3月26日
去年から月に一冊ずつ出ている、集英社文庫「明智小五郎事件簿 全12巻」。明智が登場する長・短編を(大人ものも少年探偵ものもあわせて)事件発生順にならべたという新編集で、出るたび強い誘惑を感じ、同時に「いや、だめだ。そんな小遣いの余裕はない」と自分をいさめてきましたが、とうとう誘惑に負けました。D坂の殺人事件→幽霊→黒手組→心理試験→屋根裏の散歩者を2時間で読み、一寸法師→何者を3時間ぐらいで読みました。ああ……いいですね。ご存知のようにD坂のときは、金田一耕助と区別できないような雰囲気の明智が徐々におしゃれな紳士になっていく。いまはまだその過渡期ですが、やがて10巻の「少年探偵団」では、「明智先生、ばんざーい」の国民的ヒーローになるわけです。ああ、それにしても……完全に集英社文庫の編集者にやられましたね。こんなやり方があるなんて。カバーの感じも、乱歩本に多いおどろおどろしい感じとは違っていて、私はとてもいいと思います。ますます万葉集に戻るのが遅くなりそうです。
去年から月に一冊ずつ出ている、集英社文庫「明智小五郎事件簿 全12巻」。明智が登場する長・短編を(大人ものも少年探偵ものもあわせて)事件発生順にならべたという新編集で、出るたび強い誘惑を感じ、同時に「いや、だめだ。そんな小遣いの余裕はない」と自分をいさめてきましたが、とうとう誘惑に負けました。D坂の殺人事件→幽霊→黒手組→心理試験→屋根裏の散歩者を2時間で読み、一寸法師→何者を3時間ぐらいで読みました。ああ……いいですね。ご存知のようにD坂のときは、金田一耕助と区別できないような雰囲気の明智が徐々におしゃれな紳士になっていく。いまはまだその過渡期ですが、やがて10巻の「少年探偵団」では、「明智先生、ばんざーい」の国民的ヒーローになるわけです。ああ、それにしても……完全に集英社文庫の編集者にやられましたね。こんなやり方があるなんて。カバーの感じも、乱歩本に多いおどろおどろしい感じとは違っていて、私はとてもいいと思います。ますます万葉集に戻るのが遅くなりそうです。