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そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

芳野満彦さん、さようなら

2012年03月12日 | 本の紹介・その他いろいろ
芳野満彦さん(旧姓・服部満彦さん)が、2月5日に80歳で亡くなられました。
日本の登山史上に数々の大きな功績を残された登山家です。
(上のURLの後半に芳野さんの説明があります)

そして、実は私の生き方にも大きな影響を与えた人なのです。

私は山登りは出来ませんでしたが、それ関係の本を読むのは大好きでした。
まだ若い頃に、この方の『山靴の音』(今も新版が中公文庫より発売)を読んで、その存在をを知りました。

17歳のとき、友人と冬の八ヶ岳を登攀中に遭難、友人は亡くなり、芳野さんは、命は助かりましたが、ひどい凍傷で両足の指を全部失くされたのです。

医師には2度と山登りは無理と言われながら、足が弱くなった分を、上半身、特に腕を鍛えればカバー出来ると信じて、厳しいトレーニングに励みます。

そして登山再開!!

両足の先は指を切断して皮膚が薄くなっているので、登山靴の中で出血します。
それでも靴の中を真っ赤に染めながら登り続けます。
後には特注の小さな山靴をはいて・・・・

そして、それでも輝かしい記録をたくさん残されました。

夜になって、足先に張り付いた靴下をはがすときの強烈な痛みと孤独感、どんなだっただったでしょうか。




人生の途中から厄介な持病と共に生きねばならなくなって、ひどく落ち込んでいた私は、『山靴の音』を読んで、芳野さんに顔をひっぱたかれたような衝撃を受けました。

私も落ち込んでいないで、したいことが出来るように挑戦と工夫をしよう!
そのような決心をして立ち上がり、今日に至っています。


そんな力を与えてくださった芳野さん、ありがとうございました!!

ご冥福をお祈りいたします。