リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

街灯が・・・

2009年04月11日 12時42分06秒 | ローカルネタ
ウチの前に設置されている街灯の蛍光灯が切れかかってブリンク状態です。そこで、夜の7時頃町内会長さんに電話したんですが、おばあちゃんが出て、ご本人は不在らしいです。何か話がなかなか通じませんですねぇ。(笑)

「何時頃お帰りですか?」
「そんなんわからんわ」
「(伝言を)お伝えして頂くことはできますか?」
「それはなぁ。また直接ゆうたって。いつかえってくるかわからんし。夜中の1時2時ころみたいやし」

電話に出られた方はおばあちゃんと自称されていましたが、町内会長さんのお母さん?それとも奥さん?町内会長さんとお話をするのはなかなか難しそうです。

「じゃ、また明日にでもお電話いたします」
「はい、またおるときに電話したって」

ま、その「おるとき」というのがなかなか難しいんですけどね。(笑)

バッハの組曲ト短調タブ化メモ(まだ続く)

2009年04月10日 18時48分29秒 | 音楽系
難所シリーズですが、アルマンド、クーラント、サラバンド、第2ガヴォットにも大変な部分があります。結局、技術的な難所がないのは、アルマンドと第1ガヴォットだけということになりますが、これらとて一般のリュート曲と比べると随分変則的な音の動きが見られます。(リュートの技術的に変則ということで、もちろん音楽的にどうこうというわけではありません。それどころかむしろ新しい技術的なスタイルを持ったリュート作品と言った方がいいかも知れません)

まずアルマンドです。後半の7小節目の冒頭の和音。上の音から言うと、ミ♭、ド、ラ、ファ、レです。そのまま音を出すには、弦の数か指の数が足りません。解決方法としては、レを10コースのオクターブ弦を使って弾く、あるいはラの音を6コースのオクターブ弦を使う、いっそ、レをオクターブ下げる、などの方法が考えられますが、私はラを6コースのオクターブで弾くという方法をとりました。

あと終わりから6小節目の後半に見られるバスの早い動き、これを親指だけでクリアに弾くのは難しい(音が濁り、かつ少し遅れ気味で重くなる)ので、9コースの2フレットを押さえてFの音を出すことにしました。これもきれいに弾くのはなかなか難しいです。

次にクーラントです。出だしは大変スムーズに演奏できます。同じようなクーラントのリズムを持つ、組曲ホ短調BWV996のクーラントとはえらい違いです。996番のクーラントは冒頭のトリルの処理に大変苦しみます。

995番のクーラントでは、後半の6,7小節目の部分が難所でしょう。7小節目の低音が動きながらトリルのところ方が難しいかもしれませんが、この低音はバス弦のオクターブ弦だけを弾けば出すことができます。バス弦のオクターブ弦だけを弾くのは結構微妙ですから、いっそバスをオクターブ下げて弾くというのも一つの方法でしょう。ま、オリジナルのバスのラインにこだわる私としては、その方法はとりませんが。(笑)

バッハのリュート組曲995タブ化メモ(11)

2009年04月08日 11時41分32秒 | 音楽系
そうそう、プレリュードの終わりから58小節目から始まるフレーズも結構難所です。状声部は同じ弦のパターンで弾く方がインパクトがありますが、初期のころのタブではバスと中声部を長めにのばすため、小節ごとに上声部の弦や指使いを替えていました。この方法は一応音はでますが、音色が小節ごとに微妙に替わったり、演奏自体もなんとなくやりにくい感じがしましたので、思い切ってバスと中声部を短めに演奏するということ風にしました。

そこまでのバスもバッハの記譜に従って短めに処理をしてきましたので、ここを少しアクセントを置きながら短め(1拍だけの長さ)にしても特に違和感を感じないどころか、上声部が同じパターンで演奏できるので、かえってスムーズに感じるくらいになりました。ここまでのバスの処理を「垂れ流し」にしていたら、この部分を短くしたら妙に浮いてしまうところでした。

この「難所」を昔のリュート奏者はどう扱ったかを、18世紀中頃に書かれた本曲のタブで見てみますと、バスをオクターブ下げて開放弦のバスを使うことで困難を回避しています。でもここはやはりバッハが書いた音の高さを保って行きたいところです。

バッハのリュート組曲995タブ化メモ(10)

2009年04月07日 22時45分14秒 | 音楽系
さて、ヴァイスではほとんど現れないような難所がこの組曲にはあります。バスの音が動きながらトリルをするという、ジグの後半に現れる箇所です。ここのトリルは曲が大きく盛り上がるところでもあり、是非長い(数の多い)トリルにしたいところですが、リュートにとってバスが動きながら長いトリルを演奏するのは容易ではありません。従って、大半のリュート作品では、長いトリルを演奏するときのバスはトリルの頭と同時になる音のみです。長いトリルをしている間にバスが動く例はヴァイスに少し見られる程度です。(例えばドレスデン写本の、冒頭から2番目のヘ長調ソナタのクーラント3小節目。探せばもっとあるかも知れませんが)左手のハンマリングオン・オフの連続の一番末尾をきちんとつながるようタイミングを合わせて右手で音を弾くだけでも大変なのに、その途中に親指でバスを一発、なんてやりにくいことこの上ありません。

バッハのジグのケースではトリルをしている間に音を2つも入れなくてはいけません。こういうことはリュートはもちろんギターなんかでもとても技術的に大変なので、短いトリルで妥協しているケースが多いのですが、リュートの場合は開放弦を上手に使うとなんとかいけます。動いている音が全て開放弦でないとさすがに無理なような気がします。具体的な方法は、F,G,Dと動くバスのうち、Gを7コースのオクターブで演奏する方法です。右手の細かい指使いはここではややこしいので書けませんが、親指から薬指までを総動員してなんとかプレイアブルなところまで持っていくことができます。

バッハのリュート組曲995タブ化メモ(9)

2009年04月06日 11時32分00秒 | 音楽系
この組曲を演奏するにあたり、ヴァイスの曲などと比べるとバスの音が多いので、バスラインが濁らないようにしなくてはいけません。ほとんどは右手の親指とか手の甲で消すことになりますが、手の甲で消音する方法は、音を消しすぎないように注意しなくてはなりません。

こういった演奏上のポイントを踏まえながらタブ化していくわけなので、実際の作業としては、一旦ざっと楽器を使わずにタブを書いてみて、その後それを弾いてみて改善を重ねていくという方法をとります。従ってタブ化が完成=演奏がほぼ完成、まぁコンサートで演奏できるレベルのちょっと手前くらいには仕上がります。

いままでもずっとこの方法を取ってますが、何十回も改訂を重ねますので、鉛筆で書いては消し、書いては消しの連続です。数えたことはないので、わかりませんがひょっとしたら何十という単位ではすまないかもしれません。鉛筆書きをせず、タブラチュア・セッティング・ソフト(Djangoなど)で「初版」を作り、どんどん改訂を書き加え、一定のところまで改訂がすすんだら、ファイルを更新、という方法をとることもあります。この方法だと、「改訂の歩み」が残るというメリット?はあるかも知れません。もっとも歩みが残ってなんなんだとは言えますが。(笑)

バッハの編曲でよく見られるのは、ほんとうに上のような演奏を通しての実際的なタブ化をしたんだろうか、と思える「編曲」です。実際には弾いていない、あるいはそもそも弾けないようなタブも結構見受けられます。その点、出版されているホプキンソン・スミスや今村泰典の版は練りに練ったタブ(運指も含めて)だという感じがします。

メンデルスゾーン上演稿によるマタイ

2009年04月05日 22時11分46秒 | 音楽系
BCJのマタイ、なかなか興味深かったです。(2009年4月4日しらかわホール(名古屋))この上演は、19世紀におけるメンデルスゾーンの上演稿をもとに行われまして、楽器の編成、各部の構成がオリジナルとあちこち異なっています。

いわばメンデルスゾーン編曲によるマタイ受難曲といった趣です。オーボエ系の音の低い楽器のかわりにクラリネットが使われていましたし、通奏低音はオルガンとかチェンバロ、テオルボといった楽器ではなく、チェロ2台とコントラバスでやってました。もちろんこの通奏低音はきちっと楽譜に書かれていたもので、バロック時代の通奏低音の演奏の仕方とは異なります。(バロック時代は、和音楽器の通奏低音奏者の楽譜には和音を表す数字を伴った低音だけ(場合によっては数字もない場合も)が書かれていて、奏者はそれを見て、和音やメロディを入れる)

エヴァンゲリストの「語り」やアリアもいくつか省略されていました。第1稿ではリュートがオブリガート楽器になっていた、第57曲バスのアリア「来たれ、甘き十字架よ」はばっさりと削られていました。このリュートによるオブリガートは、現代において一般的に使用される版(最終稿)ではヴィオラ・ダ・ガンバに変更されていますが、それをさらにチェロに編曲してもうまくいかないと判断したのでしょう。メンデルスゾーンの時代にはもうヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ましてやリュート奏者はいなかったでしょうから、いたしかたありません。ちなみに最後のリュート奏者といわれるクリスティアン・ゴットリープ・シャイトラーは1815年没です。シャイトラーがもう少し長生きできていれば、この公演に参加できたかも。(笑)

はじめてのマタイがこの公演の方は、一般とは少し異なるイメージを持ってしまったかもしれませんが、この特別なマタイ、なかなか魅力的でした。

珠玉のパーツたち(笑)

2009年04月04日 12時39分01秒 | 日々のこと
どんなパーツを選んだかというと:

CPU Intel Core2Quad9550s (これは新古品を買いました)
マザーボード GIGABYTE社製 GA-EP45-UD34 (これも購入済み)
電源 Enermax EMD425AWT
メモリー 4ギガ4000円くらいのものを適当に
OS Windows XP Professional (実は余分に持っています)
CPUクーラー  Scythe製 MUGEN2
HDD Western Digital製 WD10EADS (1テラです)
光ドライブ  3000円くらいのバルク品
ビデオカード  5000円くらいのローエンド品
ケース  Cooler Master製 Sileo500

というラインナップです。コンピュータパーツに詳しくない方はなんの意味もない感じはしますが、一応(笑)。総額大体9万円台です。過去4台の自作機の中で最安です。もちろん性能は今までの自作機中最高です。

ブルーレイドライブは今は別に特に必要ないのでつけません。30000円くらいして大変高価です。2011年7月24日の地デジ移行のあとに買うかもしれません。その頃は5000円くらいのバルク品がショップに山積みされているかもしれないので、その頃につければ十分でしょう。

それとビデオカードも別にゲームをする訳ではないので、ローエンド品です。電源はきちんとお金をかけましょう。コンピュータを長持ちさせるポイントです。(って、そんなに長持ちさせるほどたぶん使わないでしょうねぇ。また2,3年したら6号機なんちゃって)そうそう、しっかりした電源は長持ちだけでなく、安定動作という点から欠かせません。人に作ってやったパソコンで、安物の電源を使ったために故障頻発でえらい目にあったことがありましたし。(笑)選んだ電源は静音でも定評のものです。

ケース、クーラーファンも静音で定評の品、そしてCPUは高性能だけど、低発熱のもので今年の1月に出たばかりの品です。CPUが低発熱だとクーラーファンも静かに回ります。

ということで熟慮に熟慮を重ねて選んだ品々です。今回は今までと違って、時間をかけて情報を得て選びました。時間をかけるとより多くの情報が入ってよりよい選択ができるものです。(できたような気がします)衝動買いはいけませんですねぇ。じっくり選んでさぁ買うぞ、と思っても、すぐに買わないで一呼吸おいてから買うというのが一番いいようです。

今日はBCJのマタイのコンサートを聴きに行きます。また今日も帰りにショップによってきてパーツの調達をしてこようかな。

自作5号機発進

2009年04月03日 22時10分20秒 | 日々のこと
いよいよデスクトップコンピュータ自作5号機が発進です。(笑)2006年6月に作りましたデスクトップがそろそろ古くなった(世間的にはまだそうでもないと言われそうですが)ので、最新のパーツを満載したマシンを作ることにしました。2006年製の第4号機は、2005年頃に旬であった、いわゆる「枯れた」パーツで作ったものです。マザーボードなんか2006年当時すでに過去のものになっていたチップセットだったと記憶しています。

何となく最新のパーツ事情を知ってみたくなり、ここ半月くらいパソコン雑誌を何冊か久しぶりに買って読んでみました。昔は月に3誌くらいは買っていたんですが、最近はパソコン関係の進化も滞っているみたいだったこともあってあまり買わなくなりました。昔は急成長していた分野だから、毎月雑誌を読んでも結構変化というか進化というか、そういうものが見られて面白かったんですが、ここ何年かはもうパソコンは家電化しつつあるみたいに感じていました。

それでも雑誌を読んでみると、Pentium4時代(自作4号機のCPUです)と比べて随分進化していて、雑誌記事のちょっとあおり気味のトーンに購買意欲をくすぐられてしまいました。

でも今の4号機だって、処理速度が滅茶苦茶遅い訳でもないし、DVDも見られるし、CD-Rも48倍速で焼けるし、ハードディスクはまだ150ギガくらいあまってるし、Windows XPも安定しているし、今新しいパーツにするメリットは何か、って考えたんですが、超静粛動作と超高速処理ってことになります。新しい機能とか新しい周辺機器が新たにつなげるわけではないので何となく夢がない感じもしますが、雑誌の記事によればほとんど無音に近いマシンも作れ、それがPen4なんかに比べたら比較にならない速度で動くそうな。うーん、ロマンですねぇ。(笑)それに全てリニューアルされば、それだけ物理的故障のリスクも減る、やはりここはひとつ・・・(笑)

ということで、ミューズでレッスンをした帰りに名古屋駅前のSマップに寄ってみました。すでに品定めをしてあった、GIGABYTE社製のマザーボードがそこそこの値段で売っていました。そしてなんと、これもすでに品定め済みのCPU、Intel Core 2 Quad9550sの未開封新古品が出ていました。これはラッキーな買い物になりそう。

近くにいたお兄さんに、9550sの新古品とGIGABYTE GA-EP45-UD3Rを下さいって言ったら、なんとマザーボードのBIOSがCore 2 Quad9550sに対応していないかも知れないとおっしゃる。

「えー、じゃぁどうやったら、BIOSをアップグレードできるんですか?CPUが使えずOSも動かない状態でどうやってやったらいいんですか?ひょっとしてもう一つ確実に対応しているCPUが必要とか?」

「え、えーまぁそういうことですね」
 
このお兄さんには、マザーボードのメーカーのサイトでかなり時間をかけて調べてもらいましたが、要するにBIOSは対応していないということでした。確実に動きそうなひとつ下のグレードにしようかとも思いましたが、これではコンセプトの超高速動作ということからは若干後退してしまいます。ということで、買うのは延期です。

その足で近所のBカメラに行ってみましたら、実はややこしそうな話は実はきちんとした方策があることがわかりました。Bカメラの売り場のお兄さんに、BIOSアップグレードのことを話しをしたら、GIGABYTE社のマザーボードは、OSを立ち上げなくてもBIOSを更新できるユーティリティがあるとのこと。このお兄さんの説明は非常に確信に満ちていて的確でした。BカメラではGIGABYTE GA-EP45-UD3Rは900円高かったですが、お兄さんの的確なアドヴァイス料ということで、Bカメラで買うことにしました。

でもCPUはやっぱりあっちの新古品が魅力的(5000円以上も安い!)だったので、あっちで買いました。(笑)今日の買い物はとりあえずここまでで、残りは四日市のGウィルとネットで安値品を選んで調達することにします。

ことしも・・・

2009年04月01日 10時09分50秒 | ウソ系
ことしもエイプリルフールがやってきました。いつも与太話をブログにアップしていますが、もうそろそろネタも尽きましたので、もうこういうのは止めようかと思います。そこで、今回はいままでのネタを振り返ってみたいと思います。

というほど何年もやっていませんが、最初は確か2005年でしたか。これが「大ヒット」しまして、味をしめて何回かやってみました。この時は、バッハの新発見のリュート作品をテーマにでっち上げました。

BWV995の自筆譜表紙に、「リュートのための作品集」とありますが、実際にはト短調の組曲だけが残されている、ということはまだあったはず、とリュート弾きは考えてしまいがちですが、そういう人たちがこのエイプリルフールネタに一杯ひっかかりました。

4月1日以降何人かの方にメールをいただいたので、ちょっと罪悪感を感じてしまいました。中には「ウソやったら、おこるでー」なんてのもありました。(笑)

このネタのひっかかり極めつけは、某リュート奏者でした。一応プライバシー保護のために、男なのか女なのか、はたまたどこの国の人とかどこに住んでいるとはあえて伏せますが、某大物リュート奏者です。(笑)

このときはまだ私はスイスに住んでいましたが、6月頃にそのリュート奏者に会ったときに、バッハの新発見のリュート作品について教えてくれと言われました。どうも私の与太話がめぐりめぐって2ヶ月くらいかけてその方のところに伝わったようです。事情を説明していたら、その方結構落胆していました。なんせ、是非録音したいと意気込んでいましたから。(笑)

一昨年のエイプリルフールにはウソにまみれたコンサートを実際にしました。(リュート音楽のひととき第4回)ヴァイス「不実な女」の真実が今ここに!と題したコンサートでした。一般的にはこの「不実」ということばから、「冷たい女」とか「不貞をはたらく女」という意味にとられがちですが、実はそうではなく、これは宗教的に不実ということで異教徒の女という意味なんだということを、オスマン・トルコの第二次ウィーン包囲(1683)からめて主張しました。(もちろん根拠はありません)

この異教徒の女がウィーン包囲と関係している、というところだけはウソですが、あとは当時のリュート奏者バロンの著作物からの引用やら、曲のリズムの解説などは全て本当でして、1つウソをつくために100のホントを並べ立てる、ってやつです。でも、このコンサートあまりにもマニアックな内容なので、反応は今ひとつでした。(笑)

あと、BS細胞でガット弦を作る話も書いたことがありましたが、この方面の進歩は早いですねぇ。今ならiPS細胞ですね。韓国の研究者がこのBS細胞に関して論文をでっちあげたというニュースがあったので、それにひっかけてストーリーを作ってみました。でも細くて強いガット弦、欲しいですねぇ。