とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

「ゲゲゲの女房」武良布枝/著

2010-08-26 22:29:09 | 読書
ゲゲゲの女房
武良布枝
実業之日本社


NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」を毎日見ている。水木しげるの漫画が好きで、子供時代はよく読んでいたことから、水木しげるとはどんな人だったのだろうと興味深々でドラマを見始めた。テーマソングのいきものがかり「ありがとう」という歌もいいし、松下奈緒と向井理のゲゲゲの夫婦もなかなかいい感じで、毎日ドラマを見るのが楽しみとなっている。

そんな中、テレビドラマの原案となった、水木しげるの奥さんである武良布枝さんが書いた「ゲゲゲの女房」をやっぱり読んでおこうと思い、早速本屋で買ってきて読んでみた。本屋では山積みとなっており、良く売れているようだ。

テレビで放送された内容は、本を読んで見ると忠実に描かれていたようだった。読みながら、テレビでもこんな場面があったなとあらためて思い出し楽しく読み進むことができた。この本は、水木しげるというユニークな漫画家に嫁いだ女性の視点で書かれている。結婚して何年かは貧乏生活がずっと続き大変な苦労をした様子がかかれているが、奥さんの視点が意外とクールでさらっと書かれており暗いイメージがない。漫画をひたすら描き続ける水木しげる氏の姿に尊敬の念を抱き、妻としての誇りを感じるようになったというくだりは感動する。

やがて、水木氏の漫画が売れ始め、テレビ放送されたりするようになると、有名人としての苦労が新たにでてくる。忙しすぎる夫とのすれ違いや、子供たちとの関係もいろいろあったりして苦労は絶えない。それでも、おおらかに生きていく姿が押し付けがましくなく丁寧に書かれている。まさに、「夫婦とは」「親子とは」、こんな風につきあっていけたらいいなーと思わせるステキな話だった。

また、二人の故郷である境港や安来のことも書かれている。先日旅行で立ち寄った境港の水木しげるロードの話や足立美術館、伯耆大山の風景の話などを読むと、いまさらながら親しみが湧く。昭和の時代を生き抜いてきた一組の夫婦の生き方に大いに共感を抱くことが出来る。

テレビドラマは、あと一月ほどで終わってしまう。続編を期待する声も多いようであるが、本の内容を元にドラマ化している以上、新たな話を続けるのは難しいだろう。ドラマと本を重ね合わせるのも面白い。ドラマを見ていられる方には本のほうも合わせて読むことをお勧めしたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。