麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第597回)

2018-01-28 23:25:00 | Weblog
1月28日

「幻滅」読了。
とてもよかったです。
ここにはすでに「ユリシーズ」のフレーズが聞こえるし、「セクサス」「プレクサス」のグルーヴも感じられます。とくに、第二部はヘンリー・ミラー的で(もちろん、本当はヘンリー・ミラーがバルザック的なわけですが)、ひょっとしたらミラーはマーラを、愛人がいるのが当たり前のフランス社交界の女たちと同じと見ているのかも、と思いました。そうならミラーの小説は単純に「自伝的物語」とは言えないのではないかとも。また、登場人物たちが、一人一人ありえないほどの長さしゃべりちらしていく。こんな書き方も二人以外には知りません。基本的には悲劇だと思いますが、なにより爽快感がすごかったです。
そうして、またおこがましいことこの上ないことを書けば、「風景をまきとる人」は、自分の、「白痴」「グレート・ギャッツビー」であると同時に「幻滅」でもある、ということがわかりました。作者の才能とできばえは、1000分の1にすぎなくても。
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生活と意見 (第596回)

2018-01-14 18:52:36 | Weblog
1月14日

生島遼一訳の「幻滅」を2冊200円で買いました。今度は読めそうです。バルザックは2年に1作品ぐらいがちょうどいいようです。
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生活と意見 (第595回)

2018-01-02 19:32:55 | Weblog
1月2日

近所の古本屋で河出書房新社の「日本の古典」シリーズ12「親鸞・道元・日蓮」(1973年刊)を300円で買ってきました。最澄、空海の作品も入っていて、最澄の短い文章と、空海の「三教指帰」の現代語訳を読みました。これは小説ですね。すごくおもしろかったです。

キンドル版「風景をまきとる人」を、あらためて宣伝したいと思います。無料のサンプル版があるので、それを読んでいただき、それは主人公が登場したところで終わっているので、よければご購入いただき、全編を読んでみてもらえればと思います。最近ここに書いているような書き方ではなく、最も普通の書き方で書かれています。よろしくお願いいたします。
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