6月25日
「雲は天才である」読了。おもしろかったです。個人的には「葬列」の題材が好きです。また「鳥影」はラブコメのようで、とても現代的な感じがしました。ただ、鷗外の「青年」などもそうですが、登場人物の動きが舞台の芝居めいていてなにか人工的な感じがする。――漱石作品にはそんなことはまったく感じません。作りに作った「虞美人草」でさえ、芝居めいているとは感じません。――ひさしぶりに啄木を読んだので、私の中の啄木熱が上がり、続けて「食(くら)うべき詩」を再読(再々読?)しました。啄木に完全に賛成です。食うべき小説。それだけが自分の書きたいものなので。「風景をまきとる人」はまさに「食うべき小説」を目指した作品です。結果はうまくいかなかったのかもしれませんが、志だけは(私としてはめずらしく)貫いたつもりです。こころざし……。――啄木を読むと使う言葉まで青年時代に戻っていくようです。
「雲は天才である」読了。おもしろかったです。個人的には「葬列」の題材が好きです。また「鳥影」はラブコメのようで、とても現代的な感じがしました。ただ、鷗外の「青年」などもそうですが、登場人物の動きが舞台の芝居めいていてなにか人工的な感じがする。――漱石作品にはそんなことはまったく感じません。作りに作った「虞美人草」でさえ、芝居めいているとは感じません。――ひさしぶりに啄木を読んだので、私の中の啄木熱が上がり、続けて「食(くら)うべき詩」を再読(再々読?)しました。啄木に完全に賛成です。食うべき小説。それだけが自分の書きたいものなので。「風景をまきとる人」はまさに「食うべき小説」を目指した作品です。結果はうまくいかなかったのかもしれませんが、志だけは(私としてはめずらしく)貫いたつもりです。こころざし……。――啄木を読むと使う言葉まで青年時代に戻っていくようです。