしれません。
 まだまだ人類がよく分かっていない、公式も作れない、体験もない、というものを相手にしているのだと思ったほうがいいのかもしれません。

 とにかく、日本で病気になる人が増えないことを祈ります。

 私はベラルーシで、日本人の科学者からすると役に立たない数字かもしれませんが、それでも子どもたちの被爆量を聞き取って、必要な子どもにビタペクトを渡す活動をできる限り続けていこうと思っています。
 
 

漫画「美味しんぼ」をめぐって論争が起こっていますが

2014-05-22 | 放射能関連情報
 先日発表された漫画「美味しんぼ 第604話 福島の真実編」で、登場人物が福島第一原発に取材に行った後、疲労感をおぼえたり鼻血を出したりするなど、体調の異変を訴え、実在の前福島県双葉町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。」という場面が描かれました。

 これに対して「風評被害を助長する内容」との批判されたり、作者が「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない」と語ったり、双葉町が出版社に抗議したり、福島県のサイトにも抗議文が公開されたり、環境大臣も記者会見で鼻血と原発事故の因果関係を否定したりしました。

 漫画なんだから、作者には表現の自由がある、という考えや、いやこの漫画は人気のある作品なんだから影響力を考えるべきだった、という意見もあります。(人気のない漫画だったら、責任とか考えず、何描いてもいいのかね・・・?)
 漫画でもやりすぎだとか、いやよくぞ言ってくれた、という意見。
 因果関係をはっきりさせてほしい、という意見・・・などなどが噴出しました。

 私はここで、この意見のほうが正しい、とか鼻血が出るのは被曝のせいですよ! と断定したりするつもりはさらさらありません。
 ちょっと違うことを思い出したのです。

 今から20年近く前のことです。つまりチェルノブイリ原発事故から10年も経ってないような時期でした。当然のことながら福島第一原発事故が日本で起きる前のことです。
 日本にロシアの児童文学を研究しているグループがありまして、1年に1回会報誌というか、研究発表のための雑誌を発行しています。
 そのグループから次号にベラルーシの児童文学について寄稿してほしいと頼まれました。
 それはいいのですが、グループのメンバーの1人(その人は現在すでにこのグループを脱退しています。)がこう言い出したのです。
「ベラルーシにはチェルノブイリ原発事故をテーマにした児童文学があるでしょう? それについて紹介する原稿を書いて下さい。」
 私がそのような作品はないと答えると、その人は「ええ?」という怪訝そうな顔をしました。
「チェルノブイリの事故のせいで白血病になって死んだ子どもの話や、ふるさとの村が汚染地域になって移住しながらも、新しい地でけなげに生きる家族の物語とか、そういうのないの?」
ときかれたのですが、児童文学(つまりフィクション、創作)ではそのような作品はベラルーシにはありません、と答えました。

 その人は、理解できない! という反応で、
「どうしてそういう子ども向けの文学作品をベラルーシ人は書かないのか?」
と言い出し、さらには「日本なんか、外国で起きた事故なのにチェルノブイリをテーマにした漫画だってあるのよ。それに引き換えベラルーシ人は何もしないのね。自分の国で起きたことなのに。」
と批判し、
「ベラルーシ人はダメ民族。」
という結論を下しました。 

 このダメ民族ってつまり何? と言われれば
「自国の問題を子どもに分かりやすく語って聞かせようとしない。自国の問題に向き合おうとしないふまじめな態度。怠け者であり、頭脳も使わない。つまり優秀ではない民族。(それに引き換え日本人は優秀。)」
 ということです。(あくまでこの人の個人的な意見です。)


 この人に対して私はこのような提案をしました。
「わたしたちの涙で雪だるまが溶けた」という本があります。これはチェルノブイリで被災した子ども達の作文集です。子ども達の体験したことが子どもの手によって書かれています。この本について原稿を書くのがいいと思いますが・・・。」

 しかし、「私たちのグループは児童文学をテーマにしているので、原稿で取り上げるのもプロの作家による文学作品でないとだめだから。」という理由で却下されました。

 結局チェルノブイリとは全然関係のない、ベラルーシ児童文学作品について原稿を書いてこの件は終わりました。

 ここで、どうしてベラルーシにはチェルノブイリをテーマにした児童文学作品がないのか、説明します。
 チェルノブイリをテーマにした創作で、大人向けの作品はあります。しかしベラルーシでは基本的に児童文学と言うのは対象年齢が14歳までとなっており、したがって子ども向けではないと表現やシーンが描写されるのは、教育上よくない、とされています。
 主に飲酒や喫煙シーンや性的な描写、残酷なストーリーなどです。
 このような描写があると児童文学のジャンルから外されます。
 チェルノブイリについては小さい子どもに語って聞かせるには、かわいそうすぎる、不安感を扇動する、五感では分からない放射能の説明を子どもにも分かるように説明するのは難しい、よく分からないまま「危険だ」「恐ろしい」と吹き込むのは、子どもにとってストレスになる・・・といった理由で「話すのはやめておいたほうがいい。」というテーマに分類されるのです。

 「チェルノブイリ」というより「放射能被曝と健康」というくくりで子どもに教えるのは中学生以降です。
 それもフィクションである文学作品として、要するに、作り話で「マーシャは10歳で白血病で死にました。」といったお話を子どもに話すのは、意味がないし、建設的でもないというのがベラルーシ人の考えです。

 それより中学生ぐらいになってから、歴史の授業で「1986年に原発事故が起きました。」と教え、理科の授業で「放射能とはこういうものです。」と科学的に説明し、保健体育の授業で「被曝を防ぐにはどのような食生活を送れば言いのか。」を教えるほうが、実際的であるということです。
 もちろん消火作業に従事して急死してしまった消防士の話や、たくさんの子どもが甲状腺がんになった、と言う話も教育現場でしますが、これは日本で言うと道徳の授業の範囲内で、つまり、気の毒な子どもには同情し、遺族を思いやりましょう、勇敢な消防士さんたちに感謝しましょう、という心の教育です。

 ベラルーシ人に前述の日本人の意見を話すと
「そんなお涙ちょうだいの創作を小さい子どもに読ませてどうするの? そんな作品子どもは読みたがらないし、親も読ませたくないよ。だから文学者も書かないんですよ。」
と言われました。
 私も同感です。

 ベラルーシの児童文学でチェルノブイリをテーマにした作品がない理由がお分かりいただけでしょうか。

 チェルノブイリをテーマにした漫画はベラルーシ以外の国で作られています。一番多いのが日本です。
 それは日本が漫画大国だから。ベラルーシには日本人が想像するプロの漫画家は(私が知るかぎり今のところ)いません。
 ベラルーシにはチェルノブイリをテーマにした漫画を描く人がいないのです。

 それに対し、日本はよその国のことですが、漫画でチェルノブイリのことを表現してくれます。
 やはり20年ぐらい前にそういう日本人が描いたチェルノブイリの漫画を読んだことがありますが、ベラルーシに住んでいる者からすると描写にリアリティーがない(ああ、外国人の抱いているベラルーシのイメージってこんな感じかな・・・と思いました。)さらに白血病にかかった女の子が、死の直前まで家族と会話していて、その会話の途中にガッと血を吐いて、一瞬で絶命・・・とか、実際に起こった事故をテーマにしているのに、やはりリアリティーがない・・・と思いました。

 死の直前の白血病患者さんは意識も混濁して、こんなにぺらぺら話なんかできないし、それこそ白血病患者は必ず口から血しぶきをあげてから死ぬ、といったイメージを読者に植え付けませんかね? 
 「美味しんぼ」で主人公が鼻血を出すシーンを描いたら、「福島の住民みんなが鼻血だしてるわけじゃないのに!」と批判するけど、誤った描写や不自然な描写なんて、漫画(創作)の世界ではいっぱいありますよ。
 でも「美味しんぼ」は人気漫画だから「影響を考えろ。」と言われるんですね。
 無名漫画だったら、おかしな描写をしても影響力が小さいから、そんなに批判しなくてもいい、という考えでしょうか。
 でも、こういう考えは変だと私は思います。

 こういう考えが当たり前になると、有名な作品では超リアルに、間違ったことは描かないように注意しないといけない。(表現という観点からすると、作品の世界が縮こまって、芸術としてはおもしろくない方向に進みそう。)
 無名の作品なら、事実と異なる表現もOK。(芸術としてはおもしろい方向に進みそうだけど、「それはいくらなんでもないでしょ。」「傷つく人がいるよ!」という批判はしなくてもいいし、批判も受け付けなくていい、という考えになります。)

 一方で前述の日本人の意見を思い返すと、福島第一原発事故が起きてから、3年ほどなのに漫画の世界で早速取り上げられるなんて、さすが日本人ですよ。ベラルーシ人より優秀な民族なのですから、当然・・・とこの人は今思っているでしょうね。

 しかも「美味しんぼ」については論争まで巻き起こり、政治家まで発言するんですから、ベラルーシではありえない状況です。

 すばらしい。日本人の皆さんは表現の自由があること、表現の場があること、美しくても醜くても論争を戦わせることができる環境の中にいるのですよ。
 今後も大いにあらゆる表現媒体を駆使して、福島第一原発事故をテーマに取り上げ、どんどん表現してください。
 そしてどんどん議論してください。議論して意見を言い合うのは大事なことだと思います。


 さて、ついでながら、前述の作文集「わたしたちの涙で雪だるまが溶けた」についてです。
 この本について原稿を書くほうが、チェルノブイリの被災者の生の声を紹介できるのになあ、と思っていた私は提案を却下されて、少々がっかりしていました。

 ところがそれから数年後・・・チェルノブイリの子ども達を支援している日本の方からこんな話を聞きました。
 あの作文集はコンクールをして作品を募集し、審査員が目を通して優秀な作品をまとめて印刷されました。翻訳して日本で販売して売上金の一部はチェルノブイリ被災児救援活動の資金にしようという考えも出て、実際そうなりました。
 さらに作文が載った子どものうち3人を選んで日本へ保養に招待することになりました。
 選んだのはベラルーシ側で、私にこの話をしたのは受け入れた日本側の団体のメンバーです。

 やがて保養滞在のためにベラルーシの子ども3人が来日しました。そのうちの1人、オーリャさんは自分が書いた作文の中で
「私は白血病になってしまった。入院している。」
といったことを書いた子どもだったのです。
 作文の中では明らかに重症患者になっている様子を書いていましたが、日本に来た彼女はピンピンしています。
 日本人ボランティアが、本人に尋ねると、
「私は白血病にはかかっていない。健康です。でもあるとき病院に行ったら、私と同じ名前でオーリャという白血病の女の子と知り合ったの。あの作文はコンクールのことを聞いて、その女の子の気持ちになって書いてみたの。」
と答えたそうです。

 チェルノブイリ被災児の作文集、と聞くと、当然自分の実体験のことを綴っているだろう、と思いますが、実際は創作の作品も混ざっていたのです。
 オーリャさんを保養に行ける一人に選んだベラルーシ側にその後、問いただしたところ
「彼女の作品は文学的です。作文として優秀です。だから選びました。」
という回答だったそうです。
 日本側としては賞金代わりの旅行目的でベラルーシの子どもを日本に呼んだのではなく、保養目的だったんですけどね。

 その後、私はこの本をあまり読まなくなりました。もしかしたら他にも、自分の体験談ではなく、架空の話を書いた子どもの作文が載っているかもしれないからです。

 つまり「これはノンフィクションの作文集で、子ども達の体験に基づいた実話ですよ。」と宣伝している本の中にも創作やフィクションが混ざっているんです。

 (今から考えると、依頼された原稿のテーマにこの本のことが採用されなくて、かえってよかったです。)

 「美味しんぼ」は漫画であって、創作の世界です。主役の山岡さんなども実在しないのです。実在しない人が漫画の中でいくら鼻血を出しても、これは被爆が原因です、という証明にはなりません。
 ところがこの作品には実在の人物も登場して、「証言」をしています。これで「鼻血の人が増えています」の根拠にしないと、「いいかげんなことを想像で描いている。」と批判されるからでしょう。

 いくら実在の人物であっても、漫画の中の発言だからこれは証拠にはならない、という考えの人もいるだろうし、逆に漫画の中でも実名を出しているんだから証拠になる、という考えの人もいるでしょう。
 このあたりが論争になってしまう理由なのかな、と思っています。

 漫画は漫画、創作の世界であって、リアルの世界ではない! とぶちっと区分けできるものでもないですよね。
 漫画でも映画でも、創作と現実の境界線の上にあるような作品が多いし、そういう作品のほうがおもしろかったりします。
 
 映画の「タイタニック」でも実際に起こった事故を扱っていますが、実在しない登場人物がいたり、実際はなかった出来事があたかもあったかのように映し出されています。
 実際に会ったことだけを忠実になぞるべき!と言う人もいるでしょうが、それだと、あの映画はあれほどヒットしたでしょうか。

 つまり創作部分とリアリティーのさじ加減をどうするか、というのが、作品によってそれぞれで、微妙で、そこが作品の醍醐味だったりします。

 子どものときは魔法使いが魔法をじゃんじゃん使う話を読んでも、すんなり感情移入できますが、大人になると「これは創作の世界だし、現実にはありえないよねー。」と思いながら、読んでしまいません?

 作者のほうのさじ加減もあるし、読者の側の受け止め方も人さまざまだと思います。

 結局何が言いたいかと言うと、前述の作文集の場合は「これは実話ですよ。」という前提で、(しかも作文を書いた子どもの本名や顔写真も載っています。)作られた本なので、そこへ創作の作文は混ぜないでほしい、ということです。

 しかし漫画のような創作ですよ、という作品の場合、100%真実を語っているとは思わないほうがいいということです。

 でも真実が0%というわけでもないのですから、この作品をきっかけに、取り上げられているテーマについて考えてみたり、議論しあうきっかけになればいいのでは、と思います。日本人はダメ民族ではないのですから。(^^;) 


・・・・・・・

 追記

 チロ基金が行っている聞き取り調査の結果を公表していますが、これだけ見るとチェルノブイリ原発事故後、鼻血に悩まされた人はいませんね。
 もっとも対象者の数が少ないので、これだけでは被爆と鼻血は関係ない、という証拠にはなりませんが、ご参考までに。
 

チェルノブイリ原発事故から28年

2014-04-26 | 放射能関連情報
今年でチェルノブイリ原発事故が発生してから28年となりました。
 ベラルーシ人の間では、若い世代も増えてきて、事故のことを覚えているはずの年代の人も記憶があいまいになってきています。

そして今日を境に、ということではないのですが、28年の節目を前にベラルーシ国内の汚染地域は全て指定から解除されました。つまり元汚染地域はあちこちにあるのですが、現在汚染地域という場所で、人が住み続けていたような場所は全て、公式には汚染地域ではなくなり、引っ越してきてもいいし、住居を建設してもよい、ということになったのです。
 かつてそこに住んでいた人の中には、戻ってこようとしている人もいます。もちろん強制的に帰還命令が出ているわけではないので、自分の意思で戻らないと決めている人もいます。

 そこで農作物を作るのもOKです。
 本当にこれでいいのか、という気持ちがあります。そう思いながら暮らし続けている人もたくさんいるでしょう。
 ちなみに同じ原発事故で指定された汚染地域でも、国境を越えてウクライナ国内にある場合は、指定解除されていません。あくまでベラルーシ国内だけでの決定なのです。

 日本の28年後はどうなっているでしょうか。ベラルーシのように汚染地域がすっかりなくなっているでしょうか。人々は自分が住んでいた地域に戻ってきて、健康に暮らし続けることができているでしょうか。そうなっていてほしいと望みます。

震災から3年

2014-03-11 | 放射能関連情報
 短いようで長い3年でした。
 去年の3月11日も「来年はどうなっているのかな・・・」と思いましたが、状況は予想以上によくありません。
 
福島・子どもの甲状腺がん患者――「疑い」は16人増に (週刊金曜日)

どこまで子どもの甲状腺がん患者は増えるのか。第14回福島県「県民健康管理調査」検討委員会(星北斗座長)は2月7日、福島市内で会議を開いた。子どもの甲状腺がん検査で、26万9000人の受診者のうち、がん患者は33人(前回比7人増)、「疑い」は41人(同9人増)で、前回より16人増の計74人が甲状腺がん、あるいはがんの疑いと診断されたと発表した。

 検討会のたびに患者が増加しているが、星座長は「(患者数は)想定の範囲内。放射線等の影響との関係は検討する必要があるが(影響は)考えにくい」との見解を示した。県立医大は県の委託で調査を実施、さらに「研究」の名目で、大学の倫理委員会に申請して承認を得た。申請書では「小児甲状腺がんは年間100万人あたり1~2名程度と極めて少なく、結節の大半は良性」(2011年9月)としていたが、患者数が増えてくると、「最新の研究で4000~5000人に1人」「スクリーニング効果(検査による早期発見)」と当初の基準を変える見解を示してきた。

 33人という数字は、福島県内の拠点病院等での新たながん登録で肝臓がん33人、すい臓がん30人(11年総数・全年齢、国立がん研究センター)に匹敵する。放射能の影響を考慮しない場合、各地で同率の子どもが潜在的に甲状腺がんであると想定され得るが、国・厚労省による対策の動きはない。調査結果は「福島県の地域限定」に矮小化される可能性もある。

 同医大の鈴木眞一教授は同日、甲状腺がんの遺伝子解析・ゲノム調査を今後、行なうと説明。「保護者に説明できる根拠」を示すとした。調査と治療、研究、情報の管理と活用が特定のグループに独占され、医療政策が「県―県立医大」という閉鎖系で完結する可能性も否めない。この検討会が「新たな安全神話」構築の場にならないよう、今後も多様な視点でチェックしていくことが重要だ。

(藍原寛子・ジャーナリスト、2月14日号)

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 チェルノブイリのときよりペースが速いので、憂慮しています。一方でチェルノブイリのときとはパターンが違うので、福島の原発事故は関係がない、という意見もあるでしょう。

 そしてどうしても地域としては福島だけに注目しがち、また病名は子どもの甲状腺がんだけに気を取られがちですが、他の地域でももっと検査・調査をして、またさまざまな病気についても患者数が増えていないか正確な統計を取って発表するほうがいいと思います。
 日本がベラルーシのようにはなってほしくないので、早め早めの医療体制を整えてほしいです。
 ベラルーシでは1年に1回の身体検査のときに身長・体重を計るのと同じように、子ども達の甲状腺の大きさをチェックをしていますよ。
 これぐらいのことを日本でもするように早くなってほしいです。

 

「放射能汚染を追って」をぜひご覧ください

2014-01-04 | 放射能関連情報
 京都大学原子炉研究所の今中哲二先生より教えていただきました。
 昨年6月に今中先生がウクライナの汚染地域を訪問されたようすが名古屋テレビによりテレビ番組になっています。
 「放射能汚染を追って 福島そしてチェルノブイリ」
 30分弱の番組です。リンク先はこちらです。

 1.9Gbyteの容量で、回線状態のよくない我が家ではダウンロードに時間がかかりましたが、見ることができてよかったです。
 ウクライナだけではなく、飯舘村での測定のようすやインタビュー映像もあります。
 この番組によるとウクライナの汚染地域では病気の子供のほうが圧倒的に健康な子どもより多く生まれている、ということですが、ベラルーシに住んでいる私は、ああ、やっぱり、と思います。
 ウクライナやベラルーシの今がそのまま日本の未来になるのかどうか分かりませんが、できる限り被曝には気をつけて過ごすほうがいいです。