拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ヴァーグナーを聴いて狂人になる

2018-03-27 08:40:25 | 音楽
BSで放送された「海街diary」を観る。なんだか感動してしまった。菅野よう子さんの音楽もよかった。淡々と進行する物語にひっそりと寄り添う音楽であった。ときどき、あれ?これマーラーの5番のアダジェット?と思うことがあった(でも違った)。因みに、今やってる朝ドラ(今週でおしまい)のご都合主義は目にあまるものがある。息子を戦争にとられて決して笑わなくなった西川きよしさん(が演じるじーさん)が、ヒロインの「笑う門には福来たる」の一言でけらけら笑い始める。からくり人形かっ?そしてそこにかぶさる音楽がさも感動的でしょ?と言わんばかり(押しつけがましい。朝ドラの音楽は、作曲者が予め作っておいたパターンの中からディレクターが選択するから、責任はディレクターにある)。燃えさかる寄席に飛び込んでいって中で倒れて動けなくなったら即一酸化炭素中毒だろうに(ひょっこり戻ってきた)。そんなに文句を言うんだったら観なきゃいいのにと思うかもしれないが、いや、リリコが可愛いのだ(因みに、いつもヒロインの傍らにいる徳永エリさんも趣味なのだ)。そのリリコを演じるのは広瀬アリスさん。一般では、妹の広瀬すずさんが先で、で、アリスさんが妹に似てるということらしいが、私、寡聞にしてこの姉妹のことを知らなかった。だからリリコのアリスさんが先で、昨日の「海街」に出てたすずさんに必死にアリスさんの面影を探したものである。さて、「今の朝ドラの音楽が押しつけがましい」と書いたが、押しつけがましいのもヴァーグナーくらい徹底すると、調教に屈した猿のごとく「ははー、まいりました」となる。こないだのソロ・コーナーでちびっと歌ったラインゴルトのエンディングなんか同じ「タンタタタターン」を何度繰り返すことか。そのうち毒が回ってきて「まいりましたー、ゆーことききまーす」になるのだ。「ドグラ・マグラ」を完読して狂人になるという噂があるが、これは出版されたときの本の帯に書いてあった文句だというから信憑性にはとぼしいが、ヴァーグナーを聴くと間違いなく狂人になる。だから私は狂人である(この表現は「ドグラ・マグラ」の影響)。とか言って、ロッシーニも大好きなコウモリ野郎である(何でも食う雑食性である)。そうだ!「ランスへの旅」(ロッシーニ)の第1幕のエンディングの重唱をソロ・コーナーでやろうか!?あれは楽しいぞ。