prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ゴッド・ディーバ」

2004年05月12日 | 映画
エジプトの遺跡から出て来たような“神”が人間に乗り移って宇宙人に子供を生ませるという変な話。聖母マリアが精霊によって懐胎したのにもひっかけてあるみたいだが、それでどうしたかというと、ただ赤ちゃんが生まれてそれでお終い。肩すかしもいいとこ。
原題はimportal ad vitamで、ゴッドなどとはついていないし、字幕で“神”と訳されていたところもgodとは言っていなかった気がする。キリスト教的な神に逆らった世界観なのかもしれないが、こっちには関係ない。ヴィジュアルは色づかい以外は「メトロポリス」「フィフス・エレメント」などどこかで見たようなのが多い。
だいたいにおいて悪役キャラをCGIで作っているみたいだが、何が狙いだったのだろう。何やらテレビゲームの拡大版を見せられているようで、白ける白ける。
(☆☆★)


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「キング・オブ・ポルノ」

2004年05月11日 | 映画
原題Rate X。WOWOW放映の劇場未公開作。
アメリカハードコアポルノ史上に残るヒット作「グリーンドア」を作ったミッチェル兄弟を、エミリオ・エステベス(兼監督)とチャーリー・シーンの実の兄弟が演じる。ポルノ界の内幕もの、70年代の風俗もの(これだけのべつドラッグを吸っている映画も珍しい)という以上に兄弟ドラマのカラーが強い。賢兄愚弟風なのだが、実は似たもの同志で、その分ぶつかると激しい。兄が弟を殺していたなんて知らなかった。主役二人はさすがに実の兄弟で、若ハゲのメイクがそっくりなもので、どうかすると見分けがつかなくなるくらい。
のべつカメラを傾けている演出はやや疑問。
(☆☆☆)


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「アップルシード」

2004年05月10日 | 映画
バイオテクノロジーやCG技術の発達で、人間性とはどう定義できるのかとか、生物と無生物の違いはとか、現実とは何かとかいった根本的な考えの枠組(パラダイムとかいうそうで)が揺らいでいる状態を、内容的にも技術的にも大幅に取り入れている割に、常識的な人間主義でまとめるというのはいいのかどうか。別にヒトや地球など、どうでもいいではないかというところまで考え方を踏み出していいと思うし、そうしないと画でびっくりさせてお終いのアトラクションからあまり出ない。商業的な都合はあるにせよ。あっちでもこっちでも画でびっくりさせようとばかりしているんで、感覚マヒしてるのですよ。

売り物(?)のモーションキャプチャーの効果は、なんだか「指輪物語」(ロード・オブ・ザ・リングではない、アニメ版の方)で使われていたロートスコープ(実写の映像を手でトレースしてアニメに移す技法)のような、自分で動いているというより動かされている感じ。
(☆☆★★★)


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「愛の狩人」

2004年05月05日 | 映画
1971年作品をBSで放映したのを録画していたのをやっと見る。公開当時はセンセーショナルだったという性描写など、今ではどこがショッキングなのだかわからなくなっているのは予想通りだが、センセーショナリズムとは別に、ジャック・ニコルソンの「女を愛せない男」の像など、男の性(さが、の方)を正確に描いている。怯えというべきか。
複数の人物を撮るのに一人だけフレームに入れておいて他の人物はオフにして声だけ聞かせたりして断絶感を強調しているあたり、もともと舞台演出家(マイク・ニコルズ)が映像で芝居をどう再構成するかという実験を見る思い。ニューシネマの時代というのは、舞台演出家が映画演出で多くの成果を残した時代でもあったのだが、こういう実験は最近あまり見られない。
ジュセッペ・ロトゥンノの撮影はアメリカを撮るとウルトラモダンになるよう。
(☆☆☆★)


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「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ」

2004年05月04日 | 映画
「へんな顔の男」という役が、明らかにクラウス・キンスキーをモデルにしているのが可笑しい。あと「荒野の七人」の七人が総出演するが、マックイーンはあまり似ていない。肖像権で日本で裁判起こしたことあったから、警戒したか。太ったビデオ屋の店長のモデルが水野晴郎という説をよく見かける(名前がマイクだものね)が、それほどはっきりはしていない。

しかしこうやってみると、西部劇っていうのもずいぶん野蛮な世界だね。しんちゃんの世界とすると、ときどき違和感を覚えることあり。
(☆☆☆)


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「恋人はスナイパー 劇場版」

2004年05月03日 | 映画
どうも日本の役者がやるとスナイパーとかいった特殊の職業がウソっぽく見えるのはなぜだろう。いや、特殊でなくても普通の会社員をやっていても役者っぽさの方が目立つことが多い。

水野美紀は頑張ってかなり激しいアクションをやっているが、ところどころ吹き替えではないかと思わせる。実際は違うのか知らないが、そういうつなぎになっているのは困ります。
(☆☆★)


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