6月29日
立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
ひさしぶりに2日間、部屋からほとんど出ないで過ごせました。
ただ、やはり天候のせいか、更年期のせいか、心はあいかわらず不調です。
☆
角川文庫から、フィッツジェラルドの「夜はやさし」(上・下)と「ラストタイクーン」が改版になって再発されました。「夜はやさし」は、集英社の単行本が出たのに合わせたタイミングになりました。偶然なのでしょうか。
また、新潮文庫からは、ドストエフスキーの「未成年」が復刊になりました。これも改版されているのでとても読みやすい字の大きさです。
「未成年」は、私が大学に入ったころには、普通に売られていた本ですが、なぜかその後絶版になっていました。今回の復刊は25年ぶりくらいのことだと思います。これでひさしぶりに五大長編が新潮文庫で読めるようになりました(「未成年」は、ほかに岩波文庫の米川正夫訳がいまでも手に入るはず)。
五大長編の中で、「未成年」だけは、いままで一度しか読んだことがありません。それでもこの物語の雰囲気はどういうものだったか、すぐに思い出すことができます。これは、ある意味、ドストエフスキーの「ライ麦畑~」とも呼べる作品です。ただ、50歳代の作家が、21歳の主人公の手記という設定で書いているために、「これくらい無軌道な書き方のほうが若者としてリアルだろう」という作者の狙いがあるのか、どこかまとまりがなく、途中で読むのがつらくなったのを覚えています。しかしまた、その、手記そのものを提出して小説だとするところに、後のヘンリー・ミラーのような、新しい小説のプロトタイプを感じたことも覚えています。私も、もう一度読んでみようと思います。
「ラストタイクーン」が私は好きなのですが、読んだのは、70年代終わりから刊行されていた集英社世界文学全集で、角川文庫版ではありません。角川版は、正直ちょっと読みづらいです。でも、本当におもしろい小説です。あとがきを見ると修整が入っているそうなので、読みやすくなっているかもしれません。
そうだ。角川文庫からは、好色五人女の新版も出ました。このところ、文庫界はかなり充実しているようです。
それにしても「闇の奥」はまだ出ないのでしょうか。
本当の狂人の話を読めば、自分の症状が軽くなるのでは、という期待は日増しに強くなっていきます。
では、また来週。
立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
ひさしぶりに2日間、部屋からほとんど出ないで過ごせました。
ただ、やはり天候のせいか、更年期のせいか、心はあいかわらず不調です。
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角川文庫から、フィッツジェラルドの「夜はやさし」(上・下)と「ラストタイクーン」が改版になって再発されました。「夜はやさし」は、集英社の単行本が出たのに合わせたタイミングになりました。偶然なのでしょうか。
また、新潮文庫からは、ドストエフスキーの「未成年」が復刊になりました。これも改版されているのでとても読みやすい字の大きさです。
「未成年」は、私が大学に入ったころには、普通に売られていた本ですが、なぜかその後絶版になっていました。今回の復刊は25年ぶりくらいのことだと思います。これでひさしぶりに五大長編が新潮文庫で読めるようになりました(「未成年」は、ほかに岩波文庫の米川正夫訳がいまでも手に入るはず)。
五大長編の中で、「未成年」だけは、いままで一度しか読んだことがありません。それでもこの物語の雰囲気はどういうものだったか、すぐに思い出すことができます。これは、ある意味、ドストエフスキーの「ライ麦畑~」とも呼べる作品です。ただ、50歳代の作家が、21歳の主人公の手記という設定で書いているために、「これくらい無軌道な書き方のほうが若者としてリアルだろう」という作者の狙いがあるのか、どこかまとまりがなく、途中で読むのがつらくなったのを覚えています。しかしまた、その、手記そのものを提出して小説だとするところに、後のヘンリー・ミラーのような、新しい小説のプロトタイプを感じたことも覚えています。私も、もう一度読んでみようと思います。
「ラストタイクーン」が私は好きなのですが、読んだのは、70年代終わりから刊行されていた集英社世界文学全集で、角川文庫版ではありません。角川版は、正直ちょっと読みづらいです。でも、本当におもしろい小説です。あとがきを見ると修整が入っているそうなので、読みやすくなっているかもしれません。
そうだ。角川文庫からは、好色五人女の新版も出ました。このところ、文庫界はかなり充実しているようです。
それにしても「闇の奥」はまだ出ないのでしょうか。
本当の狂人の話を読めば、自分の症状が軽くなるのでは、という期待は日増しに強くなっていきます。
では、また来週。