ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ペネデス幻の赤ワイン

2012-03-06 12:03:33 | ワイン&酒
スペインワインの話題をもうひとつ

先週の取材で、面白いスペインワインに出会いました。


GaiNtUs 2005 Heretat Mont-Rubi (カタルーニャ、アルト・ペネデス)

“スモイ”(Sumoll)という黒ブドウ品種100%でつくられた赤ワインです。
造り手は、スペイン北東部カタルーニャ地方のペネデスに1984年に創業した小規模ワイナリー
「エレタ・モン・ルビ」

カタルーニャ地方全体でも100ha未満しか栽培されていない在来品種スモイからつくられていますが、スモイ100%のワインは、世界で唯一この「ガイントゥス」だけ とのこと。
このワインに使われるブドウの樹齢は50年以上で、畑は標高400~500mにあります。

マロラクティック発酵後、300リットルのフレンチオーク樽で14カ月熟成させています。
飲んでみると、タンニン量が非常に多く、酸も豊かで、2005年というのにフレッシュさがあり、若さを感じます。アルコール13.5%。



Durona 2004 Heretat Mont-Rubi (カタルーニャ、アルト・ペネデス)

スモイ40%、カリニエナ30%、ガルナッチャ20%、シラー20%、メルロ10%。
こちらは、スモイを他の品種とブレンドした赤ワイン「ドゥローナ」。

酸味がイキイキとして、非常にフレッシュ。軽快でチャーミングな印象があり、これで2004年とは驚き!アルコール13.5%。



スモイの栽培面積が100haとわずかなのは、乾燥には強いけれど、収穫量が少なく、良質のワインにならない劣勢品種とされ、他の品種に植え替えられてきたからでした。

スモイ100%の「ガイントゥス」を飲んだ感じでは、もし単純につくれば、タンニンと酸が豊富で、色は濃くなるものの、糖度はそれほど高くならず、アグレッシブで粗野な赤ワインになりそうです。

それを、ガイントゥスは、タンニンと酸、果実味とのバランスを取り、品よく仕上げています。
ただし、まだまだ若い状態なので、もう少し熟成させてから飲んでみたいと思いました。

輸入元希望小売価格は、「ガイントゥス 2005」が8,000円、「ドゥローナ 2004」が3,800円。
8,000円!は大変いいお値段なので、かなり迷うところかもしれませんが、興味ある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?


(輸入元:ミリオン商事株式会社)


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