拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

婚活を妨害する「おしん」/砲丸投げ

2021-06-11 10:20:27 | 音楽
「おしん」は、世界何十カ国で放送され、観た人が日本にもこんな貧しい時代があったのか、と共感し、日本に親近感を持った。そういう意味で、このドラマは外交的にとっても貢献した、と元外交官が言っていた。だが、同時に、このドラマは、婚活に励むもうまくいかず、海外に活路を見いだそうとする日本の独身男性へのただならぬ妨害となった。「新婚さんいらっしゃい」に出てきた外国人妻の証言である。このドラマを見て、日本人の男と結婚すると悲惨な目に遭う、と強く思ったのだという。無理もない。娘を奉公に出す父親、妹に冷たくあたる兄、姑のいびりから守ってくれないダメ亭主等々、ろくな男が出てこない。外国で婚活をする前に、その国でおしんが放送されたか否かのチェックが欠かせない。その「おしん」と同様、1年間続いた朝ドラである「君の名は」が放送されたのは「おしん」の8年後である。そのとき主演した鈴木京香が今日のアサイチのゲスト。この方の出演作で私が一番覚えてるのは「血と骨」。映画の冒頭に、北野武さんとのものすごい濡れ場があった。その鈴木京香さんは、中学のとき陸上部で、何をやっておられたのかと思ったら砲丸投げだって。砲丸投げと言えば、シズちゃんもそうだし、音楽仲間の某美女もそうである。私も中学のとき陸上部だったが、短距離専門で、砲丸投げは特に苦手だった。なのに、三種競技(短距離、走り高跳び、砲丸投げ)すべてで基準値を超えなければ出場できないって試合があって、そのとき、ちょびっと砲丸投げを練習したのだが、基準値を超えたところで顧問の先生が「はい、終わり」。成功したイメージを持ったところで切り上げるのがよい、と言うのがその先生の持論。だが、私はもっと練習したかった。で、本番。トライは3回。一投目、明らかな失投、ダメ。二投目、生涯で最高の出来、基準を遙かにクリア。喜びすぎて、地面のラインの前に出てしまい失格。やばい、もし次もダメだったらその日試合に出られない。自分がエントリーしている短距離のみならず、リレーにも影響が出る。人生でもっとも焦ったベスト5である。そして三投目、ぎりぎりで基準値を超えた。人生でもっともホッとしたベスト5である。それにしても危なかった。だから、もっと練習させてほしかったのだ。だが、練習をやり過ぎるとダメになるというのも真実である。歌いまくる会は、カンタータを3回通すが、2回目でうまくいったときの3回目はえてしてとちったりする。マラソン中継で解説をしている瀬古さんは、今でこそだじゃればかり言う面白いおじさんってキャラだが、私の年代では英雄だった(同じ大学の私よりちょっと上で、体育の授業のとき、先生と運動部の人が在学中の瀬古選手の噂話をしていた)。モスクワ五輪を日本がボイコットしなければ金メダル確実だった。その後のロス五輪で勝てなかったのは、練習のしすぎと聞く。瀬古選手と言えば、今の円楽師匠が楽太郎だった頃、瀬古選手に似てるというのをウリにしていたが、ロス五輪の後は、ウリにしなくなった。そう言えば、この方の落語を大学で聞いたことがある。高座に上がるや後ろの校旗に目をやって、「農協で一席やらせていただきます」とおっしゃったのをよく覚えている。校旗は大学名を表す稲のデザインだったから。