麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第717回)

2020-11-23 20:22:14 | Weblog
11月23日

1週あいてすみません。どうもやっぱり見えにくいですね。

目のことを電話で、宮島さんに伝え、まあそれについてはやれることをやるしかないという当たり前の話になっただけですが、そこから入院や保険の話になりました。彼も少し前、わずかな日にちですが入院していたことがあって、そのときの入院費はすべて保険で戻ってきたとのこと。私にも二度ほどそういう経験があります。それも当たり前のこと。でも、それを話している自分たちの口調が、私にはとてもおもしろくて、あとで一人で笑ってしまいました。なんというか、二人でそういう話をしていると、いつのまにか、「ものすごい手品を見た」とか、「超常現象を見た。すごいんだぜ」と、自慢しあっているような感じになってしまう。それは、われわれが、多くの人が現実と呼んでいるものをまるで夢のようだと感じて生きている証拠です。見よう見まねで保険料を払ってはいても、その効果はまるで信じていない。見よう見まねで働いたりすることと同じで、どうやらこういうふうにするのが生きるための儀式らしい、と感じてやっているだけのこと。そういうふうにやっていれば、多くの人の中で怪しまれずにすむという、元々ただそれだけの投げやりな処世術なのです。だからそれの効果を知ったとき、奇跡が起きたように驚いてしまう――といってもあくまで夢の中で驚いている感じなのですが。――では、われわれにとっての現実とはなにか。それは「裏山」であり、「風景をまきとる人」――多くの人にとって夢のような、おそらくは無意味な世界なのです。
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生活と意見 (第716回)

2020-11-08 20:27:32 | Weblog
11月8日

どうも右目がおかしいと思っていたら、このままでは失明するとのこと。老いが原因のようです。とりあえず、「地球の思い出」をなんとか正月休みのうちに電子書籍にしたいと思います。今度こそ。

新潮文庫の三島由紀夫の本が新しいカバーになり、解説も一新されたようです。一番期待したのは「仮面の告白」なのですが、これはカバーが好きではなかったので買いませんでした。とてもひさしぶりに(三島の)文庫新刊も出ています。今月25日は憂国忌ですね。大阪万博から50年。無駄に生きています。
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生活と意見 (第715回)

2020-11-01 23:34:58 | Weblog
11月1日

新訳「ラスト・タイクーン」、最初の章を読みました。すごく読みやすいです。

いま、「友だち」を書き進めたい気持ちになっているのですが、飯を食うために明日も仕事に行かねばならず、行けば疲れ果てて書くことなど考えられなくなり、また一週間が過ぎ、一カ月が過ぎ、一年が過ぎることでしょう。才能のない人間には機会さえ訪れてこない。私にとって人生はそれだけのものでした。
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