柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

功罪

2009-05-05 08:01:17 | Weblog
発熱外来なんて言葉の響きがどうにも不安や尋常ならざる感をいやでも湧き立たせますが、十分に想定されたことながらあちこちでギシギシ音を立ててます。発熱した人を一切診ないなんて病院が現れたそうです。本当かどうか分かりませんが、保健所を経由してきた、つまり新型インフルエンザには感染してないよと言われた人までも診療拒否されたって話です。ま、こんな事象には尾びれが付きますから話は半分ですが、都会であればありがちなことでしょう。見ていてたTVのコメンテイターが三屋某女(バレーボールの日本代表、どこかの下着メーカーの雇われ社長になって客寄せられずにあっさり馘首になった)で、言ってました目を三角にして半ば蔑むように、この病院は自分の利益しか考えてない、仮にこの病院から感染者が出れば風評で大変なことになるから診ないんだ、病院がそんなことでは困るって。みのもんたも同調してました、こりゃいけないよねぇ。発熱外来が予定通りに数設置されてない自治体をフリップで教えてましたが、満たない自治体ばかりです。別の男が憤慨して言ってました、こんなことで実際に強毒性の鳥インフルエンザが蔓延したらどうなるんだ?って。ううむ、こうやって世の中は整備されていくのですけれどねぇ。あなたが生きてきた、今現に生きている業界ではそうではなかったですか?起こるべき問題に対して的確に十分に対応できてましたか?できるんでしょうねぇそこまで大口叩くんですから。今のところは流行地からの伝播しかルートがないとする前提です。だからWHOもああ言うし、守る手だては「水際作戦」です、入り鉄砲を許さじ!です。流行地に最近行ったか行かないか。極めて単純明快な分類です実際の場では。でも、それもこれも正直申告あればこそです。下手に捕まればとんでもないことになります、強制入院させられるわあれこれつつかれるわ非難批判の的にはなるわ。こそっと逃げる者がいましょうに。メキシコからの飛行機は広島や松山には降りません、成田や羽田でしょう?東京近辺の病院が構えるのも無理ない話です。もちろんそのまま東京近辺に居座る保障などもありません、私のあなたのすぐそばで咳している見知らぬ人がメキシコ帰りかもしれませんからね。一般国民は熱出たら病院に行くしかないじゃないか、そこで拒否されたらどうしろと言うんだ?という非難でしょう、被害者意識でしょう。でも今こういうシステムを厚労省(国)が作ったんです、この手の「漏れ」も想定内のことです残念ながら。つまり端々にまで線引き定義が伝わってない、あるいは、伝言は届いたけれど意が伝わっていない、そのどちらかです。意が伝わらぬの中には、もともとその医療機関には心意気に欠けるも含まれましょうか。こんないい加減な構えでいて、本当に強毒性のものが流行したらどうするんだ?という問いにはどうしようもないと答えるのみです。次の時にはきっと今回よりは上手に対応できるでしょうが。それでなくても田舎の基幹病院(大きな病院、総合病院)から医者がどんどんいなくなっている現況です、発熱外来をどこで開くんだ?という単純な第一歩が踏み出せない所ばかりでしょう。でもそんなことは厚労省は知らない、連中は机上の計画を触れ回るばかりですから。大臣に現状がわかっているはずもないです(とはいえ、舛添さん大変ですわね、この人にばかり仕事が集まってます、医師不足に始まって介護保険の改正不備問題、年金問題はずっとくすぶったまま、そこに不景気による労使問題、さらにこのパンデミック・・同情します)。でも、言葉は悪いけれども失敗を繰り返して目的に適う策が出来上がるのです。何も起こらぬ前に、ああしろこうしろといっても真実味も無ければ人は真剣になりません。世の中の地震対策に象徴的です。でもこうやって起こってしまう動かざるを得なくなってやっとキーが差し込まれる。強毒性のウイルスだったら大変なことだったじゃないか!という非難にはこう答えましょう、弱毒性のウイルスで神様がトレーニングしてくれたんでしょうよと。こんなことではおちおち安心していられないじゃないか!というお怒りには、今現在(先の話はわかりません、ひょっとして今後大流行するのかもしれません、強毒化するかもしれませんし)のこのスピードにはちょうど合っているんじゃないですか、今はゆっくり眠れるでしょう?と。この識者が想定している強毒ウイルスがやってきていたら、どんな構えをしていてもダメですもの。そういうウイルスを強毒性と呼ぶのです。循環論になってしまいます。行政力ですか。意識の問題ですか?いいえ、起こるか起こらないかわからない事象に対しては起こってみないと対応策などはわからないのです。いちいちの失敗を非難するのは簡単です。そちら側に座っている限りあなたには非難は及びませんからね。いちどこちら側に立ってご覧になれば良いです。コメンテイター達の功罪をよく言いますが、思慮浅い者の言の罪は大きいですね。そう思うことでした。
コメント (2)
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