麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第847回)

2024-07-07 23:28:16 | Weblog
7月7日

さきほど、万葉集を読了しました。
途中で挫折した伊藤訳から数えれば約20年。折口信夫口訳に出会って再度あたまから読み始めてからは約8年。とうとうやりました。自分をほめてやりたいと思います。今日は七夕ですが、ずーっと七夕の歌が出てくるところでは本当に再度挫折しそうになりました。でも、ひとつでも飛ばして読むと通読の意味がなくなると思い、しばらく(かなり、のときもありました)休んでまた進み、という感じでなんとか最後にたどりつきました。そうして、全貌をなんとなくわかったところでいまようやくいえるのは、万葉集はすばらしい。本当にすばらしい宝物のような書物だということ。様々な人間のさまざまな世界観と感情。それが技巧に走らずに素直に歌われている。こんなすごいこと、人間にできるんだ、と、そういう感動をおぼえます。私がいつも使う概念ですが、歌を詠んだ人が自分の心に刺さった感動の矢の角度を正確に描けている場合、千年以上の時を超えて私はその、詠んだ人のシチュエーションの中にいる私自身を感じることができる。本物の芸術ならなんでもそうですが。まあ、ともかく、死ぬまでに読めてほっとしました。なんとしても今日、それだけ書きたかったので書きました。暑いですね。

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