拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

仮面仙人

2024-09-02 11:29:02 | 日記

大河ドラマの前の「ダーウィンが来た」でエリマキトカゲが疾走する様子を映していて、「これは二本足で走っているんだ」と詳細に説明してるのを聞いて、このような説明が要るってことは、エリマキトカゲのCMを見てない人がそれだけ増えたってことなのだな、と、いつものように「How time flies!」の感想を持ったのだが、一点、二本足で走る理由について、獲物を見失なわないように視点を高くする必要があると言っていたことにアレ?と思った。CM当時は「二本足で走ってるときは怖くて逃げてるときだ」と言っていたように思う。例によって研究が進んで説が変わったということか。あらためて「How time flies!」である。

さて。その大河の話である。まひろ(紫式部)が弟から「陰気で暗い」と評されていた。陰気で暗いからいい文章を書けるのだろうか。だが、ライバル(と向こうが思ってるかどうかは分からない)の清少納言は陽気で明るそうである(演じたファーストサマーウイカもそんな感じである)。それでも枕草子を書いた。因みに、私見では、人間がする情報発進の総量は決まっていて、おしゃべりが増えると筆は鈍り、おしゃべりが減ると筆が進むと思っている。経験上そう思うのである。例えば、私はこの一週間誰とも口をきいてないからブログに書く量は相当に増えた。ってことは、もしブログが滞り気味になったら、それは愛人との和歌の交換に励んでいる証拠である(最近「源氏物語」づいている)。

あっ、一人だけ口をきいたっけ。マンションの入り口で見かけない人とすれちがったので「こんにちは」と挨拶をしたら無視された。最近、入居した人らしい。訳ありらしく会う人は全員敵の風情である。もちろん引越の挨拶なんかに来るはずがない。都会のマンションは今やそんな感じである。思えば、35年前私がこのマンションに入ったときは、同じ階段を利用する全戸に挨拶に行ったものである。いまや、下手にピンポンを押そうものならプライバシー侵害で訴えられそうである。奥地の一戸建てはそれとは正反対で、垣根の木を切ってくれと言ってきたりする(それはそれでコミュニケーションのきっかけになったりする)。どちらがいいかは人それぞれである。

どっちもイヤだから仙人になる?いや、私も仙人を自称しているが、これは、言うなれば「仮面仙人」である。チコちゃんで「人間はなぜ噂が好きか?」等のお題でよく登場する答が「人間は社会的動物だから」。なるほど。例えば、私は、人と口をきかなくともスーパーでお買い物をしている。人様から水や電気やガスの供給を受けている。だから、一人で生きているとは言えない。自信をもって「一人で生きている」と言えるのは、ロビンソン・クルーソー及びそれと同様の境遇にある人だけである。

と書きながら、ロビンソン・クルーソーって、離れ小島で一人ぼっちで暮らした人くらいしか知らないんだよな、実際、どんなだったんだろう?と思ってググってみた。するとウィキペディアに「この無人島(注:ロビンソン・クルーソーが上陸した島)には時々近隣の島の住民が上陸しており、捕虜の処刑及び食人が行なわれていた。ロビンソンはその捕虜の一人を助け出し、フライデーと名づけて従僕に」したと書いてある。なんとロビンソン・クルーソーですら一人ではなかったのである。まっこと、仙人への道は遠いと言うしかない。



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