麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第569回)

2017-06-25 20:49:20 | Weblog
6月25日

「雲は天才である」読了。おもしろかったです。個人的には「葬列」の題材が好きです。また「鳥影」はラブコメのようで、とても現代的な感じがしました。ただ、鷗外の「青年」などもそうですが、登場人物の動きが舞台の芝居めいていてなにか人工的な感じがする。――漱石作品にはそんなことはまったく感じません。作りに作った「虞美人草」でさえ、芝居めいているとは感じません。――ひさしぶりに啄木を読んだので、私の中の啄木熱が上がり、続けて「食(くら)うべき詩」を再読(再々読?)しました。啄木に完全に賛成です。食うべき小説。それだけが自分の書きたいものなので。「風景をまきとる人」はまさに「食うべき小説」を目指した作品です。結果はうまくいかなかったのかもしれませんが、志だけは(私としてはめずらしく)貫いたつもりです。こころざし……。――啄木を読むと使う言葉まで青年時代に戻っていくようです。
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生活と意見 (第568回)

2017-06-18 17:54:22 | Weblog
6月18日

講談社文芸文庫から啄木の「雲は天才である」が出ました。私が東京にきてすぐのころはまだどこの本屋にもあった、角川文庫版を底本にした小説集です。なつかしい。先週、じじいなのに「大人になりたくない」などとほざきましたが、「だったら、もう一度この本を読めよ」と言われたような気がしました(もちろん、気のせいでしょうが)。啄木の場合、日記がすぐれた私小説になっていて(読めるものは全部読みました)、迫力という点からすると小説は劣っているのかもしれませんが、短歌にも日記にもない啄木のユーモアが感じられて私はとても好きです。興味のある方は見てみてください。
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生活と意見 (第567回)

2017-06-11 16:45:48 | Weblog
6月11日

「人間豹」、読み終わりました。これもちょっとわかりませんでした。女性作家の解説を読むと「なるほど女の人はそう感じるのか」と思いましたが共感はできませんでした。
若い頃一緒に仕事をしていた女の人が「子供のころは早く大人になりたくてしかたなかった」というのを聞いて自分と真反対だと思いました。老人になったいまも大人にはなりたくないと思っています。私の場合、その強い思いが酒を飲めないことや魚介類を受けつけないことにつながっているのだと思います。乱歩はやはり大人の作家なのですね。
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生活と意見 (第566回)

2017-06-04 21:08:56 | Weblog
6月4日

キンドル版「風景をまきとる人」、どなたにも読んでいただきたいです。
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