ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

健康にいい&おいしい“ブルーベリー”【前編】

2012-03-22 11:09:47 | おいしい食べもん
北米ハイブッシュブルーベリー協会の主催による「ブルーベリーレシピコンテスト」 が2012年2月に行なわれました。

それに伴い、先日料理王国アカデミーサロン(東京都港区)で開催された、優秀賞レシピの発表会&試食会 にお邪魔してきました。

その際に、来日した同協会のトマス・ペイン氏によるブルーベリーのプレゼンテーションがあり、それがとても興味深かったので紹介します。



ブルーベリーはヴァクシニウム属の植物で、全世界に数千種あるといわれます。
日本にも数百種あるそうですから驚きです。
ブルーベリーはカメリア(椿など)とも親戚とかで、意外なつながりに「へえ~」でした。

北米では、ハイブッシュブルーベリーローブッシュベリーの2種類が栽培されています。

ハイブッシュブルーベリー はcultivated (カルティベイティッド、栽培)品種のブルベリーで、背が高い灌木になります。
アメリカの34州とカナダの2州で栽培され、生または冷凍で流通されています。

ローブッシュブルーベリー はワイルドブルーベリーとして知られており、東部のメイン州やカナダの東部地域で生育し、ほとんどが冷凍で流通されます。


北米ハイブッシュブルーベリー 冷凍タイプ

栽培規模が大きく、広く流通しているのは ハイブッシュブルーベリー です。

ハイブッシュブルーベリーはアメリカ原産で、古くから自生していました。
それを商業用に栽培し始めたのは、100年前、ひとりの女性の功労があったからです。

東部のニュージャージー州にクランベリー農場を拓いたエリザベス・ホワイトさんは、家から農場に行く途中にある森にブルーベリーが自生しているのを見つけました。
そこで、このブルーベリーを栽培し、市場に届けられないだろうか?と考え、博士号を持つ役人(カバリー博士)の協力を得、ブルーベリー栽培に本格的に着手し始めました。
それが1912年、今からちょうど100年前のこと。

彼女は、鹿狩りのハンターたちに森でブルーベリーを探すように頼み、大きな粒のベリーを採ってきた人にはお礼の金額を高く支払いました。
そうして できるだけ大きな粒のものを集め品種改良に取り組みました
エリザベスさん、賢い!

また、エリザベスさんは土壌にも着目
多くの農民たちは、肥沃な土地にブルーベリーを植えて失敗しました。
しかし、彼女は、酸性のキツイ土壌、やせてサラサラした砂地、針葉樹の落ち葉が重なっているような土壌こそがブルーベリーに適していることを発見しました。

その結果、1916年には商業的収穫が可能になり、パック詰めされたブルーベリーが全米に出荷されました。



その頃、女性が農場を拓くことは稀なことでした。しかし、エリザベスさんはクランベリー農場だけでなく、ブルーベリー栽培にまで手を広げ、400人の労働者を抱えていたということですから、とんでもないバイタリティの持ち主です。

それから100年が経つ間に 品種改良 も進み、ハイブッシュブルーベリーはアメリカで年間22万6,750トン(2011年度予測)ブルーベリが生産され、栽培面積も生産量も年々増え続けています。
現在では、ブルーベリー農家は2600軒にもなるとか!

ブルーベリーの需要が大きく伸び始めたのは1980年代後半からで、20年間で4倍にもなりました。
今では、生産がなかなか追いつかない状態、とトマスさんは言います。

大人気の理由は、そのおいしさはもちろん、“健康効果” への期待があります。

ブルーベリーは古くからネイティブの人たちの伝統食でした。
実に星の形☆があるので、ブルーベリーは縁起がいい とされ、また、食べると目にいい ことを、彼らは当事から気付いていたようです。


☆の模様が見えます

ブルーベリーに多く含まれる アントシアニン は抗酸化、抗炎効果が高く、ベリー類にたくさん含まれる フラボノイド も抗酸化機能が高く、心臓病、脳梗塞、コレステロール値の低下、視力向上、脳の老化防止、アンチエイジング、運動能力低下防止、決定能力や判断力のスピードアップ、神経細胞の再生を促し、細菌癒着防止、血液サラサラなどの効果があるという研究報告がされています。

そうしたことから、ブルーベリーは さまざまな食品に混ぜ込まれ、ペットフードにまで入れられています。それはペットの健康を考えてのことですが、ペットの医療費は非常に高いので、ブルーベリーで事前にしっかり予防しよう!ということがあるようです(笑)

【後編】では、いよいよブルーベリーを使ったお料理を紹介します




コメント
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