麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第439回)

2014-07-05 21:48:45 | Weblog
7月5日

中学時代に見た「ソイレント・グリーン」というSF映画のDVDが1000円だったので買ってきて40年ぶりに見ました。当時の世の中の雰囲気を思い出しました。同時期の「ポセイドン・アドベンチャー」や「ジャガーノート」などと比べてテレビの映画劇場などで取り上げられることが少なかったのは、やはり人肉食がテーマだからでしょうか。詳しくは覚えていなかったけど、「ソイレント~」が一番怖かったという印象がありました。いま見ると、そう感じた理由は明らかです。それはこの映画に救いがないから。たぶん14歳の自分はその暗い世界観を消化できなかったのでしょう。監督は「ミクロの決死圏」「ボストン絞殺魔」と同じ人とのこと。そういうデータを知って見直せば、ベートーヴェンの「田園」を流しながら自然の風景を映したりするのは当時流行の手法だというような事実が見えてきますが、私は映画を(文学や音楽とは違い)純粋に楽しむジャンルと決めているのでそれ以上なにも考えないことにします。しばらくしたらもう一度見ようと思います。

パスカルの「イエス・キリストの生涯の要約」が単行本になっているのを東京堂で見つけて買いました(2013年刊)。現在白水社から刊行中(全六巻なのに二冊出ただけで二十年近く止まっている事業)のメナール版パスカル全集から取られたもの。四福音書の異同部分を矛盾なく編年体で総合した「パスカルによる福音書」と呼べるものです。まさかパスカルの新刊が出ているとは知らなかったのでとてもうれしいです。
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