鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

裁判につきものの弁護士費用の請求をめぐって、お互いの弁護士がジャブを繰り出したが、最後は痛み分けとなりそうだ

2023-09-13 | Weblog

 13日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半からの712号法廷での三喜不動産なる会社が顧問弁護士であるとみられる弁護士事務所に対して債権不存在確認請求している裁判を傍聴した。裁判に弁護士はつきもので、その裁判に欠かせない弁護士事務所に対し、債務不存在の確認を訴えている珍しい事件なので、一体どんな内容なのかとの野次馬的興味が湧いてきて、傍聴席に座った。

 まず原告の不動産会社の社長が尋問を受け、まず訴訟の内容を代理人である弁護士からの質問に答えた。それによると、原告は「被告である弁護士事務所から3年前に総額9700万円もの弁護士料の請求を受けて、高いと思った」と語った。「それには費用見積り計算書なる書類がついていて、説明を受けたが、あまりにも高いと思ってか、どんな説明を受けたのかも定かには覚えていない」とも語り、その場ではそれが適正なものであるかどうか判断がつかなかった、とも言った。

 被告の弁護士事務所とは20年に及ぶ付き合いがあり、それまでも要所要所で、いくばくかの顧問弁護士料は払ってきたが、その時の提示額はあまりにも高額で声も出なかったほどだった、という。それで知り合いの弁護士に相場を聞いたら、「1000万円程度が適当だ」とも言われたし、他にも相談してみたら、「根拠が不明朗だ」とも言われた。当該請求書に対しては「同意します」とか、「払います」とは言っておらず、さらに他の弁護士とも相談して、それ以降は役員報酬の形で、分割してなにがしかの顧問弁護士料を払うことにしてきた、とも語った。

 で、今度は被告の弁護士が尋問に立ち、おそらく経営する弁護士事務所の所員である弁護士の尋問に答える形で、9700万円の請求書にはこれまでグループガバナナンスが効いていなかった経営体制を変革するための業務や、不動産会社として契約を結ぶ際の法的なチェックを行ってきたこと、ガバナンスを徹底するための取締役会のあり方などについてのアドバイスを進めてきたことなどの費用が含まれていることなどを述べ立てた。ただ、いかにも叩き上げのワンマン弁護士である被告に対し、部下である一弁護士が尋問に立って質問するのは精細を欠いて、いまひとつの尋問に終わった感は否めなかった。

 この裁判そのものも終わった後に弁護士費用をどうするか、の問題が出てくるわけで、弁護士費用そのものが法廷の場で正面からあれこれ論議されるのはおそらく初めてのことで、裁判長以下、原告、被告ともあまり正面から切り込んでいきたくない面があり、いまひとつ歯切れが悪かった。原告の不動産会社も昔ながらの家族経営で、原告の母親や奥さんらしき人が取締役に名前を連ねており、ガバナンスもさることながら、不明朗な経営ぶりがうかがえるような状態で、お互いにどこまで突っ込んでいいのか、決めかねるような面も見られ、どこまでメスが入れられることになるのか、検討がつかない側面もうかがえた。

 裁判長は原告、被告の証人尋問が終えた段階で、審議の終了を宣し、12月早々に判決を下す意向を決定し、具体的な日時を決めたが、その一方で原告、被告両方に対し、和解の可能性を打診した。和解となることはないと思われ、おそらく被告の請求を半分くらいにすることで決着をつける意向のように感じられた。

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