拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「夕べの祈り」(の話がいつのまにかバッハの話になる怪)

2018-03-15 18:17:12 | 音楽
パラリンピックで金メダルを獲った村岡桃佳選手は早稲田大学の学生だそうだ。トップアスリート入試で早稲田に入ったそうだ。早稲田は素晴らしい学生を獲った。私は大学のスポーツ選考は大賛成。なにも机の上で勉強するばかりが学問ではない。アスリートは自らの体でスポーツ科学を実践してるんだから偉いものだ。最近は「いい歌はスポーツをする体から流れ出る」とすら感じる。私は自転車をこぐことくらいしかしてないが。そういえば、大昔、江川投手が高校を卒業するときドラフトのせいで巨人に行けなかったのでKOの試験をいくつか受けてどれも不合格になったっけ(因みに、私の合唱仲間にはKOのOBが結構いる)。さて。ずいぶん「ヘンゼルとグレーテル」(オペラ)の話を書いたが、次を最後にしよう(ホントかな)。楽しいメロディー満載のこのオペラの中で、異彩を放つ祈りの二重唱。中間部で歌われる「Abendsegen」(夕べの祈り)だ。なんてきれいなんだろう。心が洗われるよう。「Abends will ich schlafen gehn(夜、眠りにつく。♪(移動ド)ドーミーミーソーラーソーソー)Vierzehn Engel um mich stehn(14の天使が私の回りに立っている。♪ドーソーソーミーミーレドレー)……って感じ。「14」!合唱仲間が「バッハだ」と反応している様が目に浮かぶ(アルファベットの順番はB=2、A=1、C=3、H=8で全部足すと14)。

スカートをはいたブリギッテ・ファスベンダー

2018-03-15 08:33:20 | 音楽
パラリンピックのスキーの選手は、スキーをはくと健常者の何倍も速い、雪原で追いかけっこをしたら普通の人は絶対適わない、すごい、と思った。さて。「ヘンゼルとグレーテル」(オペラ)の私のお奨めのヘンゼルはブリギッテ・ファスベンダー。その相手役(グレーテル)は、映像ではグルベローヴァだがCDではルチア・ポップ(指揮はどっちもショルティ)。グルベローヴァとルチア・ポップなんて私にとってはまるでサ○○○ヤかガ○ト!(「大好き」という意味ですから。念のため)。その偉大なプリマたちをとっかえひっかえ相手としたブリギッテ・ファスベンダーは、ズボン役で一時代を制した名メゾ・ソプラノ。この人がオクタヴィアンを演じると、冒頭のベッド・シーンなんかも、ホントは女+女だから「危険」はないはずなのに実に怪しくなる。ゾフィーのルチア・ポップと二人でカーテン・コールに出てきて頬を寄せてたりすると「あー、ポップがファスベンダーに食われる~」と叫びたくなる。しかし、この人は実にレパートリーの広い人だったから、女性の役だって歌う。ベームが最後に録音したコシのレコード・ジャケットのファスベンダーはスカートをはいてるし、なにより私が唯一ファスベンダーを生で聴いたときの曲が「冬の旅」で、選曲はさすがファスベンダー!なのだがドレスを着ててなんか変な感じがした。さて、そんなファスベンダーは、今ではオペラの演出家になっている。騎手が調教師になったようなものだ。この道でも相当成功したようで、現在、いろんな劇場や音楽祭の総裁を務めてる。最近、顔をみるとすればインタビュー。こないだもグルベローヴァと2ショットで昔話をしていた。それがまさに「ヘンゼルとグレーテル」の話。件のビデオを撮影したときが40歳くらいのときで、限界だったらしく、それが最後のグレーテルになったと言ってた。