3月27日
光文社新訳文庫の「スッタニパータ」(今枝由郎訳)を読んでいます。岩波文庫の中村元訳を今の言葉に置きなおしたかのような簡潔明瞭な文で、とてもいいです。なにか、哲学者、宗教家としてだけでなく、人として偉大なブッダがすぐそばにいるような感じがしてきます。また、ブッダがなぜライオンに例えられるのかも、この訳文を読むと理屈なしにわかる気がします。若いころは、「ほとけ? ほっとけ」などという不遜な詩を書いたりしていましたが、やはりブッダは本当に清い生活を送った聖者であり、当時そのことは容姿やたたずまいから誰にでもひと目でわかったに違いないという気がします。ここでは書きませんでしたが、このところ、科学と仏教の融合を主軸に仕事をしている佐々木閑氏の本も何冊か読みました。今回の新訳も、佐々木閑氏の著作も、仏教のイメージの煤をはらい、いまに生きる思想として蘇えらせてくれるよい仕事だと思います。とくに今枝氏も佐々木氏も、ブッダを魅力的な人間として新たに提示しているところが本当にいいと思います。
光文社新訳文庫の「スッタニパータ」(今枝由郎訳)を読んでいます。岩波文庫の中村元訳を今の言葉に置きなおしたかのような簡潔明瞭な文で、とてもいいです。なにか、哲学者、宗教家としてだけでなく、人として偉大なブッダがすぐそばにいるような感じがしてきます。また、ブッダがなぜライオンに例えられるのかも、この訳文を読むと理屈なしにわかる気がします。若いころは、「ほとけ? ほっとけ」などという不遜な詩を書いたりしていましたが、やはりブッダは本当に清い生活を送った聖者であり、当時そのことは容姿やたたずまいから誰にでもひと目でわかったに違いないという気がします。ここでは書きませんでしたが、このところ、科学と仏教の融合を主軸に仕事をしている佐々木閑氏の本も何冊か読みました。今回の新訳も、佐々木閑氏の著作も、仏教のイメージの煤をはらい、いまに生きる思想として蘇えらせてくれるよい仕事だと思います。とくに今枝氏も佐々木氏も、ブッダを魅力的な人間として新たに提示しているところが本当にいいと思います。