1月28日
「幻滅」読了。
とてもよかったです。
ここにはすでに「ユリシーズ」のフレーズが聞こえるし、「セクサス」「プレクサス」のグルーヴも感じられます。とくに、第二部はヘンリー・ミラー的で(もちろん、本当はヘンリー・ミラーがバルザック的なわけですが)、ひょっとしたらミラーはマーラを、愛人がいるのが当たり前のフランス社交界の女たちと同じと見ているのかも、と思いました。そうならミラーの小説は単純に「自伝的物語」とは言えないのではないかとも。また、登場人物たちが、一人一人ありえないほどの長さしゃべりちらしていく。こんな書き方も二人以外には知りません。基本的には悲劇だと思いますが、なにより爽快感がすごかったです。
そうして、またおこがましいことこの上ないことを書けば、「風景をまきとる人」は、自分の、「白痴」「グレート・ギャッツビー」であると同時に「幻滅」でもある、ということがわかりました。作者の才能とできばえは、1000分の1にすぎなくても。
「幻滅」読了。
とてもよかったです。
ここにはすでに「ユリシーズ」のフレーズが聞こえるし、「セクサス」「プレクサス」のグルーヴも感じられます。とくに、第二部はヘンリー・ミラー的で(もちろん、本当はヘンリー・ミラーがバルザック的なわけですが)、ひょっとしたらミラーはマーラを、愛人がいるのが当たり前のフランス社交界の女たちと同じと見ているのかも、と思いました。そうならミラーの小説は単純に「自伝的物語」とは言えないのではないかとも。また、登場人物たちが、一人一人ありえないほどの長さしゃべりちらしていく。こんな書き方も二人以外には知りません。基本的には悲劇だと思いますが、なにより爽快感がすごかったです。
そうして、またおこがましいことこの上ないことを書けば、「風景をまきとる人」は、自分の、「白痴」「グレート・ギャッツビー」であると同時に「幻滅」でもある、ということがわかりました。作者の才能とできばえは、1000分の1にすぎなくても。