拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

武蔵野

2021-06-02 18:59:03 | 日記


用があって東久留米に行ったときのこと。さて、どうやって帰ろうか。来たのと同じルート(西武池袋線、山手線、千代田線)ならずっと都内だから知事様のご命令に背かずにすむ。だが、西武線で秋津まで行って、そこで武蔵野線に乗り、ぐるっと回って南流山でTXに乗り換えるという手もある。これだと、東京都から埼玉県、千葉県、再び埼玉県を経て東京都に入るから4回県境をまたくことになる。すなわち、4回、知事様のご命令に背くことになる。だが、こちらの方がはるかに密度は低い。知事様は許して下さるだろうか。いや、知事様が許してくれてもJ警察は許してくれないだろう。なにせ、だだっぴろい公道をマスクを付けずに走行する自転車のドライバーに「こらぁ、マスクをつけろ」とお怒りになる方々である。実際に密かどうか、感染の恐れがあるかないかということよりも、お上の命令に従ったかどうかということが最重要項目であられる方々である。いちど、「こらぁ」と大声を出されている方々に「飛沫っ」と声をかけてさしあげたいが、斬られるのはご免だからやめておく(どうも、J警察と新撰組と朝ドラ「カーネーション」に出てきた「全日本婦人会」の三人組がごっちゃになっている)。まあ、しかし、J警察の方々は夜出没されるらしい。まだ夕方だから大丈夫だろうと思って武蔵野線で帰ることにした。ささやかな旅気分を味わいたかったのである。途中で荒川を渡った。おおっ、このあたりの荒川は川幅が狭い。赤羽のあたりで荒川放水路と隅田川に分岐する前である。子供のように、座席から絶って窓に張り付いて写真を撮るワタクシ。



荒川を見られて満足である。さて、その後乗り換えたTXを某駅で下車。ここから自宅まで歩ける距離である。道すがら、飲食店が酒を出しているかどうかの取材をしたかったのもこのルートを選んだ理由である。なんと、多くの店がお酒を出してない。ここは、緊急事態宣言はおろか、マンボーの宣言も出ていないはず。にもかかわらず、知事様が控えてくれと要請をしているらしい。私は、こういうのが嫌いである。控えさせたいなら堂々と宣言を発令すればよい。それをしないでいながら「やめてね」というのはずるい。だが、多くの店は要請に従っている。きっと、言うことをきかないと後でいじめられるのであろう。私が見た中で、二店だけ、「1名様、または同世帯の二人に限ってOK」と書いた張り紙をしていた。当然である。お一人様が感染源になるはずがない(大声で独り言を言うなら別であるが)。同世帯の二人が夫婦ならこれも安全だろう。観光地で話をしない二人組がいたらそれは夫婦だというくらいである。飛沫がとぶ可能性は低い。不倫カップルだとちょっと危ないかもしれない。結局、お一人様OKの店にも入らず、かなりの距離を家まで歩いて帰宅。途中にドブ川にかかる橋がある(写真一枚目)。これが東京都と埼玉県の県境である。

武蔵野線と言えば、大昔、国木田独歩の「武蔵野」って小節を読んだことがある。内容はなにひとつ覚えてないが、作中の「武蔵野」は、今の代々木のあたりだ、と聞いた覚えがある。現在の武蔵野市はかなり西の方である。Wikiには「広辞苑によれば「埼玉県川越以南、東京都府中までの間に拡がる地域」であり、また広義には「武蔵国全部」を指すこともあるとされる」とあった。 その意味なら「武蔵野線」という名も納得である。なお、「同世帯ならOK」のお店の話だが、もし、私がそういうお店で誰かと二人でいたら、お相手は、世に憚る隠し妻か、あるいは、その時間限定でなっていただいた内縁の妻のいずれかである。