ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

要チェック!スペインワインの「メンシア種」

2010-03-05 13:01:34 | ワイン&酒
スペインに留学している知人から、メンシアの赤ワインについて教えて、とメールが届きました。

メンシア(Mencia)といえば、カトリックの巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステラ(スペイン北西部ガリシア自治州の州都、世界遺産に認定)に向かう巡礼者たちによって、中世時代にイベリア半島にもたらされたとされているブドウ品種です。

スペインといえば、テンプラニーリョ種の赤ワインが有名で、人気も相変わらず高いですが、私がここ数年でよく耳にするなぁと思うのが「メンシア」です。

スペインワインの試飲会の取材をすると、
出展者から必ず「メンシア」の名前が注目品種として挙がってきます。

「色が濃いがソフトでやわらかなタンニンを持ち、また、酸がエレガントなため、食事とよく合う」というのです。



メンシアはスペイン北西部のガリシア州でも生産されていますが、最もいい結果を出している産地がDOビエルソです。

行政的には内陸部のカスティーリャ・イ・レオン州に入っていますが、西側がガリシア州のDOバルデオラスと接し、気候や景色はガリシアに近い地域です。

DOビエルソは、著名ワイナリーが進出したり、若手醸造家が活躍したりと(特に2000年以降)、かなり注目を浴びている産地で、ここでつくられるメンシア種のハイクラスワインも世界的に有名になってきました。


Flavium Mencia Crianza 2005 Vinos de Arganza

これは2年ほど前に私がソムリエ協会の機関誌で紹介したメンシア100%のワインで、専門誌での評価も高く、価格も魅力的。




本日まで開催されている「FOODEX JAPAN」でも、せっかくだからメンシアのワインをしっかり飲んでみようと、スペインブースに足を運んでみました。


Casar de Burbia のメンシア種ワインのラインナップ(ビエルソです)

比較的軽快なタイプ(左端)から(右に向かうにつれて)非常に凝縮感のあるタイプまで試飲してみました。



色は本当に濃く、でも、タンニンがギシギシせず、果実味と酸味とのバランスがよく、これは料理と一緒に楽しみたいタイプのワインですね。



TEBAiDA Mencia 2006 Casar de Burbia

最上級クラス(PAGO:単一畑)のもの。
凝縮感も素晴らしいですが、複雑味があり、余韻も非常に長い!
アルコール度数も高くなりますが、バランスがいいので、気になりません。


ワイナリーのフェルナンデスさんからお話を伺いましたが、
粘土、石灰質、スレートを含む土壌がメンシアの生育にいい ようです。

スペインの赤では、ビエルソのメンシアを、ぜひ覚えておくことをオススメします。

コメント (4)
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