麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第403回)

2013-10-26 14:36:10 | Weblog
10月26日


平凡社ライブラリーから「ボルヘス・エッセイ集」が出ました。
さんざん迷ったのですが、買いました。やっぱりすごくいい。一部しか理解できないものがほとんどですが、おもしろいですねえ。バーナード・ショーについてのエッセイで、ショーの書簡が引用されています。

「わたしはすべてを、そしてすべての人間を理解しているが、わたし自身は何ものでもなければ、誰でもない。」

これは、「創造者」でシェイクスピアの生涯をたった6ページで書いた「全と無」冒頭の、

「彼のなかには何者も存在しなかった。」

と響き合います。これは、人の言葉や描写に託したボルヘスの告白に違いありません。

ドン・キホーテの読み方についても多くの、目からうろこの指摘があり、セルバンテスファンとしてはとても楽しい。興味のある方はぜひ。

「魔法の樽」は、あと二編を残すのみ。
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生活と意見 (第402回)

2013-10-20 07:43:47 | Weblog
10月20日

岩波文庫から、マラマッド「魔法の樽」の新訳が出ました。いまの私にはぜいたくなのですが、買って、読んでいます。すごくいい訳ですが、「天使レヴィン」は、誤訳もあるのかもしれないけど加島訳のほうが好きです。やっぱり、初めて、しかも若いときに読んだからでしょうが。でも、ほかの短編については、この訳が決定訳のように感じられます。読みやすいのに深い。あと、作品の後ろにある作者のへんくつさも強く感じとれます。ぜひ読んでみてください。

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生活と意見 (第401回)

2013-10-12 10:47:49 | Weblog
10月12日


めずらしく新刊本「世界は宗教で動いている」(橋爪大三郎著)を読みました。キリスト教についての知識と洞察。わかりやすくてすばらしいです。それに比べて仏教についてはぞんざい過ぎる気もしますが。いずれにしても、著者は自分の優秀さにほれこんでいて、宗教なんて必要ない方に違いありません。でもだからこそ、客観的でいい本だと思います。まあ、自分の優秀さにほれこむのもひとつの宗教ですが。
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生活と意見 (第400回)

2013-10-06 08:56:55 | Weblog
10月6日


年寄りにはつらい季節の変わり目。
少し風邪をひいたようです。

なんとなく「万葉集」を読み進めました。
全10巻の6巻目。するとまた山上憶良の貧窮問答歌が読みたくなり、全一巻の「国民の文学 万葉集」を出してきて読みました。その部分の訳は、この本が一番いいからです。人間は、昔も今も何も変わっていないと、読むたび痛感します。
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