7月27日
立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
ビッグバンの余熱が引き起こした化学変化で生まれた宇宙、島宇宙、銀河系、太陽系、地球、その上を這いまわる生物。
「生きていない物」から「生き物」になったのは、
「暑い!」とひと声吠えてみたかったからではないのか、と思うくらいすごい日が続きますね。
☆
かろうじて星新一訳の「竹取物語」(角川文庫・新版)を読みました。おもしろいけど、やっぱりクセがあるかも。ビギナーズクラシックスで読むほうがいいと感じました。
☆
芥川龍之介の「河童」が入った角川文庫も字が大きくなって出ました。
本屋の店頭でぱっと開くと、「僕は生まれたくありません」と、母親の腹の中から河童の胎児が言う場面。最初読んだ高校生のころは、ただ笑っていましたが、いまではそう書くしかなくなった作者の心を身近に感じます。また、この場面は、すぐに、ボードレールの「この世の外ならどこへでも」と、ニーチェ「ツァラトゥストラ」の「墓の歌」を思い出させます。ニヒリズムの極致的心情であると同時に、「粘液的なぐちゃぐちゃしたもの」に対する反逆ののろしであり、「すっきりしたもの」になるための仏典の詩句のようなもの。なにやら高校生のように意味不明な書き方ですが、要するに、女性的なものへの恐怖と憎悪、彼女たちの道具ではない「なにか」になりたいという男性共通の願いが表現されているといっていいでしょう。といって、その行き着く先は、空を見上げて「雲は天才である」とつぶやくことだけなのかもしれないのですが(この啄木の言葉も、ボードレールの「異邦人」の「あの雲が好きなんだ」という言葉と呼応しています)。
☆
では、また来週。
立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
ビッグバンの余熱が引き起こした化学変化で生まれた宇宙、島宇宙、銀河系、太陽系、地球、その上を這いまわる生物。
「生きていない物」から「生き物」になったのは、
「暑い!」とひと声吠えてみたかったからではないのか、と思うくらいすごい日が続きますね。
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かろうじて星新一訳の「竹取物語」(角川文庫・新版)を読みました。おもしろいけど、やっぱりクセがあるかも。ビギナーズクラシックスで読むほうがいいと感じました。
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芥川龍之介の「河童」が入った角川文庫も字が大きくなって出ました。
本屋の店頭でぱっと開くと、「僕は生まれたくありません」と、母親の腹の中から河童の胎児が言う場面。最初読んだ高校生のころは、ただ笑っていましたが、いまではそう書くしかなくなった作者の心を身近に感じます。また、この場面は、すぐに、ボードレールの「この世の外ならどこへでも」と、ニーチェ「ツァラトゥストラ」の「墓の歌」を思い出させます。ニヒリズムの極致的心情であると同時に、「粘液的なぐちゃぐちゃしたもの」に対する反逆ののろしであり、「すっきりしたもの」になるための仏典の詩句のようなもの。なにやら高校生のように意味不明な書き方ですが、要するに、女性的なものへの恐怖と憎悪、彼女たちの道具ではない「なにか」になりたいという男性共通の願いが表現されているといっていいでしょう。といって、その行き着く先は、空を見上げて「雲は天才である」とつぶやくことだけなのかもしれないのですが(この啄木の言葉も、ボードレールの「異邦人」の「あの雲が好きなんだ」という言葉と呼応しています)。
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では、また来週。