柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

悉皆

2009-05-19 08:04:05 | Weblog
横浜大矢監督更迭です。成績悪いですからね、これは仕方ないことだとは思います。新聞に擁護論が載っていました、監督だけの所為ではないだろうって。つまりフロントの責任です、石井を出して、相川出して、チームの新陳代謝するならするでここは我慢せねばならぬでしょうに(と素人でも思います)性急に指揮官の首を切る。選手を育てようと言ってる尻から成績重視と手のひら返す。確かにそういう言い方もできますね。昔の(今もでしょうが)広島、今の巨人のように若手生え抜きがどんどん育って活躍しているのを見るとフロントがイライラするのも分からぬことではないですが、補強もしない(三浦を何とか引き止めただけでした)、さりとて若手の育つのも待てないでは監督も辛いところですねぇ。大矢さんああいう見てくれですから気の毒さが募ります。同情を集めることでしょう。
 昨日、マスクについて書きました。中国新聞のコラムにマスクは人にうつさない効能はあるが予防の効果は疑わしい、それをスペイン風邪当時の新聞記事を引いて書いています。うむ、きっとそれが学者のすなる統計学的処理で効果なしと出た「科学的根拠」にのっかっての話であることは想像に難くないのですが、でも今回のように誰がビールス持ってるか分からないというレベルまで来た状況では人にうつさないという目的でも効果は期待できますね。役人さん達が好きな、安直な悉皆主義に拠れば、とにかくみんなマスクつけろ、まずここからだ!って。何を基準にして予防できるできないと判断しているのか知りませんが、マスクしてちゃんと手洗いうがいしていれば少なくとも気持ちは強くいられます。実はこれが大切なんだと思うのです。ずっと受身でうつるがままに任せているんじゃなくて、「予防処置している」という気持ち。ですよね。この気持ちの面、天下のWHOの会議の模様が放映されていました、ここでも垣間見えました、あのチャン女史が赤い服着てで戦闘モードです。イギリスの代表が言います、混乱を引き起こすだけだから安易にフェーズ6に上げるなと。日本もそれに同調して発言していました。でしょう?この重症度分類はきっと客観的学問的に科学的に決められたものですね、チャン女史が4から5に引き上げたのも定義に沿った「強い」判断だったんでしょう、でも今回、これだけ世界中で流行しているのに6に上げるのは待ってくれって頼まれて足踏みしてます。定義上は十分に6なんでしょう。そこをこういう感情的社会的要求で曲げようとしている。国民の安全というのは具体的な対策(今回はビールス対策)と安心な気持ちの形成で成り立ちます。なるほど前者には科学的手法が要りましょう、スペイン風邪当時と変わらないでは困ります。が、後者は違います、人の気持ちは明治大正時代と変わりません。そして人は「科学的」に生きてはいません。迷信流言風評のなかで生きています。マスクが品切れになるってのは科学的ではないと嗤う事象ではなく、それだけ衛生観念が行き渡っていると読むべきでしょう。石油ショックの時にトイレットペーパーがなくなりましたね、あのレベルとは違うと思うのです。最悪の場面を殊更に強調して不安を煽るのが学者でありマスコミなんですが(悉皆主義の悪いところです)、全員に網をかける功罪は小はあなたの日常に、大はWHO会議に、どこにもみられる行政ジレンマなのですね。そう思うことです。
コメント
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