prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「真珠の耳飾りの少女」

2004年05月24日 | 映画
女の中に男が一人、という人物設定はよく考えてみると大奥みたいなもので、結構俗っぽい話。パトロンの要求には逆らえないあたりも。それとフェルメールの絵を再現する撮影・美術・衣装・照明の格調の高さとの混交の面白さ。

耳にピアスの穴をあける場面、唇の開け方を綿密に指示する場面などの密やかなエロチシズム。少女がずっとかぶりものをしていたのをフェルメールが何度も頼んでやっと外して髪が露わになるあたりのスリルは、なるほどキリスト教では髪を露にするのを淫らな行為と禁止していたのもわかると思わせる。

少女役のスカーレット・ヨハンセンは絵のモデルと似ているのと、演技と、ともに驚くばかり。カメラ・オブスキュラで像が上下が逆になっていないのはどういうことか。
(☆☆☆★★★)


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