麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第386回)

2013-06-30 16:27:21 | Weblog
6月30日


新潮文庫の100冊で、「仮面の告白」のカバーのスペシャルバージョンが出たので買いました。いまの通常のカバーが嫌いで、どうにかならないかと思っていたのでよかったです。

「白鯨」は75章まで読みました。最高。

では。
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生活と意見 (第385回)

2013-06-24 04:34:56 | Weblog
6月24日


白水Uブックスから、ベケットの「ゴドーを待ちながら」が出ました。いい感じの本。まあ、私は二巻本戯曲全集をもっているので買わないとは思いますが。でももし、これをはじめとして「モロイ」など小説もUブックスで出るのならいいですね。ついでに、いまはあまり読まなくなった、ブランショやバタイユもこの形で出たらうれしい。あと、ツァラの長編詩なども。

では。
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生活と意見 (第384回)

2013-06-16 13:03:02 | Weblog
6月16日


なんとなく旺文社文庫の「白鯨」(高村勝治訳)を読み始めたら、「メリー・クリスマス」の章まで一気に読んでしまいました。やっぱり素晴らしい小説。原光訳が一番いいとは思いますが、この訳は、注釈がページごとについているのが便利。また、旺文社文庫は紙が良くて、1973年発行でも、少しも黄ばんでいないのがいいですね。

「すべて気高いものにはどこか、陰鬱なところがあるものだ。」

「そして神よ、われわれに(中略)お恵みをたれたまえ。というのは、ぼくたちはみんな、どこか頭をひどくやられていて、大修理する必要があるのだ。」

では。
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生活と意見 (第383回)

2013-06-09 14:36:40 | Weblog
6月9日


「未成年」を読んでいます(3回目)。
創作ノートも同時に。

最近、神保町の古本の価格がすごく下がっています。
以前は敷居が高くて中まで入りにくかった老舗専門店も、どんどん店頭に安い本を並べて、入り口あたりに村上春樹などを置いて「ようこそ」感を出している。売れないんでしょうね。いま自分が30歳ぐらいならもっとたくさん買うところですが。

昔ながらのプライドを保っていると思えるのは三省堂4階の古書館です。「相場だな」と思える値段がついていて、安心する。保存状態もいいものをそろえている。とてもいい場所だと思います。

では。
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生活と意見 (第382回)

2013-06-02 00:26:30 | Weblog
6月2日


「『白痴』や『悪霊』でおかしたような誤りを避けること。つまり、真実を直截に説明せず、かわりに(たくさんの)二次的な事件を、最後まできちんと言い切らずにほのめかすいかにも小説じみた形で描写し、出来事やさまざまの場面のなかで、長大なスペースをとって延々と引き延ばし、そのくせ説明は少しもせず、推測やほのめかしで示した、そういう誤りを避けること。」(『未成年』創作ノートより)

もう、ふき出すほどおかしい。自分でも悪文だという自覚はあったんですね。でも『未成年』でも結局同じ誤りを繰り返している。自分をコピーしているのでなく、毎回別のことをしようとしているのに同じになってしまう。それが本当の個性でしょう。そうして、じつは、毎度繰り返す、そのほのめかしや、一読したのではわけがわからないように見える部分に作者の偉大さも宿る。

まあ、現代の、日本の、したり顔の文芸編集者がついていたら、ドストエフスキーの小説はけして現在見られる形で発表されることはなかったでしょう。一見知的に、文芸的に刈り込まれ、お上品に仕上がり、と同時に偉大な部分もすべて削除されていたことでしょう。毎日量産され消費される見栄えのいい文芸商品のように。でもそんな作品だったら、100年後の人間は誰も読みはしなかったでしょう。

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