麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第151回)

2008-12-21 20:32:48 | Weblog
12月21日


立ち寄ってくださって、ありがとうございます。

自分の脳がちゃんと動いているかどうかは、ギターを弾いてみると、たちどころにわかります。何十年も前から弾いている曲でも間違えることがあって、そんなときは自覚がなくても、脳が不調なのだとわかります。原因は疲れですから、そういうときにはもう少し眠ることにしています。すると脳がよみがえって、同じ曲をいつものとおり弾くことができます。

脳の調子がよくないまま弾くと、マイナーコードの暗い曲はベタベタに暗く重くなって、弾くのがつらくなってしまいます。逆に脳の調子がいいときは、暗い曲のおもしろさを楽しみながら弾ける。

たぶん、それはすべてのことに当てはまる感覚で、私はよく、暗く悲しい自分を楽しんでいることがありますが、それは、脳の調子がよくて自分のことをながめ渡すことができ、自分の悲惨さを直視できる余裕があるからです。

本当に悲惨なのは、楽しそうなことを言ったり、強気をアピールしようとしたりするときの自分です。脳の調子が悪く、自分の悲惨さを見ていられずに、自分で自分をごまかそうとおしゃべりになり、よけいむなしさをつのらせる。そういうときは誰かといるほうが心地よいような錯覚にとらわれますが、こんなときこそ大事なのは一刻も早く一人になることであり、眠ることです。



では、また来週。
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1 コメント

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Unknown (ねも)
2008-12-21 23:04:30
お久しぶりです。
ビレッジバンガードをぶらぶらしている時に、文庫サイズで少年探偵団の表紙そのままな本を見つけた時には、私もびっくりしました。
最近読んだ本では、大崎善生という方が書いた「パイロットフィッシュ」という小説の場面がなんとなく「風景をまきとる人」の感じに似ていました。アダルト出版社の編集者であるという点だけですが。
あと、外山滋比古という方の書いた「知的創造のヒント」という本も最近気になっています。何故だか分かりませんがちょっとお知らせしたくなって書き込んでみました。

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