拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

山に逃げる

2018-03-09 09:27:49 | 日記
その「ひまわり」には、劇中、男(マストロヤンニ)が兵役を回避するために頭がおかしくなったフリをするシーンがある。結局、ソフィア・ローレン扮する妻との面会の様子を官憲に盗み見されて、ウソがばれて前線に送られるのだが、でも、「非国民」と罵られたりはしない。戦前の日本なら官憲が袋だたきにしてそうだ。日独伊の三国同盟の中でもまっさきに降伏したのがイタリア。なもんだから、独日で「今度はイタリア抜きでやろうぜ」という話になるのだが、人や財産を守るという観点からいけばイタリアが一番スマートだ。それでも、日本にも兵役を逃れるために「醤油を飲んだ」人がいると聞いた。醤油をたくさん飲むと体をこわして徴兵検査で不合格になったそうだ。この話は小学校の担任の先生から聞いた。で、その先生が私たちに向かって「いざ戦争になったら君達が山に逃げてしまうんじゃないかと先生は心配だ」と言うので、私たちが「じゃ、先生は?」と聞くと、「そりゃ、先生(自分のこと)はお国のために精一杯戦うさ!」と威勢のいいこと。私、子供心に、『日本は戦争をしない国になったはずなのに先生がこんなことを言っていいのか?』と思った。今先生がそんなこと言ったらネットで拡散されて大騒ぎだろう。当時(昭和30年代)、戦後まだ20年経っていなかった。だから、まだ軍国青年から抜けきれない人がいたってわけだ。しかし、担任が軍国青年でも、生徒が軍国少年になることはなかった。先生にそう言われたとき、子供達は口々に「山に逃げる」と言った。私も、とっさにどこの山がいいかを考えた。私が育ったあたりは、今のズーラシアの近くで逃げ込むには適当な山がたくさんあったので。その点、都会の子供たちは困ったろう。逃げ場がなくて。

「ひまわり」と「シェルブールの雨傘」

2018-03-09 09:27:09 | 音楽
こないだ久しぶりに映画「ひまわり」をBSで観た。イタリア語の題名は「girasoli」(girasoleの複数形)。「girare」(曲がる、回転する)の「gira」+「太陽」=「ひまわり」。なるほどね。日本語の「ヒマワリ」も「日回り」からきたというし、「ひまわり」を変換すると「向日葵」になるもんね。因みに、発声の技術に「ジラーレ」(声を回す)というのがあるそうだ。音楽はマンシーニ(映画音楽の名曲を星の数ほど作っている)。それではヒマワリのテーマを歌ってみよう。(移動ド)♯ファソ♮ファー♭ミーレドシド……あれ?これは違うぞ。♯ファソで入るのは同じなんで間違っちまった。正しくは、♯ファソドー♭ミソー♭ラファ……だ。間違った方はなんだっけ。この後、曲名探しの旅が始まった。まず『「♯ファソ」で始まる曲』でぐぐったら、『「♯ファソ」で始まる曲』に取消ラインの付いた検索結果がいくつかヒットした。あのね、そのキーセンテンスを抜かれちゃったら検索にならないでしょ(怒)。検索は断念。必死に「うーんうーん」と考えてみる。おっ、突然頭の中の豆電球が光った。「シェルブールの雨傘」だ!おおっ、戦争ですれ違うことになった人生って「ひまわり」と同じじゃんけ。