麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第442回)

2014-07-28 00:09:33 | Weblog
7月28日


「肖像」(丸谷訳)は、新潮文庫では絶版になっていました。やはりちゃんと版元の間でやり取りがあるんですね。これで新潮文庫の「肖像」はまぼろしの作品になりました。復刊になることはまずないでしょう。

筑摩が昔出していた「古典日本文学(現代語訳のみ収録)」の「井原西鶴集」が上下で600円で古本屋に出ていたので買ってきて「好色五人女」をひさしぶりに読みました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第441回)

2014-07-19 06:08:09 | Weblog
7月19日

集英社文庫から「若い藝術家の肖像」が出ました。丸谷訳です。加藤光也訳ではないのがかなり残念ですが。これで新潮文庫の「肖像」にあまり価値がなくなったような気もします。

第一章を読んで、いまさらながらジョイスは天才だと思いました。圧倒的ですね。これが読まれなくなるときは人間が滅びるときでしょう。いまの職業作家など全員失せろ、という感じです。「文章がすごい」。「作者の感性が」。そういうくそ次元の「文学的」な会話や思考。死にさらせ。まあどうでもいいことですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第440回)

2014-07-13 20:50:14 | Weblog
7月13日

新訳文庫から「郵便配達は二度ベルを鳴らす」が出ました。来月は新潮文庫からも同作の新訳が出る予定。いちおう頭だけ読んだのですが、なんとなく気に入らないのでやめました。新潮文庫を待ってみます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第439回)

2014-07-05 21:48:45 | Weblog
7月5日

中学時代に見た「ソイレント・グリーン」というSF映画のDVDが1000円だったので買ってきて40年ぶりに見ました。当時の世の中の雰囲気を思い出しました。同時期の「ポセイドン・アドベンチャー」や「ジャガーノート」などと比べてテレビの映画劇場などで取り上げられることが少なかったのは、やはり人肉食がテーマだからでしょうか。詳しくは覚えていなかったけど、「ソイレント~」が一番怖かったという印象がありました。いま見ると、そう感じた理由は明らかです。それはこの映画に救いがないから。たぶん14歳の自分はその暗い世界観を消化できなかったのでしょう。監督は「ミクロの決死圏」「ボストン絞殺魔」と同じ人とのこと。そういうデータを知って見直せば、ベートーヴェンの「田園」を流しながら自然の風景を映したりするのは当時流行の手法だというような事実が見えてきますが、私は映画を(文学や音楽とは違い)純粋に楽しむジャンルと決めているのでそれ以上なにも考えないことにします。しばらくしたらもう一度見ようと思います。

パスカルの「イエス・キリストの生涯の要約」が単行本になっているのを東京堂で見つけて買いました(2013年刊)。現在白水社から刊行中(全六巻なのに二冊出ただけで二十年近く止まっている事業)のメナール版パスカル全集から取られたもの。四福音書の異同部分を矛盾なく編年体で総合した「パスカルによる福音書」と呼べるものです。まさかパスカルの新刊が出ているとは知らなかったのでとてもうれしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする