拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ばしこぐでね

2018-03-29 18:38:04 | 言葉
ピエトロ(ドレッシング)のCMで佐々木希さんが「ばしこぐでね」と言っている。秋田弁で、「ばし」=「ウソ」、「こぐ」=「言う」で「ウソを言うな」という意味だそうだ。「ばし」については、はぁそうですか、と納得するだけ。気になったのは「こぐ」だ。元は「こく」なんだろうな。それが訛って「こぐ」になったんだろうな。それは想像がつく。しかし、「こく」=「言う」についてはすぐさま納得するわけにはいかない。なにか近い用法とかが身近にないものだろうか。まず思いついたのは「告る」。でも「告る」なんて言い方をし始めたのは最近のことだ。次に候補にあがったのが「扱(こく)る」。稲のようなものを狭いところにはさんでひきあげる=脱穀するという意味だそうだ。すると、扱って実がこぼれ落ちるようにウソがぼろぼろ出てくる感じなのだろうか。ちょっと無理だなぁ。調査続行。で、ようやく見つけたのが、「体から出る」という意味での「こく」。ウソは口から外に出る。これだ!そう言えばHE(ヘリウムではない)を「こく」と言うではないか。なぜ最初に気がつかなかったんだろう。ということで問題は解決した。HEといえば、中国語で「くまのぷーさん」を「○○○尼」というそうだが、私、最初この文字をちらっと見たとき「尼」を「屁」と見間違えて、そうか、だから「ぷーさん」か、非常に納得したのであった。

ベートーヴェンの交響曲と渚のシンドバッド

2018-03-29 08:42:58 | 音楽
二つ前の「ドンナ・ジョヴァンナ」は、自分としては近来稀にみる大傑作なのであるが、自分の意識と世の評価が一致するとは限らないのが世の常。ベートーヴェンも、「第7」が大人気なのに対して、「第8の方がずっといいのに」と言ったという。さて、私がピンクレディーの曲の中で「渚のシンドバッド」が大好きなのはイントロの振付けだと書いたが、イントロ自体も大好きである。なによりも、移動ドのドでドードーと始まる。こういう潔さは大好きだ。先にベートーヴェンについて触れた。ではベートーヴェンの交響曲のイントロはどうであろうか?渚のシンドバッドに共通するもの(=イントロが主調で始まるもの)には○を付け、そうでないものには×を付けよう。まず第1。ハ長調なのにヘ長調の属七和音で始まる(×)。第2。序奏が主調のニ長調で始まる(○。でも序奏が長いので「渚の」的ではない)。第3。きたー!序奏は(移動ドで)ドッ、ドッ(これだけ。「渚の」以上に「渚の」的。◎)。第4。変ロ長調なのに序奏は変ロ短調(×)。第5(運命)。序奏がない(比較のしようがないから無印)。第6はおいといて第7。序奏が主調のイ長調で始まる(○。第2と同様序奏が長いので「渚の」的ではない)。第8。序奏がない(無印)。第9。ニ短調だがラとミの中抜け和音(空虚五度)で始まる(×)。さて、問題は第6(田園)だ。八分休符の後、(実音で)ラ♭シレドー♭シラソド……といきなり主題が奏でられる。この点、同時代に作られた第5と同じ(初演では、田園が第5で運命が第6だった)。だが、実は低弦は、小節の頭からファー(移動ドでドー)と出ている。つまり八分音符分だけフライングをしているのだ。これをイントロと見るのなら○、主題の一部なら無印となる(主題の一部だろうね。イントロとみるのはかなり無理であった)。以上、あさましくも○×をつけさせていただいたが、これはあくまで渚のシンドバッドのイントロとの共通性についてであって、私の好き嫌いとは一切関係ない。好きなものに○というのであれば、全9曲が◎である。