麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第312回)

2012-01-29 22:17:17 | Weblog
1月29日


昔出ていた講談社文庫の「出口/廃墟の眺め」(吉行淳之介)の、「流行」と「曲がった背中」を読みました。とてもよかったです。吉行淳之介の小説は、そのすべてが好きではありませんが、好きなものもあります。この2編は違いますが、子どもの頃のことを書いたものはどれも好きです。

この文庫本はもともと高校の同級生で上智大学の法学部に進んだNのものでした。日本の小説家のことは私よりはるかに詳しかったと思います。市谷台町に住み、夏目坂に下宿していた私と毎日のように行き来していた時期もあります。たぶん、どこか天才的な人間だったのだろうと思います。私には理解できないところもたくさんありました。「風景をまきとる人」の中に、油尾が、「子どもの頃、親子三人で川の字になって寝ている時に、横向きの楽な姿勢をとれずに苦悩していた」というエピソードを語る場面があるのですが、この話はNの体験です。

入学して三年目か四年目(こういう言い方をするのは、二人とも留年していたからです)、ある晩、いつものようにやってくると、「俺、洗礼を受けたよ」と言って、そのまま帰っていきました。以来、誰もNの消息を知りません。



では、また来週。

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生活と意見 (第311回)

2012-01-21 19:42:44 | Weblog
1月21日


読書をする時間もありません。

そうだ。以前書いた「唐代伝奇」の「人虎伝」だけ、寝る前に読み返しました。中島敦の「山月記」のもとになった短編です。



では、また来週。

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生活と意見 (第310回)

2012-01-14 10:20:13 | Weblog
1月14日


柴田元幸訳「エスキモーとの戦争前夜」「笑い男」を読みました。
両作とも、野崎孝訳とあわせると、30回以上読んでいますが、何度読んでも最高ですね。

では、また来週。
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生活と意見 (第309回)

2012-01-07 21:14:22 | Weblog
1月7日

新潮文庫の「山椒魚」(井伏鱒二)が改版になりました。



では、また来週。



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