電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

三浦しをん『まほろ駅前番外地』を読む

2018年05月17日 06時05分16秒 | 読書
文春文庫で、三浦しをん著『まほろ駅前番外地』を読みました。『まほろ駅前多田便利軒』の続編というか、サイドストーリーのような位置づけのようです。

第1話:「光る石」
第2話:「岸良一の優雅な日常」
第3話:「思い出の銀幕」
第4話:「岡夫人は観察する」
第5話:「由良公は運が悪い」
第6話:「逃げる男」
第7話:「なごりの雪」

現行作品の場合、あらすじを忠実に追うとネタバレになってしまいますので、読んだ人ならわかるかも、というような形でコメントしたいと思います。

第1話:こういう女性の競争心、対抗心って、コワイですね〜(^o^;)>poripori
第2話:どんなに日常が優雅であろうと、千枚通しをほほに突き刺すようなこういう残虐性はキライです。作者の感性は、どうも人畜無害なワタクシとは合わない面があるようです(^o^;)>poripori
第3話:曽根田のバアちゃんの若い頃の話。
第4話:高校の同窓会の件で多田と行天が仲違いをし、岡家の依頼仕事で岡夫人に仲裁され叱られる話。ふーむ、岡夫人は作者の理想像なのかも。
第5話:これも都会の裏面の話。当地のようなど田舎では無縁の世界。
第6話:依頼内容が遺品の整理でも、ここまで徹底していると、異常性が際立ちます。まだ若い未亡人は、敏腕女社長。刑事コロンボなら事件性を嗅ぎつけるところでしょうが、このお話ではそうではなかったようです。
第7話:どうもこの1編の中に、次の『まほろ駅前狂騒曲』の発端があるようです。



本作における作者の基本は「逆説」なのかもしれません。本当はこうだった、みたいな逆説を物語として具体化する実験なのでしょうか。面白いのだけれど無理があると感じる面もあります。逆説のほうが本当らしいと思えるのは、若いうちだけなのかも。

コメント