6月21日
目の調子が悪くて、あまりまとまった読書ができませんでした。耳はとうにやられ、目も元々ひどい近眼ですが、さらに腐ってきたようです。本格的な廃人になってきました。
角川文庫から昭和31年初版の「白鯨」が改版で出ました。ちらつく目で100ページ読みましたが、とてもいい訳です。この作品の訳についてもいろいろ適当に書いてきたのですが、これは本当におすすめできます。この作品の訳のむずかしさは、「わかりやすくしようとすると訳文が長くなりがち」「船員の語りなのにまるで学者が書いているように硬い調子になりやすい」という二点にあります。最近の、講談社文芸文庫のものは前者にひっかかり、岩波文庫は後者にひっかかります。この角川訳はその両方の欠点を免れています。訳者の、イシュメールという語り手の設定が絶妙で、いまの言葉でいえばブレがない。これは埋もれていた名訳だと思います。これまで挫折したかたはぜひ試してみてください。
目の調子が悪くて、あまりまとまった読書ができませんでした。耳はとうにやられ、目も元々ひどい近眼ですが、さらに腐ってきたようです。本格的な廃人になってきました。
角川文庫から昭和31年初版の「白鯨」が改版で出ました。ちらつく目で100ページ読みましたが、とてもいい訳です。この作品の訳についてもいろいろ適当に書いてきたのですが、これは本当におすすめできます。この作品の訳のむずかしさは、「わかりやすくしようとすると訳文が長くなりがち」「船員の語りなのにまるで学者が書いているように硬い調子になりやすい」という二点にあります。最近の、講談社文芸文庫のものは前者にひっかかり、岩波文庫は後者にひっかかります。この角川訳はその両方の欠点を免れています。訳者の、イシュメールという語り手の設定が絶妙で、いまの言葉でいえばブレがない。これは埋もれていた名訳だと思います。これまで挫折したかたはぜひ試してみてください。
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