麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第425回)

2014-03-30 07:46:59 | Weblog
3月30日

やはり、「告白」はだめでした。でも、なぜだめかについて書く気力がありません。ただ、私には、こんなものより、「若い芸術家の肖像」の第3章のほうが血のにじむ本当の告白だと感じられるし、カントやニーチェのほうがはるかに真剣に神を求めていると感じられます。「キリストが今ここにいたら ひとつだけなりたがらないものがある キリスト教徒に」(マーク・トウェイン)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第424回)

2014-03-24 00:01:50 | Weblog
3月24日

中公文庫からアウグスティヌスの「告白」(全三巻)が出ました。第一巻を買ってきて、初めて読んでいます。でも、いま、ちょっと気分と合いません。どこまで読めるやら。ところでこの本は「世界の名著」からの再編集ということですが、いったい何を基準に文庫化を決めているのか、いつもながらよくわからないですね。同じパターンとしては、「ツァラトゥストラ」「パンセ」「論語」「荘子」「老子」「精神分析学入門」などは大昔から文庫で出ています。で、やはり「世界の名著」を種本にした、新書判「中公クラシックス」シリーズが出始めたのが約10年前。しかし、そこから文庫になるものが少なすぎる気が。「マニアックなものは入れないんだろう」という人がいるかもしれませんが、それなら今回のアウグスティヌスも、また以前出たフッサールの「ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学」もかなりマニアックではないかと思うのですが。そんな本より、ショーペンハウアーの「意志と表象としての世界」が先に文庫になるべきでは、などと思ったりしますがいかがなものか。まあ、どうでもいい話ですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第423回)

2014-03-17 00:58:58 | Weblog
3月16日

河出文庫からシャーロック・ホームズ全集が出始めました。以前から単行本で出ていたものの文庫化です。「緋色の習作(研究)」を買ってきましたが、紙が白くて文字が大きく、とても読みやすいです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第422回)

2014-03-10 00:27:25 | Weblog
3月9日

ご存知の方も多いかもしれませんが、岩波文庫の今月の新刊で「芥川竜之介随筆集」が出るようです。俳句集、書簡集ときてようやくという感じです。これでちくま文庫の8巻全集と合わせると本当の文庫版全集らしくなりますね。また、同文庫で2月には漱石の「抗夫」が出ました。発表当時のイラストが収録されていて本としてはおもしろいと思うのですが、私には絵が邪魔に感じられました。この「意識の流れ」手法の小説は、まさに言葉の魔術で成り立っている作品で、最小限の語注さえあればよく、あとは漱石の言葉で自然頭の中に広がる世界の雰囲気をそのまま楽しんだほうがいいと思います。いまでも私は主人公といっしょに汽車に乗り、山道を歩き、炭坑に入っていった感覚を思い出すことができます。傑作だと思います。いうまでもないことですが。漱石というと、最近、集英社文庫で新しく漱石コレクションが出ていますね。最新刊は「彼岸過迄」。これもまた傑作だと思います。いうまでもなく。個人的には「こころ」より好きです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生活と意見 (第421回)

2014-03-01 14:25:46 | Weblog
3月1日


新潮文庫から村上春樹訳の「フラニーとズーイ(ゾーイー)」が出たようですね。なかなか改版にならないと思っていたらそういうことだったのですね。でも、なにかサリンジャーと村上春樹はミスマッチな気がして、「ライ麦」のときもそうでしたが、読まないつもりです。フィッツジェラルド作品の訳がいいのはわかりますが、村上春樹にホールデンやグラース家の人々のドン・キホーテ的な「過剰」への共感があるのか。「彼女と寝た。」というような表現をよしとする物書きが、批判的な視点なしにこっけいさを日本語に移せるのか。とても疑問ですね。私のように感じるサリンジャーファンもたぶん多いと思います。まあ、村上春樹訳「シーモアー序章ー」は絶対に出ないでしょうね。出しても売れそうにない作品だから。もし、その骨折り仕事をやるところまでいくのなら、2作の既訳も読んでみようと思います。ノーベル賞候補作家に対して、ゴミのような人間のゴミのような反感を書いてみました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする