prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「愛の狩人」

2004年05月05日 | 映画
1971年作品をBSで放映したのを録画していたのをやっと見る。公開当時はセンセーショナルだったという性描写など、今ではどこがショッキングなのだかわからなくなっているのは予想通りだが、センセーショナリズムとは別に、ジャック・ニコルソンの「女を愛せない男」の像など、男の性(さが、の方)を正確に描いている。怯えというべきか。
複数の人物を撮るのに一人だけフレームに入れておいて他の人物はオフにして声だけ聞かせたりして断絶感を強調しているあたり、もともと舞台演出家(マイク・ニコルズ)が映像で芝居をどう再構成するかという実験を見る思い。ニューシネマの時代というのは、舞台演出家が映画演出で多くの成果を残した時代でもあったのだが、こういう実験は最近あまり見られない。
ジュセッペ・ロトゥンノの撮影はアメリカを撮るとウルトラモダンになるよう。
(☆☆☆★)


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