prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ULTRAMAN」

2005年01月15日 | 映画
シンプル・イズ・ベストを達成した出来。
最初の「ウルトラマン」の初回、というより基本設定に戻ってのリメークで、シリーズを重ねるごとについてきた不必要な趣向や商品戦略やオタク的要素の手垢が洗い流されて、このシリーズの根本のフォーマット(金城哲夫)の見事さが燦然とした。その単純明快さがあっての多様な変奏が可能だったのがわかる。

当たり前のようだけれど、ウルトラマンは人間と衝突して命を奪いそうになったために合体して、変身してからも命を守るために戦う、というまことにシンプルな動機が明確になった。対するザ・ワン(ベムラー似の姿あり)は奪い続けるだけだ。その意味で青い玉赤い玉の明快な対になっている。
正義とは悪とはといった議論に踏み込み過ぎた混乱を突き抜けて原点に回帰し、空を飛ぶことへの憧れといった普遍的・原初的なモチーフが衒いや照れやシニシズム抜きで表現できた。立派。

ウルトラマンや怪獣のデザインは、絵を書き込み過ぎたマンガやアニメみたいで、成田享によるメキシコの死者の日の仮面と仏像のアルカイック・スマイルを組み合わせたデザインのシンプルゆえのニュアンスが見づらい。

ザ・ワンとネクストというネーミングは最初のウルトラマンの名前がベムラーで、名前だけ最初の怪獣にまわしたのを念頭に置いてか。
(☆☆☆★★)


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1 コメント

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Unknown (prisoner)
2005-06-21 20:57:42
新版の方の「ウルトラQ」でも使われていた首都圏外郭放水路がここでもロケ地に使われている。

ずらっと巨大なコンクリートの柱が立ち並んだ地下空間だから、知らないでみた時にはどうやってこんな画面作ったのかと思った。

首都圏の洪水を防ぐために作られた地下の巨大建造物です。
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