11月30日
レグルス文庫の「ラーマーヤナ」をおよそ30年ぶりに読みました。続けて同文庫の「マハーバーラタ」を読んでいます。こちらは10年前、入院中に読んで以来。どちらも本当にいいですね。「マハーバーラタ」は、2002年にちくま学芸文庫で全訳が出始めて、2巻までは買ったのですが、まったく読んでいませんでした(その後、訳者が亡くなって中断したと知りました)。「一度は読んでおきたい古典」と、若いころから考えていたので、入院する前日、(肺ガンだと信じていてもう出てこれないだろうと思ったので)「全訳は無理だからせめて縮訳版を読んで死のう」と、レグルス文庫版全3巻を紀伊国屋で買いました(その時の店内の雰囲気を昨日のことのように覚えています)。「マハーバーラタ」は、現代なら、小説、伝記、漫画、映画、演劇、音楽(詩の韻律)、哲学として独立していたかもしれない多くの要素をごった煮にしたような本。でも、主軸は、対立する王族、パーンドゥ家とクル家の、やったやられたの復讐劇になっていて、「結局どうなるんだろう」という興味で読み手を引っ張っていきます。構造としては、「話を終えたらシェヘラザードはどうなってしまうのか」がずっと興味を引き続けるアラビアンナイトと同じ「額縁小説」ということになるんでしょうね。解説書を立ち読みすると、たいてい「たくさんの、人生の教訓が含まれている」と書いてありますが、もっとくだけたところも多く、子供にはヒーローものやSFのような楽しみを、若者には恋愛、ときには官能小説のような楽しみを、年寄りには教訓と若い頃の思い出にひたる楽しみをと、全世代にアピールするものを持っていると感じます。今回、読み直すと決めて、ほかに手ごろな訳書がないかと探したのですが、もともと少ないのにほとんどが絶版で、このレグルス文庫の「マハーバーラタ」もなぜか絶版になっています。これでは近づこうにも道がありません。レグルス文庫もそうですが、ちくま学芸文庫版の復活をぜひ期待したいところです。
レグルス文庫の「ラーマーヤナ」をおよそ30年ぶりに読みました。続けて同文庫の「マハーバーラタ」を読んでいます。こちらは10年前、入院中に読んで以来。どちらも本当にいいですね。「マハーバーラタ」は、2002年にちくま学芸文庫で全訳が出始めて、2巻までは買ったのですが、まったく読んでいませんでした(その後、訳者が亡くなって中断したと知りました)。「一度は読んでおきたい古典」と、若いころから考えていたので、入院する前日、(肺ガンだと信じていてもう出てこれないだろうと思ったので)「全訳は無理だからせめて縮訳版を読んで死のう」と、レグルス文庫版全3巻を紀伊国屋で買いました(その時の店内の雰囲気を昨日のことのように覚えています)。「マハーバーラタ」は、現代なら、小説、伝記、漫画、映画、演劇、音楽(詩の韻律)、哲学として独立していたかもしれない多くの要素をごった煮にしたような本。でも、主軸は、対立する王族、パーンドゥ家とクル家の、やったやられたの復讐劇になっていて、「結局どうなるんだろう」という興味で読み手を引っ張っていきます。構造としては、「話を終えたらシェヘラザードはどうなってしまうのか」がずっと興味を引き続けるアラビアンナイトと同じ「額縁小説」ということになるんでしょうね。解説書を立ち読みすると、たいてい「たくさんの、人生の教訓が含まれている」と書いてありますが、もっとくだけたところも多く、子供にはヒーローものやSFのような楽しみを、若者には恋愛、ときには官能小説のような楽しみを、年寄りには教訓と若い頃の思い出にひたる楽しみをと、全世代にアピールするものを持っていると感じます。今回、読み直すと決めて、ほかに手ごろな訳書がないかと探したのですが、もともと少ないのにほとんどが絶版で、このレグルス文庫の「マハーバーラタ」もなぜか絶版になっています。これでは近づこうにも道がありません。レグルス文庫もそうですが、ちくま学芸文庫版の復活をぜひ期待したいところです。