麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第454回)

2014-10-25 07:32:20 | Weblog
10月25日

うれしい。とうとう来月、岩波文庫からワシントン・アーヴィングの「スケッチ・ブック」完訳が出始めます。これまで新潮文庫(絶版)などでその一部を読んできたわけですが、とうとう全部読める。ものすごくうれしい。スリーピー・ホローの新訳が読めるなんて!このことだけで長生きしてよかったと思います。真の天才の筆頭、アーヴィング。日常の簡単な言葉で語りながら、ありえない深みに連れていってくれる魔術的テクニック。現実と幻想、感傷とユーモア、甘さと苦さ、その両側で自分を思う存分表現しつつ、その背後に、それらすべてを見守り、いとおしみつつ、同時に冷静に配置していく神のような人格が感じられる……本当に天才としかいいようがない、稀有の作者。しかし、また(本人も言う通り)、世間的に見れば世の余計者で、独身者で、旅人で、できることといえばスケッチ・ブックを手に、あらゆる風景の、人々の、そしてドラマの前をただ通り過ぎていくだけ……そんな、山頭火や芭蕉にも似た、世捨て人でもある一人の男。スケッチの背後の背後には、世の中のことも、そして自分のことも「見えすぎてしまった」人間の悲しさが漂っているのかもしれません。――なんにしても、岩波、やってくれましたね。すばらしい。うれしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第453回)

2014-10-18 16:47:38 | Weblog
10月18日

ちくま文庫の「ヘミングウェイ短篇集」で「この身を横たえて」など数編を読み返しました。胸にしみました。

新訳文庫から「感情教育」上巻が出ました。以前福武文庫で「三つの物語」を訳した方の訳です。買ってきてちらと読んだのですが、わかりやすいいい訳。しかし、内容的にいま、物語の中に入っていけません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第452回)

2014-10-13 09:32:42 | Weblog
10月13日

●先便をつける

ほんの少しでも無理して出して腸内の圧力を変えれば便秘は治る(発作)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第451回)

2014-10-04 20:12:46 | Weblog
10月4日

読書に最適の季節になりましたが、まったくその時間が取れません。また、中3の話は頭の中で広がりすぎて手をつけられなくなったので、短い空き時間を使って85年年末ごろからの自分の話をほぼ事実どおりに書いています。それが読書の代わりです。そうだ、一冊だけ。大学6年生のときに買った糸井重里対談集「話せばわかるか。」(角川文庫)を書棚の奥に見つけて通勤電車で立ち読みしました。当時年上の人たちも、いまとなってはみな年下。それも自信満々の若者、中年ばかりで、彼らがなぜ成功者になれたのかよくわかりました。もちろん、自分が失敗者にしかなれなかった理由も。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする